小さき麦の花のレビュー・感想・評価
全42件中、1~20件目を表示
Low-Key Gobi Rural Life Tragedy
A slow-baked tale of life in the Jintao to Xi Jingping transition stage of Chinese history, in Northern Central China. With Alibaba in the production, it's a bighouse film strewn as arthouse picture. It's intresting that this film was allegedly a threat to Chinese rule, and its heartbreak tale of poverty was whittled down. It's the latest lens into Chinese society. Good music by Iran's Yazdanian.
幸せとはなにか、、
繰り返しの日常。
幸せとはなんなのか。
この映画は映画がとても大好きな知り合いにおすすめされて友人何人かと一緒に観賞しました。
観賞後のそれぞれの感想や意見・考察がわかれるのがとても興味深い作品でした。
とある町に住む男性と女性の結婚から始まる話。
決して裕福ではない二人には理不尽なことが起こったり、自分たちのせいではないことまで問題がやってくる。
ただ、それは誰しも生きていれば起こりうること。
男性はそんな理不尽なことも受け入れ、約束したことを律義に守って生きていく男性だった。
妻が障害がある人でも決して文句も言わず、二人で困難を乗り越え続けていく話はみていて地味ではあるけれど、それが幸せなのかもと感じました。
私は二人が土のレンガが台風で崩れてしまうのをおさえようとするシーンが好きでした。
ただ、そのあとの悲劇がとてもつらく、なんてあっさりと人はいなくなってしまうのだろうと、、。
男性の最後はどういう結末なのか友人と考察しあいましたが、捉え方は人それぞれだなと感じました。
自分にとっての日常は幸せなのか、生きていく中で一番の幸せとは何なのかを考える映画でした。
約束を守り続ける男はかっこいい。
そんな生き方をしていこうと決めました。
中国の貧しい農村地帯の夫婦の、思いやりに溢れた暮らしに心打たれました
発展著しい中国の、あまり語られることのないような貧しい農村地帯に暮らす農民の夫婦の物語です。
家族に邪魔者扱いされた者どうしで半ば無理やりに結婚させられるところから、この映画は始まります。
最初は目も合わせず会話すらなく、背中を向けて眠る関係だった二人が、日常の暮らしや仕事を通じてだんだん心を通じ合わせていく光景はとても美しいものでした。
派手なことはなにも起こらず、ただただ淡々と日々の糧を得るために働くふたり。
土を耕し、種を蒔き、作物を収穫するというその単調なサイクルを愚痴も弱音もこぼさず全うするその姿に、私は思わず自分を重ね合わせました。
私は事業を経営しているのですが、特別なことはなにもやらず、やるべきことを粛々と誠実に実直に実行している有り様がまさに自分のようだと。
この映画には派手なアクションや情熱的なラブロマンスこそありませんが、ありふれた日常に尊さを見出せる作品だと感じました。
タイトルなし(ネタバレ)
サイトHPにある”土は人を嫌わない”から始まる文言が印象的。引用“互いに寄り添い、土に寄り添い、愛という言葉は出てこないけど、これは〈永遠の愛の物語〉”
吹き替えも字幕も見つからず、言葉はわからなかったが感想。最初はお互い目を合わせないぐらいだったのが、一緒に過ごす過程でだんだん会話が増え、夫婦になっていく様が見れた。夫婦二人とロバと共生してる鶏と、中国の大自然で共に労働をし助け合いながら生きている。最後が泣ける。
清貧
中国のとても貧しいけど思いやりに満ちた夫婦の物語
中国の田舎のとても貧しい家の女性が何かしら障害があって尿漏れをいつもしているようだった。その女性と結婚した男性も貧しいが、家畜のロバをとても大切に扱ったり、燕や田んぼの中にいる何かの幼虫、そんな虫にまでも優しいのだ。女性はその男性と結婚させられて、すぐに彼の優しい人柄に幸せを噛み締めているようだった。それで一生懸命彼の為に働こうとする。夫婦共に優しい人で、約束も決して破らない。小麦を原始的手法で植え育て収穫し、家も自力で建てたりしてささやかな幸せを感じながら暮らしていた。何か不幸な事が起きる予感はしていたが・・最後はどうなったのだろう?結末はかなり急展開で驚いた。
