「軽快な小品」悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
軽快な小品
キャラクターに個性がある。
設定が不明瞭だが、じぶんの解釈だとこんな感じ。
ヒロインは校内乱射事件の生き残り。姉夫婦はお料理チャンネルでにわか長者になったインフルエンサー。廃村を丸ごと買い取ってテーマパーク建設の野心がある。車はテスラ。投資家たちを呼んでオリエンテーション兼オークション。揉めそうな南軍旗を掲げた廃墟に入ったらまだ住人が。かつての養護施設。老いた里親と(元)子供。
パーティ感覚の投資家たちのバスに、レザーフェイス&チェーンソーが乱入するところが最大の見せ場。ぶっとびのジェノサイドはむしろ笑えた。
映画はトビーフーパーの初作を意識していて、息つく暇を与えず、たたみかける表現とチェーンソーにこだわっている。ヒロイン以外、やられる側は無力であっけないのに対し、レザーフェイスは神出鬼没&不死身。
映画ぜんたいが長尺傾向にあるなかで、短さがいい。編集がじょうず。サクッと見られる。
雰囲気のいい人だと思いながら見ていてあとになって気づいたがEighth Gradeの子。素朴な感じと、佇まいだけで「悲しい目にあった人」を表現できる気配が好ましかった。
コメントする