「静かで深く濃い映画でした」PLAN 75 名前さんさんの映画レビュー(感想・評価)
静かで深く濃い映画でした
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登場人物の気持ちを表すような影の使いかたなど
小説で言うところの【行間】の開け方・・・というか
間を置くことで考える時間を持てる絶妙さを感じました
個人的には内容も無駄が少なく重要な描写を綺麗につなぎ合わせていて
登場人物の気持ちの変化がしっかり伝わってきました。
内容は非常にセンシティブで
登場人物それぞれの立場で考えてもハッピーエンドが一つもない
・利用者・・仕方なく尊厳死を選ばされる→実際は産業廃棄物の残骨灰として処分
実際利用者が増えたら・・周りからあなたはなぜ・・・という雰囲気もでるだろう
・担当者・・事務的に業務として行っていたが、身内の利用により考えが変わり遺体泥棒
・オペレーター・・相手が人だという事に気が付き考えが変わり、途中でやめることが出来ると暗に進めてしまう。
・外国人労働者・・職業需要は増えて収入は良くなったが・・死の上に成り立つものを受け止められるのか
・主人公・・逃げてしまって夕陽を見て心機一転のような雰囲気で終わっているが、実際ならどうなるだろう? 住んでいたところは引き払ってもう借りられない・・仕事もない・・・10万円やそこまでの費用も返す必要が出るかもしれない・・・身内も居ない・・・
完全にバッドエンドにしか見えない。
かと言ってプラン75に代わるような政治的な解決策もなかなか出そうにもない・・
日本の良くない分岐のパラレルワールドを見た気分です。
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