帰らない日曜日のレビュー・感想・評価
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堂々と歩くシーンが美しい
帰らない日曜日とのタイトルとポスターのみでの鑑賞。
なるほど帰らないってそういう・・・・
確かに帰らないなあ・・・・・・。
さようならの一言で終わるのは辛い。。
お忍びの関係って、悲しむことも人前で出来ないって相当辛いんだろうなあ
あの帰らない日曜日があるから、
残された者には、今があって、
もう帰らない日々を回顧しながら、
今を誠実に懸命に過ごせていけるのなら、と思うとまあ、少し前向きにはなれる作品かも。
とてもビジュアル的にもうっとりする美しい作品でした!あんなに堂々とは○かで歩くシーンで美しいと思うなんて!
うーん😔少し期待ハズレ
生まれた時に、既に孤児院に置かれていた女性の一生を描いている。
映画や演劇で良く使われる手法が使われ、3つの時間軸をシンクロさせて展開していく。この映画は比較的シンクロさせながら、コネクトできた。
モノによっては、コネクトできずにあれよあれよと進んでいって終わってしまうモノもあるが、この作品はそれを感じさせず、女性の主だった人生を淡々と描いていく。
昔のコンドームと思わせる映像は印象的。時代の進化を感じたが、内容としては、あるあるかもしれない。産まれてきた時が最悪😞⤵️⤵️であれば、後は登り詰めるだけだから🐗
それを武器にしなさい。
第一次世界大戦で65万人もの戦死者をだしたイギリス(wikiによると88万人以上なのだが)。
そのイギリスの片田舎、ランチを共にするほど仲の良い名家の3家族がでてくる。次第に知れる3家族の抱える不幸は、戦争とは切り離せなかった。時は、メイドたちが里帰りを許された「母の日」。日本ででは年に二度、「藪入り」があったのと同じで、それはメイドたちの楽しみだったのだろうな。その日曜日に起きた出来事が物語の発端。
名家に生まれたポールは、たくさんの物を手にしているようにみえて、実は決まった未来が待っているだけだった。それは、ポールにとっては、窮屈なものだった。
生まれた時に何も手にしていないジェーンには、見方を変えればすべての可能性があった。何者にでもなれる未来があった。だからこその、「それを武器にしなさい」なのだ(このセリフに重みをもたせるために、オリビア・コールマンを起用したのだろう)。ジェーンは、いくつもの幸せを失っていきながらも、それをも生き方の糧にした。それはもともと何も持っていないということを自分の強味(武器)にして生きてきたからだ。彼女は自らの人生を赤裸々に私小説として発表して成功した、のだろう。映像も、そこまでしなくても伝わるのにR指定が入るほどに赤裸々なシーンがある。子供にはわからない物語だから、とわざと一線を引いているのだろうか。
映像美と衝撃と
一枚一枚めくって味わいたいような妥協のない絵画的構図と光。既視感も心地よい幸せな映像体験でした。
時系列がポンポンと入れ替わるカットで構成された脚本も小気味よし。
どうしたって盛り上がりそうな若い二人の秘め事。それにしても、いつまで裸でウロウロしてるの〜!?とざわつく老婆心。しかしこれは全くもって下世話なことでした。
簡単に「死」をストーリーの転換にもってくるのは安易と思っていますが、この映画に関しては実に滑らかな必然性を感じました。
そして、日本人にとっては圧倒的に「第二次」の方ですが、ヨーロッパの人たちにとっては第一次世界大戦というのはとんでもない歴史的トラウマだということを改めて具体的に表現してくれていました。
コリン・ファースとオリビア・コールマン夫婦、よかった。特にオリビア・コールマンがラスト近く、孤児である主人公に「初めから全てを奪われていたあなたは幸せだ。失うものがないことは、あなたの才能」みたいな意味のことを言って抱き寄せるセリフには泣かされた。実際は皮肉な事態だったんだけど、ね。
耽美。ストーリーよりも空気感。
フランス人監督が撮るイギリス映画、そして1924年という時代背景、主演女優の美しさ、全てが耽美でした。ストーリーよりも肌で感じる空気感、そんな様相の映画。
ジョシュオコナーも含めてなかなか服を着ない裸の演出が多いのは監督の示唆なのだろうか。
