「主人公キサラギより戦闘で大活躍する人とは(笑)。」BLOODY ESCAPE 地獄の逃走劇 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公キサラギより戦闘で大活躍する人とは(笑)。
いろいろと設定が複雑で見た目の情報量も多くて世界観の全体像を把握するのに時間を要しました。
遠い未来、環境破壊が進んだ地球で人類は種として存続するために独自の進化を遂げる必要がありました。自然発生的、人工的を含めてそれぞれ特化した形態、能力を得た「新たな種族達」はそれぞれクラスタという単位に分かれて都市形成し、独自の文化、価値観を形成してます。クラスタは周囲を囲む物理的障壁がある以外に互いに長年に亘り情報封鎖されていて、クラスタ間での移動は重罪(理由はよくわからん)みたいです。クラスタ自体が自治権をもちますが、江戸城??に居る権力者に全体管理されている模様。
冒頭、主人公のキサラギが以前所属していたクラスタが擁する不滅騎士団から逃げ出した描写がアクション全開!で
描かれます。
不滅騎士団=吸血鬼軍団であり、その組織から逃げたキサラギがバンパイヤの特性(不死やらなにやら)を持ってることが示唆されます。が、その特性よりむしろ機械化された身体の機動力が勝り、特に自分の血をあるデバイスに注入し血塗られた弾丸を作成し射出することが最も吸血鬼に対して殺傷能力がある模様です。同族の血を定期的に摂取しないと死んでしまうおまけ要素付きです。
以上、豪快なアクションを純粋に楽しもうとする気持ちと複雑な設定を必死に把握しようとする心が常に脳内で平行処理されていました。
結果、入りのアクションシーンは最初からド派手でしたが、上記の脳内処理もあってあまり痛快無比な印象は残りませんでした。そして何よりこの主人公、雑魚に対してもすぐ切り札切るあたり、あんまり強くないのでは・・・とさえ思った次第(笑)。
以降、彼が日本的ヤクザが牛耳る新宿クラスタに逃げ込んで、満身創痍なところを以前、仲間だった奴の妹に偶然助けられます。過去のある出来事からキラサギとその妹との間には遺恨があり精神的な壁があります。
結局、ヤクザと吸血鬼軍団から皆んなで逃げよ、ということになりますが、逃げ先の第一候補が今、私が単身赴任で住んでいる場所なのでなんかとても嬉しい気持ちになりました。本当、個人の都合で申し訳ない(笑)。
ただ、最終場面で秘密道具を得たキサラギもちょっと身体の使いづらい箇所に装着するからか戦闘シーンが複雑にカオス化してしまい、怒涛の映像の展開があるにも関わらず、何か常に爽快感に欠けてしまったのは本当に残念な部分でした。
一方、妹さん(ルナルゥ)は追い詰められた際の吹っ切れた躊躇いのない銃火器の扱いが素晴らしく、そしてそれは狂気じみてもいて本当に良いシーンの連続でした。ヤクザクラスタ出身は伊達じゃないってことですね。新宿クラスタの学校の授業でも銃火器総論とかありそう(笑)。
こっちがメイン張っても良いってくらいでしたよ。何か追加設定をし、もっと戦闘時に活躍出来る戦闘シーンを増やすべきでしたね。
では。