生きててよかったのレビュー・感想・評価
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殺すことが生きることか
格闘技は、人を殺す向う側にいってしまう、その手前で留まるもの。
しかし本質としては殺しへ向かっていくベクトルがあり、やる者も見る者もそのベクトルがあるからこそとりつかれる。
正しさ=世間一般の常識から外れていることが、生きる実感(生きててよかった)となるのか。
格闘技映画としてテクニカルな面で論じる以上に、格闘技の本質に切り込んだ作品であり、評価は分かれるだろうが、その果敢さは評価したい。
不思議と前向きになる
何かをなしたくて成せなくて自信を無くし、それでも愛する人がいて生きようと苦悩する。不器用で狭窄的で愚直。戦いの中で息をして、愛を確認し、自分を見つめて生きた、そのただまっすぐなさまが潔く美しく、最後の表情に魅せられました。痛々しくて生々しい映画でしたが不思議と前向きになる、力のある映画でした。
生きろ 自分らしく
戦うことしか知らぬ故に不器用に、無様に、熱く生き抜いた漢の物語
凄く良かった。
主演の木幡竜は日本ではちょい役でしか見たことなかったけど、味のある演技が良かった。絞りきった身体も泥臭いアクションも良い。特に最後にボクシングスタイルに戻るのが最高にかっこいい。それに金的、噛みつきも使って何がなんでも勝つって意志が凄く良かった。
ヒロインの鎌滝も自然な演技と気合いの入った濡れ場が良かった。最後の応援もグッときた。
ただ、愛する人が傷つくのを見たくないのはわかる。だから試合を見に行かないのもわかる。でも愛する人が命がけで戦ってる最中に他の男とセックスして現実逃避するのは理解できない。
親友役の今野も良い演技。冒頭の刺されて死ぬシーンは下手糞だなって思ったけど。それ以降のシーンは普通に良い。演じ分け上手くね?やっぱコント師は演技も上手い。もう芸人っていうか役者だよ。
アクションが園村監督だったから凄く期待してたけど、ヒドラみたいな綺麗さは無いものの、泥臭くリアルなアクションで見応えありました。
最後の試合後にでっかく『生きててよかった』の文字が出てからすぐに試合後のシーンに移ったけど、一旦クレジットを挟んで時間を置いた方が良かったかも。
格闘アクション以外楽しめなかったんだよなぁ。
生きててよかった・・・うん、そう思ったんだろうけどさ、自分の生きがい、生きてるって感じるところに身を置くことができたんだからね。でもね、なぜかしっくりこない。
だって、「それ以外では死んでいるも同然」ってのは社会に溶け込めないってだけの理由ではないはず。彼にとっての「闘い」ってなんだったんだろう?がわからないんです。
生きていると感じる「何か」が彼にはあったはず。それを「闘い」のみに置いているとしか見えないから本作は薄く感じるのです。矢吹丈のような戦う理由をちゃんと語ってほしい。
その辺りがおざなりなのに、自分勝手な「幼なじみ気取り(に見える)」の自己中三人で勝手に騒ぎまくり、話をやたらこねくりまわしていき、「?」なエピソードが立ち並び自己完結していくから、あぁ物語を厚くしようとしているだけなんだろうなぁ・・・って冷めていくのです。とにかく色々と回収されずにただただ突っ走るわがままストーリーでした。
ロッキーオマージュ、結構ありましたね。エイドリアンの赤いベレー帽とか。けど、残念ながらロッキーのようなカタルシスはなかったなぁ。もっとシンプルでもよかったんじゃないかな?
格闘アクションはよかったなぁ。
いけ!いけ!いけ!世界!世界!世界!おれ!おれ!おれ!さちこ!さちこ!さちこ!
