「非リアルの中から滲み出るリアル」PLAN 75 西にぃさんの映画レビュー(感想・評価)
非リアルの中から滲み出るリアル
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映画はそもそも、非リアルの世界をリアルに映し出す作品が主流にあるが、この作品は、非リアルの中からリアルが滲み出てくるような作品だ。
社会というシステムを維持するがために、個の人間を切り捨てられる制度。それに対する葛藤や反感が、淡々と、なおかつリアルに描き出されていく。説明チックでないだけに、様々なシーンの持つ意味が、よりリアルに響いてくる。
ラストシーンは、来るべき明日に向けて、生きる意思を固めているようにも見えるし、人生の終焉を象徴しているようにもとれる。
「死」という絶対的なテーマに真正面から取り組んだ力作だ。
倍賞千恵子さんをはじめ、役者陣の表情がとても良い。河合優実さんには、これから特に注目していきたい。
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