「現実になりそうで怖い!!」PLAN 75 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
現実になりそうで怖い!!
話題の作品!!これは観ないと行けないかも!!
なんと言っても主演が賠償千恵子さん
ずっと庶民を演じ続けて来た
賠償さんの存在の説得力が半端無い。
人生色々の事情によって今は1人暮らしだけど
決してイイ加減ではなく生真面目に生きて来た女性。
少々足を引きずり気味だけど、自分のことは全部自分でできて
認知症とかでも無く、むしろ仕事仲間の中では一番しっかりしてる。
そんなちゃんと生きてる人が
高齢になったからと言って、生きる術を奪われるのは
なんと観ていて厳しく切ないのだろうか〜
後半で、賠償さんが演じる「みち」さんが
あるものを出前で頼んで、食べ終えた食器を
ちゃんと洗って布巾で丁寧に拭き
その布巾を生真面目に干すシーン!!
○○○の晩餐 なのに
庶民のキチンとした奥さんそのままの
本当に賠償さんらしい演技。
賠償さんとの共演シーンは一瞬しか無いけど
磯村勇斗さんも良い味出してます。
若き地方公務員。
決して冷たい訳では無く人当たりは優しい、
けど淡々と決められた役所の仕事をこなす感じ。
そんな中、PLAN75を選んだある人と触れ合ううちに
だんだんと何かに気づいて行く。
河合優実さんもPLAN75のコールセンターで働く1人。
PLAN75の実行の日まで、利用者の気が変わらないように
電話でサポートする仕事だが、
やはりこの制度に疑問を感じ始める心情を
繊細な表情の変化でしっかり見せてくれる。
鑑賞後に観た人同士で色々と語り合いたくなる作品です。
ぜひ、映画館で!!
で、月に8回くらい映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
映画の中、役所のあちこちに表示されている「PLAN75」のロゴ!!
○通あたりが考えたっぽいいかにもお役所的な安直なデザインが
ああ、心が無いわ〜〜
「国」のいかにも「早く死んでくれ」と言いたげな空気感が
随所に的確に表現されていて、観ているうちに、
現実の日本政府の何にもしない無意無策な態度を思い出して
ゾッとしてくる。
観客の多くが賠償さんに近そうな年齢の方だったので
映画冒頭、映像的にはそんなにバイオレントでは無いけど
内容的には結構厳しいシーンから始まる訳で
どんな気持ちで観ておられるのか〜〜
思わず周りを見回してしまった。
私自身もやがて、主人公の「みち」さんと同じ立場になるので心が苦しいし、
いつの日か安楽死を選べるのなら選びたいと密かに思ってはいるけど
それは「今では無い!」(マーベリック か〜〜い!(笑)
自分で身の回りのことが出来るうちは
経済的な事情だけで死にたくはない!!
「PLAN75」
国は何とか聞こえの良い政策を作って
どうやって棄民(きみん、国が国民を捨てて何の援助もしないこと)しようかと
密かに考えているように思える。
現実にならないことを願って
選挙に行きましょう!!