「観るのに覚悟のいる映画」PLAN 75 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
観るのに覚悟のいる映画
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静かに淡々と老いと死を描く本作は深沢七郎の「楢山節考(1957)」が世に出た以来の衝撃を孕んでいます。さすがに老人淘汰を狙った冒頭の描写、事件はないものの2016年の相模原障害者施設殺傷事件を想起させる演出に肝を冷やされました。
勿論、フィクションであることは分かっているものの棄老伝説は古来より世界各地に伝わる民間伝承であるから、まさに人の業を表す根源的なテーマには違いない。
是か非か言うまでもないが、仮に自分が難病にかかったらと考えると安易な解は出せないし、重苦しく悲壮な日常描写は倍賞千恵子さんの熱演と相俟って真に迫って息苦しい。
話題の問題作、社会派ドラマであることに異論はないが観るのに覚悟のいる映画でした。
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