「ある意味現代中国の鏡かもしれない。」小さき麦の花 penさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味現代中国の鏡かもしれない。
大地があって、種があって、一頭のロバがあって、そして、疎外されたものどおしの夫婦があって。それだけなのに、いやそれだけだからなのかもしれません。何かとても大切できれいなものを見せてもらった気がします。
それは、彼らが二人で、大地から作りあげた作物であり、泥から作りあげた自分たちの住む家であり、そして何より、金銭的には貧しくとも、その中で育んでいったお互いを思いやる心や自然とともにあることの豊かさなのだと思いました。
中国では競争に疲れた若者を中心に、大ヒットしたらしいですが、中央政府の商業主義・都市化誘導的な政策傾向に、若干ネガテイブなメッセージが込められていると見られたのか、そうした若者たちに競争に戻るよう促すためなのか、よくわかりませんが、上映中止処分を受けたそうです。
そういう意味で、中国の現在を写し取っている映画ともいえると思いました。
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