また、ベテランのコリン・ファースとオリビア・コールマン夫妻の演技は白眉。戦争で子供を失った憐憫を存分に発揮していた。
午後のまったりタイムにもってこいの作品
イギリス文学に親しみも造詣も持っていない僕には合わないかなぁ〜?なんて思い鑑賞です。もちろん、原作未読で。結果は十分楽しめたかなぁ。
「帰らない日曜日」かぁ〜、なるほどな邦題ですね。きっかけであり、歴史であり、かけがえのない思い出であり、イギリス文化や歴史の側面もあり・・・で、なるほど〜です。作品全体が、なんと言うのでしょうね、木漏れ日の中って感じがとても居心地というか、見心地(こんな言葉無い)が良いのです。
映像作品としては、場面の差し込み方が気に入りました。ジェーン自身が記憶を呼び起こしてる感じがよくでてるなぁって。そうそう、こんな感じだった、あ、こんなこともあった・・・で、あの時はこうだったし、あぁその時はあの時と違っていたわねぇ〜、どれをどう書こうかな・・・・?なんて思いが見えてくるようで。
本作はある孤児院育ちの女性の思い出話ではありますが、戦争、家督などの時代背景に翻弄されている人々も描いています。基本、悲しいのです。時代が生んだ物語でもあるとは思いますが、ジェーンの秘事をはじめ色々と「何か」を掴んでいく様は、そんな時代を生きようとする人間の強さを見せてくれているようでもあります。愛欲って生きる根源の一つですよね。学びって潤いのある生活の一つですよね。それに奥様からの一言・・・・まさに金言で人生はどのようにも転ぶもんですよね。
ただ、ポールが現実から逃げてるだけの男にしかみえなかったのが残念だったなぁ・・・歴史、時代の被害者なんだろうけどもうちょっと彼の言動や行動の裏付けがわかるような描き方なかったかなぁって。
けど良作でした。
富士そば
いけないと思いつつ時間があったため富士そばで一杯
前半ウツラウツラ
案の定、人間関係が判らない
どうやら時制が行ったり来たり
ミステリー映画を観ているように筋道を推理していく
終盤、なんとなく理解する
裸で探索はスリリング!!
禁断の愛、イギリスの田舎で
70点ぐらい。
意外や意外、けっこう面白かった(笑)
基本、静かに淡々と進んでいきますが、ほとんど眠くならなかった。
やたら裸が出てきて、官能的にする意味あるのかな?と思ってたけど、
最後まで観て、裸や官能的にする意味あったかな、と思いました。
個人的には意外な終わり方でした。
最後30分前ぐらいから、ビックリする事が起きて、グッと引き込まれ、面白くなった。
名前や家族が色々と出てきて、時間軸もシャッフルされてるので、けっこう分かりずらかったです。
事前に情報を、ほとんど入れずに観たのもあり…
これから観る方は、登場人物の名前と肩書きぐらい情報を入れてから、観た方がいいかもです。
ボンヤリ理解しながら観たので、今度は完全に理解した状態で楽しみます。
もう1回観ます。
イギリス文学を美しい一編の詩に
美しい絵画を見ているようで
終始、夢心地でした
原作をぎゅっと絞って採れた雫をインクにして書いた詩のようでもありました
恵まれすべてを持っているはずの貴族の宿命と
生まれながら失うものがない孤児の主人公の運命との対比を軸に、物語が彼女の人生を紡いでゆきます
悲しみと悲しみが与えたもの
それは過酷だけれど素晴らしいものだったのでしょう
余韻の残る、ため息が出るように美しい作品でした
地味だし、映画に求めるものが噛み合わないケースが少なくないでしょうから、ヒットはしないのでしょうが‥‥
人生が、しっかり描かれていた作品だと思いました
みる価値あり!なイギリス映画です
文学的であり詩的な作品。遠い日の思い出は淡く切ない…。
小説が原作ということで、文学的であり、詩的な作品と言える。
孤児院で育った女性が、メイドとなり、小説家として自立していく。
秘められた恋の思い出は淡く切ない。あまり描かれてはいないが、彼女はその思い出を振り払うように、そして追い求めるかのように、小説を書き続けたのかもしれない。
夢の中を彷徨うような描き方でもあり、多少、イメージにかたよりすぎている感もある。登場人物は少なく、人物の背景も描かれず、断片的に記憶をつなぎ合わせたような構成になる。
見ごたえよりも、感覚で観る映画かもしれない。
ぜひ、劇場でお確かめください。
秘密の恋、切ない恋、を感じさせる予告だったのに、本編はグッとこない...