あの名作を思い出した…
2022(日本は2023)年公開、中国映画。
リー・ルイジュン監督。
貧しい農家の四男坊・ヨウティエ(ウー・レンリン)と障がいのある内気なクイイン(ハイ・チン)の清冽な夫婦愛の物語。
2人には、これでもか、というくらい困難が降りかかる。しかし、2人は力を合わせて強く生き抜いていく。
誰の助けも借りずに。
クイインは、「子供を産めない」とされており、
左手は常に微かに痙攣し、歩行も難しそうだ。
尿意を感知できず、漏らしてしまう。
だが、ヨウティエは全く意に介さず、クイインを大切に大切に愛しむ。
そんなふたりの姿が胸を打つ。
シチュエーションも、キャラクターも全く異なるのだが、
フェデリコ・フェリーニの名作『道』を思い出した。
◆社会福祉的に後回しにされる人々、
◆近代化の割りを食っている人々、
とてつもないスピードで経済成長した中国だから作ることのできた作品とも言える。
派手なアクションも、奇想天外な展開もない。
淡々と2人の絆を描いている。
感動の涙を流した人も多いだろう。
冷血漢というわけではないが(笑)、私には強く響いては来なかった。
二番煎じ感が拭えなかったからだ。
☆2.0
ラブストーリーの裏で
大都市のビル群が遠くに望める田舎町で、実直で言葉少なく家族に厄介者扱いされている男女が見合いで結婚する。二人は多くを語らないものの、自分たちの幸せを手に入れるが。
ラブストーリーなのだが、彼らの置かれている状況がなかなか厳しくそれがラブストーリーを盛り上げることになっている。家族はいい年になって結婚しないシャイな二人を邪魔者扱いし、結婚は体のいい厄介払いだわけだ。二人は親の財産も貰っていなさそう。車も持っていない。田舎ならが家族はそれなりに近代化され豊かで甥はスマホを使っている。土地の一部で暮らすのだが助けがない。女には身体的な障害があるが、医者に連れて行ってもらったのか定かでない。農作物は豊作だがJAのようなところに買い叩かれる。都会に行くとコートを買うのにふっかけられ、値引きしても現金がない。臓器売買のようなことをせざる終えなくなる。
でも中国の開発されてない田舎の風景は美しいし、ラブストーリーも美しい。
土とともに暮らす人々の素朴な人生を描いたドラマと見るか、現代中国の社会問題を描いた作品と見るか、様々な捉え方ができそうな一作
主人公ヨウティエ(ウー・レンリン)とクイイン(ハイ・チン)は、せっせと農作物作りに励む朴訥な夫婦。どうやらクイインには何らかの障害があり、そのために親戚にはやや疎んじられているようだけど、ヨウティエの彼女に対する愛情は確固としている様子。
そんな二人の姿を見て、土とともに生きる生活も素朴でいいかも、と思いそうになるんですが、一方で自宅を建てる際に必要なレンガも自分で作る、雨が降ればずぶ濡れになってそのレンガを守る、そして農作業は家畜を使役することはあっても基本的には手作業のため、種付けも収穫も自ら行わなければならない、と、常に埃まみれで肉体労働に従事している、という過酷な日常であることも痛感します。しかも本作の時代設定は、工業化前どころか、急速な経済発展の只中にある現代中国です。そのため彼らの親族はビジネスに勤しみ、高級外車を乗り回す一方、ヨウティエからは文字通り血液まで搾り取ろうとします。それでも自らの人生にも周囲にも異議を唱えないヨウティエを幸せと捉えるかどうか、ちょっと考えてしまうものがあります。
結末の展開も、一体ヨウティエがどう判断してここに至ったのか、解釈のしようで見方が変わる内容になっています。主演俳優たちはそれほど知名度があるとはいえず、題材も派手なものではありませんが、中国ではSNSを通じて若年世代の人々を惹きつけ、興行的には予想外の好成績だったとのこと。観客たちが本作に何を見出したのか、その点も興味があるところです。
静かな、美しい映画
ツバメがいいなぁ
どんなに忌避・疎外されている者でも巡り合わせによって誰かと奇跡のような時間を共有することができる,愛があれば何でもできる、ではなく、何かができると思わせてくれる作品。
当初寡黙・無表情だったクイインが次第に喜怒哀楽を言葉にしていく姿には思わず微笑んでしまう。一方でヨウティエが麦収穫の時にクイインを罵倒してしまうのは,それまでひたすら献身的だった彼についに芽生えた彼女への甘えの,ものすごく不器用な表現ではなかったか?
