「静かな、美しい映画」小さき麦の花 白井パンダさんの映画レビュー(感想・評価)
静かな、美しい映画
現代中国における、社会において置いて行かれた側の男女のストーリー。
農家で、様々な人の手伝いをしている夫。
障害もあり、家族から邪魔者扱いされている妻。
二人が、誰も傷付けず、ただただ誠実に生きようとしている様子を
美しいカメラアングルで静かに撮り続けていた。
その一方で、夫婦を取り巻く人々は、業に塗れている。
時々、夫婦に優しく対応するが、それはあくまでも損得に基づいた行動。
本来の中国が目指そうとした清貧とは、この夫婦にあり、
それ以外が現代の中国なのだろう。
今の時代にこの映画が中国で作ることができて、
そしてヒットする。そこに中国の文化としての豊かさがまだまだあるのでは。
そう思えた映画だった。
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