素直に、よかったなあという感想。脚本もキャストも。さすが元ボクサーだという主人公役木幡竜も、薄幸感漂う恋人役も、役者が板についてきた今野も、みないい雰囲気をもっていた。それに、あんな胸締め付けられる(そしてちょっと笑える)セックスシーンもそうはない。
結局、自分が生きているって実感を持てないと、死んでるも同然って人なんだろうね、楠木は。それで本人はいいだろうけど、周りはどうなのよ?って心配になりながら見届けていると、やはりそうなるかってラスト。でも、そこには悲しさがないんだよな。すごいよ楠木。こんな人生、誰にもマネはできない。
最後のクラッチ‼
勝星に恵まれないプロボクサーがドクターストップで引退。社会にも馴染めず、燻った日々を送る中、怪しげな地下格闘技のオファーがあり・・・。儚くも危険な、闘うことでしか生きられない男の生き様を描いた物語。
前半は観ているのも辛い展開。
ボクサーとしての散り際、
一般社会での働きぶり、
健気にも支えてくれる奥さんにも情けない姿しか見せられず…
そしてそんな奥さんが抱える真実…
同じ男として、直視するのも憚られる程のやりきれなさ。どうか良い方向に進んでほしい‼・・・と思って観ていたところ、ファンだと名乗る男から地下格闘技のオファーが。
明らかにヤバめな世界に飛び込むも、次第に生気を取り戻していく楠木に胸がアツくなるし、漸く拳を叩き込んだ時には、心の中で思わず叫んでしまう程の大興奮‼
ケンちゃんも最高‼方向は違えど、同じく夢を見る男。ボクサーとは違った難しさ、そして引き際のなさ・・・。秘めたる想いを抱えつつ、楠木に協力する友情にグッときた。
奥さん・・・楠木がどんな状況になっても側にいて、、、ほんとこんな奥さん欲しいマジで(涙)
あ、ブロッコリーの件は除いてねw
お母さんも、好きで、大っ嫌いな所・・・良いねぇ~。
更に、彼も、間違いなく悪者だけど、単に駒集めの為に近づいてきただけのゲスでは無かったのかな。最後、見つめる目を見て、ファンだという気持ちは嘘じゃなかったのかなと、ちょっと救われた気持ちになった。
そして、本作の一つのテーマである、この結末は喜劇か悲劇か・・・
個人的には良かったのかなと。
この結果でなかったら、それこそ皆廃人のように生きていたんじゃないかなぁ。
最後の試合は最高に最高だったよ!
とにかく、人が抱く・・・愛情、友情、夢、絶望、過ち、憐れみ、そして甦生。
その全てを感じることができる、隠れた名作だった。
中途半端で幼稚
期待が大きすぎたのか?登場人物達に誰一人感情移入出来ない。主人公も魅力がない。不器用を描きたかったのは解るがありきたりなエピソードで。ヒロインも少し知能が足りない人物なのか?冒頭で「パンチとか少なくして」みたいなセリフは子供が言うならわかるが、ボクサーの彼女が言うか?ここでこの映画、あれって思う。勝つことを信じてない彼女に魅力はあるのか?
アクション格闘技物ではなくヒューマンドラマを描きたいのは分かるが、セオリー無視しては駄目。
なぜ弱いボクサー崩れが、売れない俳優と練習して地下格闘技で勝てるのか?そこ嘘つくにしては絶対にしてはいけない。
彼氏の試合を観たくないから他人とセックスしてたのは設定で解るが、ではなぜラストの戦いであんなに応援したのか?きっかけがないのに応援してはラストだからしかない。これでは全く映画に乗れない。
「ブルー」や「ああ荒野」などの2番煎じを狙って作った低予算映画。無駄にセックスシーン多くてげんなりする。
幸子の横顔
ボクシング映画って何故か観てしまう。
人並み外れてスポーツに疎いのにも関わらずだ。
そんな中でのこの作品、断トツに無骨で不器用、熱くなる物だった。
特に支える女子のバランスの悪さが抜群。
段々と意外性共に変化を遂げるのだが、ラストの試合を見る幸子の横顔といったら、もう他に類を見ない美しくさだ。
魅せる格闘シーンもそそられる。
それもそのはず、主人公役の役者は元ボクサーだし、アクション監督は見事なアクションでガッツリとハマってしまった、ベイビーわるきゅーれの方だった。
不器用で大胆な生き様と、日本映画のアクションへの希望に満ち溢れたこの作品に胸熱くなるばかりだ。
俺俺俺俺!世界世界世界世界!
「出会えてよかった」一本。
社会からはみ出したアウトローのブルース。
なんとなく『竜二』を彷彿とさせる。
そして格闘アクションにおいてはドラマでここまで圧倒された経験を思い出せないほど凄い。(申し訳ないが『ロッキー』なんてコレの足元にも及ばない)
と思ったら主演の方は元ボクサーなんですね。
昨日新宿武蔵野館行ったらご本人がいらした。優しい目が印象的でした。
ドラマ部分は多少もたついたかもしれないけど今野(キング・オブ・コメディ大好き!)の好演も含め大いにおすすめしたい映画。
これから大事な決断の時「俺俺俺俺、世界世界世界世界」ってつぶやいちゃいそう(笑)
生きる意味とは?