秘密の恋、切ない恋、を感じさせる予告だったのに、本編はグッとこない仕上がりだった。
エロの描き方も中途半端で、彼女にとっての通過点にしか見えない。
情事の後のエグさだけが目に障る。
どうせ裸になるなら、勿体ぶったエロさを見たかった。
不思議な作品。今年度ベスト級。
これは観た人の受け入れ方で、良くも悪くもなる作品って感じ。
自分は後者寄りな感じだけど、映像は自分好みで良かった。
孤児院で育ちコリン・ファースさん演じるニヴン家でメイドとして雇われるジェーン。
コリン・ファースさん。英国紳士の姿がお似合い。
年に一度の母の日にだけメイドは里帰りが許される。
その日、両親のいないジェーンは恋人のポールの家で密かに愛し合う展開。
切ない禁断のラブストーリーかと思いきや、そこから予想外な展開に。
その日を境にジェーンの人生が変わって行く感じ。
後半はポジティブになれる展開が良かった。
前情報は一切無かったので、そういうストーリだったと納得。
イギリスの風景が美しい。
ジェーン(オデッサ・ヤング)の姿も美しい(笑)
そして20才~オバサンまでを演じてるけどメイクが上手いのか違和感が無い(汗)
他人の家を一人、全裸で物色するジェーンが印象的。
ジェーンが疫病神の様に見えてしまったけど、彼女にとってはあの日が良い思い出となって良かったです( ´∀`)
Goodbye, Jane.
この言葉を笑顔で言うポールに気持ちがさらわれました。彼はジェーンにもう会わないと決めてる。
ポールのちょっとはにかんだような笑顔がイギリスのいいところのボンボンで可愛いなあと思いました。仲良かった兄二人を戦争で失った。幼なじみも戦死した。別の上流家庭のお嬢さんと結婚することに決まっているポール。誰も当事者の気持ちを尋ねないし当事者自身も何も言わない、夫婦間でもコミュニケーション不全の時代。言葉少なく表情と眼差しで演技するコリン・ファース素晴らしい。
イギリスの美学、やせ我慢。一方でプラグマティックなイギリス:彼女が妊娠しないようにする、自転車をガンガン乗りまわすメイド達。
ポールは家族勢揃いの屋外ランチに法律の勉強を言い訳に遅刻して行く。ジェーンと愛し合ったあと、裸状態から服を着ていくのを裸のジェーンが寝そべって眺めている場面がいい。ポールが下着、服を身に付けていく順番はジェーンの頭にきっちり刻まれる。その前、ポールが法律でなくてジェーンをstudyするシーンもいい。まずひざまずいて彼女の靴をぬがすところから始まる。すべてが丁寧でゆっくり。
寒くて嵐や雨が多くて曇天が多いイギリスで唯一美しい季節は4月から6月だと読んだことがある。その4月が始まる直前の3月30日に"Goodbye, Jane."と告げたポールはジェーンに最高のギフトを渡した。彼女に何でも言えたポール。家族が戻るのは4時だからゆっくりと過ごしていって、片付けはしなくていいから、お腹がすいたらキッチンにあるから食べてねと言って。その思いはニヴン家の妻(オリビア・コールマン、適役)の思いにも重なっていた。持てる者は絶望し美にとどまり、持たざる者は希望と猥雑の世界へ。
よりによってPaulの"p"が打てなくなっていた中古のタイプライターから始まった彼女の作家人生は、馬の4本目の脚は「私ね、ポール」と最後に言えたことできれいに輪が閉じた。
衣装、インテリア、先祖の肖像画、イギリス的壁紙、白いベッドリネン、鏡と電話の役割。革表紙の本が壁を埋め尽くす図書室。外に出れば美しい緑と日の光と水。映像も音楽も極上でした。吉田健一がこの映画を見たら原作を読んだら何て言っただろう。イアン・マキューアン原作の映画『つぐない』も思い出した。
おまけ
ジェーンのような孤児院育ちの子の姓がフェアチャイルドというのにはズシンと来た。イタリアでも姓が、神とか子どもの幸せを願うような意味のものだと祖先が捨て子で拾ってくれた教会などで名付けられたからと聞いたことがある。ポールは兄達や幼なじみとの楽しい子ども時代、馬のことなど本当に楽しそうに話していた。互いに色んなことを話せた二人だったんだ。この映画、本当にあとをひきます。英国でのノブレス・オブリージュ強化はネルソン提督から?素敵でかっこよくもあるが悲しい。親からしたら堪らない。
画面いっぱいに広がる美しい絵画とエロス
小説家・グレアム・スウィフトの「マザリング・サンデー」を映画化、メイドから小説家になったジェーンの半生と階級の違う相手との秘密の恋を、上品なエロスとともに紡いでいる。
本作は回想シーンがメインで、さらに時系列がバラバラとなり展開、ゆったりと流れる時間が心地よい。
光をうまく活用した画はまるで絵画を眺めているようだ。
ジェーンとポールの裸体までも一つの絵画として成り立っている。
なんといってもインテリアやファッションも華美で、1924年の上流階級の人々の暮らしも垣間見れる。
本作のテーマは結ばれることのない秘密の恋をベースに、“結婚制度”とは、戦時下での“死や別れ”といったこともテーマとして組み込まれている。
孤児院に捨てられた「生まれた時から全てを奪われたジェーンは失うものがない」という言葉にはハッとした。
何かを手に入れるというのはいつかは失うこと、生まれたら死ぬのだということを突きつけている。
【以下ネタバレ】
孤児院に捨てられたジェーンが小説家になった理由
一つ目が生まれた時
二つ目が書店で働いている時に与えられたタイプライター
そして三つ目が、ある日曜日に起こった出来事、ポールとの秘密の甘い日々がきっかけとなっている。
恋愛は時として、その人の生き方に大きな影響を与える。ジェーンが何度もタバコを吸うシーンがあるが、タバコもポールの影響、そして小説家になったきっかけもポールの屋敷の図書室から始まった。
エレガントでクラシカル、ちょっぴりエロスがスパイスとなった上質なイギリス作品だった。
ジェーンが素っ裸でパイを頬張りながらビール飲んでゲップするシーンがリアルで笑っちゃった。
コリン・ファースの存在感もさすがだ!
