「若者は何をすべきなのか」PLAN 75 一発屋さんの映画レビュー(感想・評価)
若者は何をすべきなのか
最近観た映画で一番面白かった。
平日の午前だからなのか、内容がこれだからなのか、私以外全員中高年のお客さんでした。
plan75、賛成か反対か一言で言うなら賛成です。そもそも75歳以下でも働けない人や体が不自由で生きてるのが辛い人には安楽死の選択を与えるべきだと思っています。ここでは【働けない人】がポイントかと。まだ納税出来る人は国のために働かなくてはいけないので死の選択を与えるべきではないですね。
主人公のミチは独り身でこれが独身を選んだ女の末路か…と思いましたが、一度結婚して出産もしてるんですよね。あそこでちゃんと出産がうまく行ってたらこんな末路にならなかったかもしれない。おばあちゃん仲間の一人(役名分からない)は孫がいて、その人は歳を取ってもキラキラしていて、その二人の対照的な感じも上手く表現されていました。
とは言え、私は出産願望ない女の一人です。映画を見てる最中は、やっぱり結婚出産した方がいいのかな、とも思いましたが、今のうちにちゃんと貯金する・社会とのつながりを作っておく・仕事でのスキルを身につけておく等将来のことを見直すきっかけにもなりました。まあ歳をとる前に死ぬのが一番いいですね。私の父親は50歳で死にましたが、私もそうなりたいな。生前父が「俺が認知症になったら殺していいからね」って言ってたのを思い出しました。
支度金10万円ってそんなに高齢者にとってありがたいんですかね?大卒で22歳から毎月1.5万円も年金納めたのに10万円しか貰えないなんて酷いな。まぁ納めた年金全部返すってしたら、plan75やる意味があまりなくなってしまいますしね。(お年寄りの社会保障を減らす等)
ミチが新しいバイト先がなかなか決まらず、交通整備の仕事をしているシーンが哀愁漂ってて印象的でした。しかし、交通整備の仕事してる人に失礼では?とも思いました。確かに78歳女性が交通整備の仕事なんて可哀想だなとも思いますが、それって中年男性でもやってる人がいますよね。中年男性が交通整備の仕事してる描写があってもそんなに可哀想だな、とは思わないじゃないですか。
磯村勇斗の演技もよかったです。しかしラストは何であんなことに…。お葬式を上げさせたかった?意味が分からないです。多分装置を壊したのも意図的ですよね。結局ミチは生き残ってしまったし、こんな酷なことあります?死ぬ決意をして、死ななくて、でも仕事は見つからないし更なる地獄を生きるだけでは。生き残ってしまった場面を見た時、「はあ?何してくれてんの」って思ってしまって、自分の加害性にも気づいてしまった。いや、多分お年寄りの立場に立っての意見ですけど。
この映画を見た後、いろんなレビューやSNSでの反応を見ましたが、私と同じ意見の人は少ないですね。何が違うかと言うと「自分が死にたいと思った経験」だと思います。私は20代前半の女性ですが、死にたいって思った経験が多分人より多いんです。この制度に反対してる人は"生きる辛さ"をあまり知らないんじゃないかな。私は今はまだ若いので非正規ならまあ仕事は見つかるけど、もし仕事が見つからなかったら…って考えると怖くて仕方がないです。
でもやっぱりお年寄りに優しい社会になってほしいと思います。確かに少子高齢化で国の財政を圧迫してるとは思うけど、お年寄りだって若い頃たくさん働いて納税してきたんだし。それなのにこの映画のようにお年寄りを排除しようとする社会はなかなか酷い。あとは独り身でも充実できるようなサードプレイスの提供が必要だと思います。
現代の少子高齢化社会ではすごくリアルに感じてしまう映画でした。外国人の役の必要性ってあまり感じなかったけど、少子高齢化社会では移民の重要性が高まってくると思います。だからこそ味が出ていました。
ミチが成宮と会って、お金を渡すシーンはなんだか切なくて泣けてきました。他人事じゃないというか。自分もお金をもらう立場にいるので。例えばお年玉をあげる行為って、孫を喜ばすために見えて、自分の承認欲求を満たす行為なんじゃないかなって。若者にお金をあげて、それで喜んでもらえて自分の存在意義を感じられるじゃないですか。このシーンにそういう意図はなかったらごめんなさい。
この仕事、実際にあったら冷酷な人間じゃなきゃやってられないですよね。自ら死を選ぶお年寄りを見て心が痛む人には務まらないと思います。
「生きるべきだ」「けしからん制度だ」という優等生な声が多い中で、貴方の率直なレビューは大いに参考になりました。勇気ある素晴らしい行為です。
そう、レビューって本来いろんな声があるのが自然なはずですもの。
「長生きリスク」っていいますものね。 考えさせられる映画でした。
若者は、こんな映画を見て、若者の責任等と、映画からの同調圧力を感じてはいけないと僕は思います。本当の犠牲者は今の若者だと思います。今の老人はがめつくのうのうと生き残っていますし、サクラさんの様に謙虚な老人なんて少ないと思います。
それよりも、今の若者はそう言った老人為に働かされ、挙げ句は、きちんとした正当な賃金すら支給されないのが現状だと思います。
そして、この映画は近未来なのですから、主人公のミチは正に貴殿なんです。怒りを覚えませんか?
さぁ、この映画が本当に訴えなければならない事は『子どもが教えてくれたこと』や『ジョニーは戦場に行った』等を見るとわかります。
長くなってすみませんでした。僕は男性の頑固な老人です。貴殿の逆の立場かもしれませんね。共感は出来ないと思いますが、コメントを入れさせて頂きました。
これから、大変な世の中になると思いますが、この国は率先して助けてはくれません。だから、自分の為だけに自由な意思で生き抜いてください。きっと明るい未来が開けると思います。