タイトルは、「長生きしてよかった」ではなく、「生きていることを実感できてよかった」ということか。主人公の生き様からは、死んだようにして生きるより、短くても命を燃焼し尽くすことの方が大事であるというメッセージが伝わってくる。
それと同時に、夢を追うことの残酷さを生々しく描いた映画でもある。誰もが、ロッキーやスタローンのように、「アメリカン・ドリーム」を叶えられる訳ではない。登場人物の一人が、自分の息子に「夢だけは持つな」と説くシーンは、おかしいながらも胸に迫る。
夢が叶わなくても、「自分は生きている」と感じられるような充実した人生を送ることはできるのだろうか?「夢」と「生き甲斐」とは、別物なのだろうか?そんなことを考えさせられた映画でもあった。
世界平和とブロッコリー
バイオレンスもラブなシーンも近年目隠ししない作品が増えてきて嬉しい限り。要らない作品も勿論あるけれども、目を逸らしたが為に「何かしっくりこない(絵空事っぽい)」作品が大半を占めていたのも事実。痛いのは苦手だし、ラブいのもちょっと(良い歳して)恥ずかしいのだが、その後の「しっくり」が違うから、やっぱ必要よねと思ってしまう今日この頃でした。コチラもそんなオススメ作品でございます。ラブシーンで爆笑するとは思わなかったな(笑)。
幼なじみの二人がボクサー&役者なので一見他人事みたいに感じそうなのですが、むしろその設定が上手く「皆が持っている何か」にビシッと刺さります。のハズ。二人を見守る世界も含めると、老若男女全てに嵌まる「何か」が溢れ出していて、熱量の高いアクションと共に、自分の中で「熱い何か」がグルグルすることでしょう。
街中でのシャドーボクシング。良く知っている場所な上に、多分撮影の時には「なんか撮るのねー」なんて通りかかっていた。あの見事なシャドーを覗き見したかったな。格闘技映画としても見所満載です。
ラストはあれでいいと思う
ロバート・デ・ニーロとクリストファー・ウォーケンが主演した映画「ディア・ハンター」を連想した。あちらは戦争とロシアン・ルーレットで、こちらは格闘技という違いはあるが、いずれも命のやり取りをしていなければ、生きている実感を感じないという話だ。
地下格闘技には、ルールの沢山ある表の格闘技では得られないカタルシスがある。悪意のこもった鬱憤を晴らすことができるのだ。コロッセオでの格闘に等しい。その後キリスト教が布教するに従って残酷な格闘技は禁止されたが、他人と命がけで戦う恐れ知らずの男たちと、戦いを見るのを楽しむ観客の構図は、世界中で連綿と続いている。
脇役陣の中には知っている俳優が何人かいたが、主役の創太と幸子の役者は初めて見た。創太役の木幡竜は、体脂肪率が5%ないだろうと思えるほど絞り込んだ身体をしている。たいしたものだが、日焼けサロンで焼いたみたいな肌の黒さは、ちょっと不自然だった。表情に乏しいのは戦うことしか頭にないからで、この演技は悪くない。不器用を絵に描いたような男だが、その分誠実さは人一倍だ。幸子はその誠実さを愛したのだろう。
幸子役の鎌滝恵利は、すごく綺麗に見えるときとちょっとブスに見えるときがあって、それはいい女優に共通する特徴だ。泣くシーンがよかった。泣くのは複数の感情が胸に迫るからで、悲しさと寂しさに愛しさが加わったときなど、人は無防備な表情で泣く。泣くときに顔が歪むのはわざと泣いているか、邪な感情が加わっているかである。ハラハラと泣けるかどうかで、その時点のその女優の力量がわかる。鎌滝恵利はなかなかいい表情で泣いていた。
誠実な男がその誠実さ故に野獣のように戦う。自分にできることは戦うことだけだ。ならば戦って、女の愛に応える。しかし愛に飢えた女は愛を与えてくれることを求める。女に必要なのは継続する日常であって、命がけの戦いではない。すれ違う愛に、安全無事な結末はない。ラストはあれでいいと思う。創太は思う存分、生きたのだ。
最後が…
主人公の不器用さがとても上手く表現されている反面、最後の終わりかたが残念。ドクターストップの原因によるものなのか、それとも…。
今まで一つの事だけ真っ直ぐにやり続けてきた人は、こんな感情を持つのかな〰️。生きていく上でも、バランスが大切なんだな➰と感じました。
生きるって難しいな➰
カメラよ引くな。引かないでくれ。。。(泣)
最初は「あーこれロケ地、船橋だな〜」とか気づいて、懐かしく眺めていたけど、そんな呑気な気分でいられたのも最初だけ。熱いアクションシーンとヒロインの方の演技が気に入りました。結局ボクシングに依存した男とボクシング馬鹿に依存した女という構図なんですかね。それぞれが自立を選んだ結果、あれがハッピーエンドかどうかは個人の判断に委ねられるけど、そうでなかったら辛いのでハッピーエンドだったのだと、自分を納得させています(笑)
ホント生きててよかった!
冒頭のダウンから始まる鬱展開は、すべて最後の勝利の笑顔を最高の形で描くためだったんだなぁと改めて感動して涙がでました。
自分も小学生時代にロッキー観て感化された口なので、この作品のロッキーオマージュのシーンはすごく良かったです😄
主人公が死んだ原因は描かれてないのは少し残念ですが、大好きな作品の一つになりました。
こんな映画に出会えて、ホント生きててよかった!
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