「これが中国の現実なのかなぁ」小さき麦の花 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
これが中国の現実なのかなぁ
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農家の四男ヨウティエは、両親とふたりの兄が他界し、今は三男の家に暮らしていた。三男夫婦にとって、ヨウティエは家族の厄介者だった。一方、内気で体に障がいがあり不妊症で結婚適齢期を過ぎた女性クイインもまた厄介者だった。互いに家族から厄介払いされるかのように、ふたりは見合い結婚し夫婦になった。
2人は互いを思いやり、力を合わせ、毎日懸命に働き、自分たちでレンガと、古い木の支柱で家を作った。人の命を救うために頻繁に献血を行ったりもしていた。ある日、クイインの体調が良くないため、ヨウティエは仕事に出かける間、ベッドで休むように言って出たが、クイインはヨウティエに食事を届けようと家を出た時、めまいがして用水路に落ちた。しかし、そこに居た人たちは誰も助けようとせずクイインは溺死した。ヨウエィエは用水路に飛び込んでクイインの遺体を回収した。 ヨウエィエは数日後、作物の収穫を終え、忠実で勤勉だったロバを解き放ち、持っている物を全て売り借金を返済した。この最後の取引でもヨウエィエはだまされ、価格を切り下げるように強制された。ヨウエィエは毒を飲んで横になり、一酸化炭素ガス自殺を図った。
その後、ヨウエィエとクイインが建て、短い間だったが幸せに暮らしていた家を取り壊し、政府の役人からヨウティエの兄に金が払われた、という話。
騙された続きの一生だったヨウティエのような人が現代中国に多く居る、という事なのだろうか?
クイイン含め、なんか救いようのないドキュメンタリーを観ているような感じを受けた。
作品名にしても、「隠入塵煙(Return to Dust)」がなぜ「小さき麦の花」になるのだろう?
聞くところによると、中国政府の干渉でカットされたり改変された部分があるようなので、監督の意図した物になってないのかもしれない。
よくわからなかったが、中国の暗部を見れた貴重な作品なのかもしれない。
観賞後、いろんなことを考えしまってなかなかレビューが書けず、やっと投稿出来ました。
すごく重い作品でした。