「女性監督ならではの官能性」帰らない日曜日 かとしさんの映画レビュー(感想・評価)
女性監督ならではの官能性
予告編だけの事前情報で見たんだけど、見ているうちに、これは女性監督が撮ってるんじゃないかと思った。後で調べたらやっぱりそうだった。
情事のシーンの印象から女性特有の感性を強く感じて、このような演出は男ではできないなと思った。
情事のシーンから溢れてくる質感がとても深く官能的。描写が繊細で、体温や体臭、吐息や肌の触れ合う触感なんかが伝わってくる。ベッドシーンのある作品は珍しくないけど、これほど繊細に体感に直接来るような作品は初めて。
撮影の美しさも特筆すべき点。英国の田園風景の美しさもあるけど、それ以上にカメラによって切り取られたひとつひとつシーンが絵画のように美しい。オデッサ・ヤングの着る赤いジャケットをはじめ、配色が厳密に計算されているし、光と闇のコントラストも息をのむほどの強い印象を残す。
演出や撮影だけでなく、女性の自立や子供の死など作品全体に強い意志を感じる主題もあって、このエバ・ユッソンという女性監督は一筋縄ではいかないと思った。
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