劇場公開日 2022年6月17日

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PLAN 75のレビュー・感想・評価

全360件中、41~60件目を表示

4.0現実的

2023年6月12日
PCから投稿

先日(2023/04/27)ネットに“日本人口50年後8700万人”というニュースがあがっていた。「将来推計人口」の試算によるものだそうだ。

外国人の入国者が増加し、2070年の平均寿命は、男性は85.89歳に、女性は91.94歳に伸び、高齢者の人口は38.7%に上昇する。──とニュースは言っていた。

じっさい、どんな世界になるのだろう。

映画Plan75は75歳で死ぬ選択ができる謂わば姥捨山が法制化された世界を描いている。
若年者は老人の長話につき合い、つつがなく死んでくれるように説得し、外国人は死を看取る。
倫理はともかく「そうならざるをえない」と思える世界でかなり現実的に感じられた。

以前に比べて成田悠輔があまり出なくなったのは「高齢者は集団自決」発言によるものと言われている。
発言は伝播し海外の拒否反応が強かったので日本もそれにならった。人権に触れる問題はグローバリズムに従属せざるをえないからだ。

ただし少子高齢の社会問題にたいして高齢者が死ぬしかないという提案は、たんに誰も言わないだけの姥捨山発想であり、ドライかつ毒のある成田悠輔の特性を知った上で、ネタにされ楽しまれた発言だった、に過ぎない。

言うまでもないが高齢者が集団自決するのは不可能だから。喩えに憤ってどうするの。

ましてこの惑星で唯一無二の特殊な環境にある日本の問題を海外の人権派にいちゃもんをつけられる筋合いはない。

ごく順当に考えて高齢者が死なないなら、じゃああんた、どうやって少子高齢社会に決着つけるんだよ。──という話である。

生きたい人はともかく、75歳で(あるいは何歳であろうと)逝ってもいい人が逝ける世界は、かなり現実的ではなかろうか。

じぶんも誰かや国の世話になる前におしまいにしたい。
そういう制度があったら世話になりたい。(潔いことを言っといてその時になったら生きる気まんまんだったりしてなw。)

早川千絵監督は上手だった。基本が出来ていて悲しい場面をずるずる引きずらない。お涙にしない。日本の映画監督とはぜんぜん違った。

来歴を見て、海外でしっかり映画を学ぶと、悪しき日本映画から抜け出せるのかもしれない──と思った。また(わたしの観相は精度が曖昧だが)早川監督は顔がよかった。

ただし映画Plan75には生きのびる人も死にゆく人も大人しく善良な人物しか出てこない。

現実世界はもっとぐだぐだで、理不尽な人がいっぱいいて、むしろPlan75の世界が丁寧な世界に感じられてしまった。

そこで思うに、この進み具合で人の心が荒んでいけば、政治家が選択制安楽死法案を提唱し国会で通るのは、わりと近い未来のような気がする。

本作はカンヌの“ある視点”をとっているのだが、将来の日本で、少子高齢化は“ある視点”どころか、ほぼすべての因子になる。

そのとき「高齢者は集団自決」発言やPlan75がどんだけ普通の成り行きなのかきっとわかるときが来るだろう。と思った。

倍賞千恵子がよかった。

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津次郎

3.5孤独を抱えた老人が人生の最後に考えること

2023年6月11日
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鑑賞方法:VOD

与えられた選択肢を倍賞千恵子さんが
好演していました。
電話での自分の人生を振り返る温かみのある声、何処にも行く宛の無い自分。
寂しさを抱えながら彷徨う感情。
ベンチに座りながら差し出された炊き出しに
1人静かに黙々と食べるミチ。
PLAN75と言う制度を利用して
電話での話を聞いてくれたコールセンターの
女性、河合由実さんに感謝を伝えるミチ。
夕陽が差し込むシーンは、人生の終末期を
どう迎えるか表現されていました。

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美紅

3.0壊れてはいないのに、なぜ

2023年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「すみませんこのパソコン、壊れてるみたい」
「壊れてはいないですね」
「じゃあなぜ…」
というシーンがなんとなく残ってる

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zzzzz

1.5年寄りには重い話

2023年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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Keita

3.5倍賞千恵子さんの演技が光る

2023年5月25日
スマートフォンから投稿

超高齢化が止まらない日本において、生産性のない高齢者は生きる価値がない、死んでほしいと扱われる世の中になっていくのか。
設定自体は架空の物語だけれども、他人事ではないリアルさがあり、これから必ず老いて高齢者となっていく身として、観た後、ずんと重い感覚が残った。
いくつか設定や話の流れに不自然さを感じる部分もあったものの、十分に心に訴えてかくるものはあった。
そして、何より倍賞千恵子さんの演技が素晴らしかった。歳を重ねてより一層深みのある、リアルな演技に引き込まれた。彼女の存在感により、この作品がより心に残るものになったと思う。