#41 関係性が分かりにくい
ポールがCファース役の人の息子だと思っていたので、三家族の関係がイマイチわからなかった。
◯◯家と言うのは屋号のことなの?だってポールの苗字はシェリンガムなのにアプリィ家とか呼んでるし。
婚約者がいる相手と寝てるんだからジェーンはポールのことを愛していないのかと思いきや、実はめっちゃ好きだったことが最後にわかって一安心。
もうこの世にいない人の体液を愛しむ彼女が愛しい。
20世紀前半のイギリスの人々の生活や考え方を知るにはよい素材。
とてもきれいなシーン
が続きます。
ダウントンアビーの世界。でも大きなお屋敷もメイドが出払うと無人になってしまう。
喪失、失なうくらいなら最初からいない方がいい?
そうは思わないけれど…。
原作をゆっくり読んでみたくなった。
格差の悲劇を描いている訳ではない
孤児院育ちのメイドである主人公ジェイン・フェアチャイルドは「私もメイドの子供かもしれない」と言う。言っている相手は名家の子息であるポール・シェリンガムである。ふたりの格差はこのシーンに集約されている。
ジェインは両親の名前さえわからない根無し草だ。しかし恋の相手は家柄正しきエスタブリッシュメントである。釣り合う相手ではない。ポールは親から決められた結婚を当然として、ジェインを親友だと呼ぶ。ジェインにとっては悲恋だが、ポールにとっては楽しい思い出だ。しかしポールも単なる能天気なお坊ちゃんではない。笑顔で「グッバイ、ジェイン」と言った最期の言葉の真の意味は、誰にもわからない。
ジェインが黒人青年ドナルドに語った、作家になった三つのきっかけのうち、ふたつはジェインの口から語られる。生まれてきたこと、それにタイプライターをもらったことだ。三つ目は秘密だというと、哲学者のドナルドは完璧な答えだと感嘆する。しかし本当はドナルドも三つ目を知りたかったに違いない。
映画は格差の悲劇を描いている訳ではない。むしろ女性の自立を描いている。それが明らかになるのが、ジェインが裸でシェリンガム家を探検するシーンである。巨大な屋敷は権威の象徴である。対するジェインは何も持たない素っ裸である。つまり、ひとりの女性が、その人間力だけで世の中に対峙する様子を象徴しているのだ。ゆっくりと屋敷を見て回る裸のジェインの姿は、堂々として屋敷の威容に負けてはいない。
この体験と、時刻を同じくして起きた悲劇が、ジェインに大きな喪失感と、強い決意をもたらす。ジェインは文字を紡ぎ、心の中の穴を埋めていく。そうするしか、彼女には生きる術がなかったのだ。三つ目のきっかけはつまり、本作品そのものである。
ビバルディの「夏」が効果的に使われる。夏は若者にとって遊びの季節だ。しかし夏はいつか終わる。若者はいつの間にか若者でなくなる。だから「夏」はどこか淋しげなメロディに満ちている。「四季」は素晴らしい曲だ。最近の映画では「冬」が使われていることが多い。
ジェインの青春は辛い時代だった。燃えるような朱夏の体験は、恋の喜びと肉欲の充足をくれた。忘れ難い肉体の悦び。そして喪失。その後は、おそらく孤独で充実した白秋の時期があったに違いない。書いても書いても埋め尽くせない心の穴は、ジェインをタイプライターの前から動かさない。そしてジェインは玄冬の時季を迎えた。小説をたくさん書いた。少しは心の穴を埋められた気がする。ジェインはようやく、青春と朱夏の季節を肯定できるようになったのだ。
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