「バルタザールどこへ行く♥️」小さき麦の花 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
バルタザールどこへ行く♥️
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ロバは愚鈍な動物と思われている。そのロバを象徴してロベール・ブレッソン監督が「バルタザールどこへ行く」を撮った。さあ、ロバは愚鈍な動画なのだろうか?少なくともバルタザールとは東方からやって来たイエス・キリストの誕生を予言した三賢者の一人とされている。
ネタバレ
以下ネタバレ
そのロバが朝日が昇る平原から取り壊す家を見にやって来る。
つまり、どこへ行くのか?と言っている。そんなふうに鑑賞した。この人間社会なのかなぁ?
この物語は単なる愛の物語では無い。
僕はこの二人は単純に愛していたとは考えにくい。何故なら「労わる」「気を使う」「心配する」だけで、夜の逢瀬を過ごす場面が一切無かった。そして、彼女の死も涙を見せたわけでは無いし、以外とあっさり、表現されていた。また、麦の穂を持ち上げられない彼女に向かって『たらふく麦は食うくせに、そんな事も出来ないのか!ロバだって麦をやれば働く』と叫ぶ場面がある。(僕はこの場面が起承転結の転だと感じた。)
さて、三賢人とはこのロバを含めた夫婦の三人だったのだろうが、主人公は最後にそのバルタザールを「どこへでも行け」とあっさり捨てる。
彼にとって、彼女もそんな存在であったのかも知れない。
つまり、二人の関係は空虚な時間だったのだと僕は感じた。朝、生まれた卵は受精卵ではないので、ヒヨコは生まれない。麦の花だけでは新たな麦は実らない。
二人の努力はなんであったのだろうか。このオトコはしみじみそうかんじたのではないだろうか?
「バルタザール!どこへ
俺は行かにゃならんだ?!」
傑作だ。
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