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YKKm

2.5架空の制度 PLAN75

2023年5月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

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Shin K

3.0Plan25

2023年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

難しい

もっと深みのある内容を期待していたが、結構浅かった。
よく言われていそうな両論併記的な内容。
結局、倍賞千恵子は何だったのか。
難しい問題なので、提起だけで終わりで~すという感じかな。
まあ、提起してくれただけでもよしとしようという評価。

ちなみに、私は安楽死法を待望している。
75どころか被選挙権が生じたら自由に権利を行使できるようにすべきだと思う。
75じゃ単なる姥捨て山法で非人道的の誹りは免れまい。
LGBTもいいが、合法的に管理されながら死ぬ権利は認められるべき。

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みみず

4.0夕陽は、ただ沈む

2023年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ようやく見た。
ずっと気になっていて映画。
『週刊金曜日』でも特集が組まれ、表紙は倍賞千恵子が飾っていた。
杉田何某とか成田何某というような、自分のアイデンティティを「無知」と「無恥」に込め邁進している輩が重宝されているこの社会の現実では、この輩の口を少しばかりでも塞ぎたくなうような心境だ。

おそらくは誰もが、重く考えさせられた映画だったろう。
もしこの映画を観て何も響くものがないというのであれば、まさに「何某」と同類の「素晴らしい」論者ということになるだろうし、自分からすれば、また「蠅叩き」の相手が増えただけの話だ。

映画のテーマとして
死は吐き気である。これは正しい。
この死を、自己完結的に綺麗に処しようとするところから、人の思考は誤り始める。
自己決定とか、他害禁止という言葉で、死を害い始める。
死は、いつでもどこでも誰にでも吐き気でしかない。
この映画の後半部分にそのシーンが出てきたのは合点がいく。
自分でも、そして他者でも割り切れずに受け入れなければならない「死」とは誰にとっても「吐き気」でしかない。
死を自在や他材では処すことなどできないにもかかわらず、それを知らない連中は傲慢にもそれを恣にすようとする。生まれてきた時もそうであったように、死すること、時も自分の思いのままにはできないのだ。

映画の構成として
見事である。
角谷、岡部、マリアのストーリーが、最後に向け結節点を描き出していく。そして、その結節点が、誰かに「剥ぎ取られてはならない死=生き方」であった。
この死の固有性や一般化不可能性を描き切ったという点では評価できる。
背後に流れる、言葉として語られている「一般化されたナレーション」とのコンストラストが秀逸だった。

そして映画の色使い
光の使い方、照らし方、影の用い方、とても素晴らしい。役者の一人一人の言葉少なさを陰影で十二分に表現していた。

#こんな映画を制作させてしまうこの国のあり方こそが、No Planだということの証左だろう。

#倍賞千恵子の「声」=「歌」。
 人は、この(自分の)声=歌で、生きる。
 自分の人生は自分のメロディーでしか理解できない。

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critique_0102

3.5考えさせられる作品

2023年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

最近気になる磯村勇斗くんが出ているので
気になっていた作品

最近の作品は『観たいなぁ~』って思ったら
直ぐに行かないと見逃してしまうので…
この作品もしかり…。

やっとAmazonプライムで観た

内容が内容なだけに重たく
画面も暗めな部分も多くて…
『えっ!何?!』って…
解説を求めたくなる場面も多くて💦

高齢化の今現在

後継者の居ない高齢者には選択肢のひとつになるであろう『PLAN75』なのかもしれない

自分だったらどうするだろうと思わされた作品で
磯村くんの振り幅も大きく感じさせられる作品でした。

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usausako25

4.0高齢者の安楽死に踏み込んだ映画

2023年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

75歳から自分の生死を選択できる制度が制定された近未来の日本を描いた映画です。
設定やストーリーはさておき、高齢者の『安楽死』を正面から取り上げた勇気を評価したい。政治家は高齢者の票が欲しいので一切触れないし、マスコミも批判を恐れ本格的に触れません。
この映画は高齢者には実感が湧くが、若い人には、老人ばかりで暗くてテンポが遅い映画としか映らないだろう。若い人もいつかは高齢者になるので、高齢者の若いときの映像も入れ、若い人でも実感が少しでも湧くようにしてほしかった。また、もっと存在感のある男性高齢者俳優を起用してほしかった。
しかし、この映画により、高齢者の『安楽死』について、スタートラインに着けたような気がします。
ちなみに、私は71歳の爺です。

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eimei

3.0重い内容。

2023年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

75歳になると、自分の死を選ぶ事ができる、という制度があるという設定での話。
そこで75歳になると、それを選ぶ人の葛藤と苦悩と孤独をひしひしと感じる。

知り合いの孤独死を発見する、高齢で仕事が見つからない、ポストを見ても郵便物がない、老と死と孤独が常に映像に付きまとい、死は他人事ではないことを改めて感じる作品。

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キッスィ

2.5.

