劇場公開日 2022年6月17日

  • 予告編を見る

「イオンシネマは毎日55歳以上の方1100円」PLAN 75 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5イオンシネマは毎日55歳以上の方1100円

2022年7月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

2022年映画館鑑賞27作品目
7月4日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円

早川千絵監督作品初鑑賞
脚本も早川千絵
山田キヌヲが出演している短編の方のPLAN75未鑑賞

75歳になったら生きるか死ぬか決められる近未来の日本の話

昔からありがちな発想
21エモンでも似たようなエピソードがあった

カンヌで新人賞を獲得するなど世界の評価は高い
だがはっきりいって内容は全くもってつまらない
脚本の時点で駄作なんだろう
たしかに画像にはチカラがありその点は有能といえるのだが
それでも期待したものとはだいぶ違う
カンヌで賞を獲得した作品を全否定する気はないがこれはハズレの方だ
あつかうテーマは悪くはないがただそれだけ
海外作品の『青いパパイヤの香り』や河瀬監督の『萌の朱雀』と似たような雰囲気でそれが好きな人には向いているかもしれない
高齢化問題を考えさせたいなら『楢山節考』を観た方が面白い

まずSFだが話として全くありえない
このては少しくらいもしかしたらあるかもってのがほしい
早川監督の頭の中を切り開いて中身を見てみたい
高齢者に対する大量殺人事件が起きたから高齢者の皆さんに進んで死んでもらいましょうという発想があまりにも突飛で現実離れも甚だしい
国会議員が自分で自分の首を絞める法律を作るわけがない
高齢者を在日朝鮮人や同性愛者や知的障害者に置き替えたら流石に破綻していることに気づくはずだ

初の長編作品制作のためしんどかったのか集中力を失ったのか飽きたのか文化庁からの補助金が雀の涙だったのかガスで安楽死させる施設の設定も酷い

見た目は老婆
声は寅さんの妹さくら
その名は倍賞千恵子
重いテーマを彼女の存在感でさらに重くしている感じ
コメディエンヌが演じたらまた味わいが違ったかもしれない

介護施設で働くフィリピン人女性はこの作品にはいらなかった
この作品とはまた別の形で扱ってほしかった

河合の最後のカメラ目線が良かった
なぜか楳図かずお先生の『洗礼』のラストを思い出した

ホテルの客室を掃除するおばさんだったが高齢を理由に解雇される角谷ミチに賠償千恵子
PLAN75担当の市役所職員・岡部ヒロムに磯村勇斗
ヒロムの叔父・岡部幸夫にたかお鷹
PLAN75コールセンター成宮瑶子に河合優実
ミチの友人・牧稲子に大方斐紗子

自分はどうせ死ぬなら映画館で映画のエンドクレジットを観ながら死にたいものだ

追記
かつて『嫌韓流』をヒットさせた山野車輪が『若者奴隷時代』という本を出版したが嫌韓モノに比べると売り上げはそれほど芳しいものではないらしい
それは日本が高齢化社会であり本を買う年代は若者より年配の方が多いからだろう
それに若い人も夭折しない限り高齢者になるからそういう視点がない人以外は冷静だ
そこが在日朝鮮人や同性愛者などに対する差別と根本的に違うところ
怪しいデータを並べてみたところで若い人が貧乏なのは年寄りのせいではないのは明らか
年寄りがいなくなったからといって若い人の生活が楽になるわけではない
若い人が趣味はそこそこにバリバリ働き恋愛し結婚しバンバン子供を作ればいいだけの話だ
太古の昔からみんなそうしてきたのだ
年寄りは孫や曾孫の世話をし年金からバンバンお祝い金やランドセルなどをプレゼントする
それで世の中うまく回るのだ
簡単なことだ
結婚していない自分が偉そうに主張することではないのだが

野川新栄
When I am 75♥️さんのコメント
2022年7月13日

その通りですね。子供を作れば良いんです。だから、この映画は老人問題ではないと僕は見ました。
発想は良いのですが、脚本と演出が悪いと僕も思いました。

When I am 75♥️