劇場公開日 2022年5月13日

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「1回観るだけだと全部は理解しづらいかなぁ…。」生きててよかった yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.01回観るだけだと全部は理解しづらいかなぁ…。

2022年5月14日
PCから投稿

今年138本目(合計412本目/今月(2022年5月度)15本目)。
 ※ 「シン・ウルトラマン」も観ましたが、こちらにレビューの需要があるとは思えないので飛ばしています。

 さて、こちら。
実はここの「特集」で(今週の他の映画と違い)詳しく書かれているので、実はそちらを見たほうが早い…というか、実際にかなり詳しく書かれているので、作り手の方へのインタビューであれば「それが正解」なのは当然で、ある意味(個人での)レビューのしようがなかったりする部分はまぁあります。
とはいえ、5/13(金)の週は妙に本数が少ないので、本作品か、先週からの「マイスモールランド」などがどうしても候補になってくるのでは…と思えます。

この作品ですが、PG12扱いの割に、「え?PG12でいいの??」というように妙に表現がきつく(特に性的描写。特定の(特殊な)性的表現を想定する描写がある)、「数も少ないけど日本映画だし、プロボクシングを描いたテーマだから見に行こうか?」と家族で行くと凍り付くんじゃないか…と思えます(なお、大半は性的表現で引っかかったのであり、おそらく暴力的なシーンうんぬんはひっかかっていないと思います)。

ボクシングについては、去年だったか「BLUE」や、「ファイター・北からの挑戦者」などいくつか作品がありますが、それらの映画と同様、ボクシングのルール一般については「知っていれば有利だが、何ら知識は求められない」レベルです。むしろ、辞めてからの人間関係を描く部分が多いので、「試合シーン」といいましょうか、そういう部分は実は案外少なかったりします(下手をすると、「大人の営み」のシーンのほうが多かったりする…)。

この映画、結局のところ、何を主軸に何を論点にしたかったのか…という点がわかりにくい…というか正直(多分、1回目では)わからないです。ストーリーの大半はいわゆる闇組織ボクシングの話になってしまうのですが(特集に書いてある程度なので、ネタバレではない)、そうであるならいわゆる「ノワール系映画」の描写に寄せればよかったのに、そうではなく大人の営みのシーンはどんどん出てくるし、あっちこっち描写は飛ぶし、「何を論点に何を問いかけたかったのか」という点が正直わかりにくいです。
まさか「闇組織ボクシングに興味を持ちましょう」という趣旨ではないはずだし、一方でそうした(民法上も刑法上も、行政法規上も)怪しい行為に対する問題提起の映画でもないので、正直???な部分が結構あり、見る人をかなり選ぶ気がします(それより、何度も書いているように、PG12とは思えない「大人の営み」シーンが結構出るので、家族で見に行くと凍り付くんじゃないか…とさえ思えます)。

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(減点1.2/趣旨不明瞭等)

 結局、「闇組織ボクシング」の話に寄せてノワール色を強めるのであればそちらに寄せるべきだったし、大人の営みに寄せるのならそっちに寄せるべきだったし、どうにも軸がぶれているので何が趣旨で何が論点なのか…がわかりづらいです。

 また、結局のところ「ここは日本ですか?」というほどやっていることが無茶苦茶な割に警察も出てこないし(まぁ、出てきたら映画が5分で終わるので、出したくても、出せない)、かといって、「明確にアウトな行為だと誰でもわかるわけではないが、ちゃんと理解していると民法上も刑法上もアウト」な行為の描写が結構多いので(実は、その観点では「法律枠」映画ともいえる?)、どうにもこうにも理解がしがたく、またここでそれらの問題を論じると結局ネタバレになってしまう(誰が首謀者でトリックがどうこうという話)上に、「おそらく」そういう論点で論じることを想定してはいないのでは…とは思えます(ただし、ちゃんと理解している人が見ると、「ここは日本ですか?」というような無茶苦茶な世界観だったりする上に、そうであれば完全にノワール映画にすればよいのに、あっちこっち飛ぶのでどうにも理解がしがたい)。

 今週(13日の週)は、「バブル」を中心として(ただし、この映画はネットフリックスの映画なので、契約者は映画館という場所さえ選ばなければ、自宅で観られる)数が少ないので、対抗以上にはなると思いますが、積極的に推せるか…となると微妙な気がします(この映画の言わんとすることが何か、まるで理解ができない)。

 ※ まさか、リアルで民法・刑法上違法・不法なことはやめましょう、その代わりに娯楽として映画をみてストレスを発散してね、という「ガス抜き映画」という趣旨ではなかろう…とは思えますが…。
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yukispica