2023年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

.

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Michael Han

3.5役者さん達が名演技

2023年4月17日
iPhoneアプリから投稿

これ実際にあれば

今の年金制度の逆で

75歳なら十万円

それ以前なら金額増えるよって
60還暦ころまで遡ると一千万ぐらいもらえるなら

退職金のない私は立候補するかも?

ただ、最後の在り方が付け焼き刃だなぁ

個室で死にたい。

それか寿命を操作してもらって、自然死にみせかけて死にたい。
事故でもいいから。

終活少し前の自分は死に方を考えさせられる内容でした。

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悠々同盟

2.5カメラの角度、おさまりの悪いピント、長すぎるズームなど、撮影にいくつか心地悪さをおぼえる。

2023年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

未来/現代の姥捨て山は、自ら山に行ってもらい他人の手で始末するという設定。あり得る。

だが登場人物がみな物分かりが良くおとなしすぎるので面白くない。そうではない人がもっといるはずだ。

オープニングシーンがあったからPLAN75が成立したのだろうが、やや説明不足。

遺品整理や役所の上司、炊き出しなど、取材した逸話の挿入は面白い。

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jollyjoker

4.0尊厳死について貴方はどう思いますか?

2023年4月13日
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鑑賞方法:VOD
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りんご大福

5.0自分事として考えさせられた

2023年4月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1日前に寅さんの1作目を観たばかりだったので、あの若々しいさくらがこんな歳になったことに人間の老いを実感した。またPLAN75が非常に真面目に描かれていたのには好感が持て、真剣に自分だったらどうするだろうと考えてしまった。

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あっちゃんのパパと

2.5寂しさ溢れる各人に訴えてくる映画

2023年4月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

幸せ

寝られる

内容は、舞台は近未来の日本。75歳に選択制で死を選ぶ権利が法律で可決され登場する人物が死について考える映画。印象的な言葉は『さよならだけが人生さ』この映画は、映像の寂しさを強調しながら歌が映画全体を分かりやすく登場人物の心境を表していたところが、一段深く感じる事が出来ました。印象的な場面は、それぞれの登場人物が観客に訴えかける様に正面を向く場面が目を逸らすことが出来ず、意図的に考えさせられました。印象的な状況は、老年の寂しさが特に強調されステレオタイプに描かれて、もう少し深く登場人物に入り込めなかったのか?!尺の都合なのか残念でなりません。映画界では、昔から良く使われる題材の姥捨山なので期待しずきてしまいました。しかし、新しい視点を得ることが出来ませんでした。夕暮れの静寂の中新たなスタートを感じされる終わりのコントラストは気持ちよかったです。そして倍賞千恵子さんの演技と姿勢は歳を感じさせない流石女優だと感心した作品です。

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コバヤシマル

1.0なんだかな

2023年3月31日
スマートフォンから投稿

起こりもしないディストピアな世界をわざわざ映画にしてみたらやっぱり救いのないディストピアでしかなかったという作品で、ひねりも気づきもメッセージも何もないそりゃそーだろって話でした

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古谷

3.5しっとり描かれる非日常

2023年3月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

淡々と日常を描いてるようで、高齢者が死へ向かう世界。高齢の当事者、死を担当する若者、関わる外国人労働者。大きな出来事は起こらないがそれが静かに、ひたひたと迫る怖さを感じる。

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Misty

3.5死の選択と、その先。

2023年3月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

影、遮光、自然光での撮影など、どうしても感情的になってしまう映像だが、この制度を前向きに受け入れた人も中にはいたのではないだろうかと想像せざるを得ない。そのあたりの対比もきちんと描いて欲しかった。
一方で、死をルール化することで、対象者個人や親族ではなく、社会にもたらす影響については、もっと深掘りできるのではないかと思った。そこに光を当てるのが作者の意図だとすると面白く思う。
それにしても、倍賞千恵子の素ではないかと思わせる演技力に、ただただ引き込まれる。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。