ヨウティエを単純に哀れんでしまうのは,誇り高い(という自覚は全く無いだろうが)彼に対して些か礼を欠くと思う。
本当に久しぶりに「伴侶」とか「ベター・ハーフ」のような古めかしい言葉を思い出した。
勢いよく笛を吹く雨どいの瓶。二人で聞けば怖くないと言う妻。
主演女優のハイ・チン(海青)さんって、印象的な美人さんだったはずなんですよ。で、気になって年齢を調べたら46歳なんです。えー?ほんじゃ、ウー・レンリンって幾つなん?で調べたけど、わからんw
でも、これ、ベルリンのコンペティション部門に持って行ってるんですね。今のドイツで、どう捉えられたのか興味はあります。
家族に邪魔者として疎んじられ。一人前の人間としての扱いも受けられず、厄介払いのために結婚させられ、空家に追い出される。と言う展開から。本当に短い、おそらく1年の生活の中で、愛を育み、情を注ぎあい、身を寄せ合って生きた2人。
手の甲に作る「小さな麦の花」は、すぐに消えてしまう愛の印。本当に一瞬で終わってしまった夫婦の日々を象徴するかのごとき麦の花は、一人残された男の心の中に咲き続ける。ことであろうよ。って言うだけの映画です。
事前情報からは、「しあわせの絵具」的なものを予想してました。予想通りではあったし、印象にも残った。
結婚の報告に向かう2人。村外れの砂丘に上り、男が差し出した麻花。不平も言わず、自分を責めることも無く、おもらしの後の世話をしてくれる男。夫として慕い、寄り添い、献血の心配をする女。ロバに優しくする姿を見て、この男性ならやっていけると思ったと話す女。
かような純朴な愛の成り立ちにですよ。ココロ持って行かれる訳ですよ。あざとい作りではあるんですけどねぇ。定期的にやってくる、この手の中国映画には、見事にしてやられているワタクシです。なんか「木靴の木」みたいで。抗うこともできず、沁みるがままに見入ってしまいました。
良かった。
かなり。
忍耐がいる映画だ。我慢が必要。
【中国の貧しいながらも、善性溢れる真面目で優しき農民の姿を大きなスケールで描いた作品。変わり行く二人の暮らしや村の姿が現代中国の行く末を感じさせる作品でもある。】
◼️2011年、中国の寒村が舞台。ヨウティエとクイインは、それぞれの家から厄介払いされた形で結婚する。
◆感想
・最初はギコチなかった二人だが、身体の左側が不自由なクイインを労りながら働くヨウティエの姿に、クイインの表情は明るくなって行く。
- 必ず、畑仕事の後にはクイインをロバに乗せてあげるヨウティエの優しき心。-
・自宅を開発の為か、壊されても、二人は逞しく自分たちで欲しれんがで家を建てるのである。
- 逞しくなって行く二人。笑顔の二人。-
・だが、運命は残酷で、ある日クイインは川に流され亡くなる。
- ヨウティエは独りでクイインの魂を供養する。そして、生きていた時と同じ様に、麦の粒で、花弁の印をクイインの肌に残すのである。染みたシーンである。-
<クイインの居ない家にヨウティエは未練は無く、市が用意した味気ないコンクリートの家に住む為に苦労してクイインと建てた家を離れるのである。
二人の変わり行く暮らしと村の姿が、現代中国の行く末を描いている様に感じた作品である。>
タイトルなし
老人がいっぱい見に来ていた。
農民のミラクルな生活、そして重労働のリアリティ。中国の村の文脈などなどわかった。
性的な描写は入ってこないけれど、夫婦の愛情が美しく、それは自然や動物への愛情と通底している。
といっても、農業は身体が関与し、麦の花は美しいと共に、愛情と身体の交叉点でもある。彼女がロバを撫でるとき、それは夫の身体への愛情も喚起させる。
彼は馬鹿なように周りから表象されているけれど、約束を忘れず、真っ直ぐに働く、頭のいい男でもあった。
農業には生産性があらわれる。こんなにミラクルにものを生み出し仕事をやめない彼がピタリとやめたのは驚きだった。妻への愛が、彼の抜き難いハビトゥスをすっかり壊してしまうのを見る。
それに比べ、ロバや鶏や燕は元の場所に戻ってきてしまうのだ。そのことがとても切なかった。
仲の良い夫婦であればあるだけ、遺された方のダメージは大きい
人間は、愛情を注いでくれる存在があるのはもちろん、注ぐ相手がいるのも幸せなことだと思った。
無口で貧乏で見てくれも良くないすでにいい年齢の農家の貧乏4男と、身障者で左半分が不自由で、そのうえ尿のコントロールができない女。この二人は家族の厄介者同士を厄介払いするために結婚させられたんだけど、ロバに親切な夫を見て、この人なら一緒に暮らせると思った、という妻に、「お前があんまり見つめるからどうしたらいいかわからなかった」という夫、なんだ、相思相愛だったんじゃないか。はいはい、ごちそうさま。
傍からどう思われようと二人はラブラブで幸せ。
ふたりのお互いへの愛情と思いやりがうかがえる描写が素晴らしく、何度も泣きそうになりました。特に、夫が妻にコートを買ってやりたい理由が、「丈が長くて腰が隠れるから」おもらししても人に気づかれないように。この思いやりに泣きました。
家を建てるのにレンガを作るところから始めるのに驚き。
農作業から家の建築までほぼぜんぶ人力って、この映画、現代が舞台なんだよね?
中国の国民の生活格差って断崖絶壁のようです。
トウモロコシが売れたらテレビを買おう、市に行って病院で見てもらおう、夫婦で楽しそうに話すのを見て、「夫婦のどっちか」という死亡フラグ立ったのを感じました。
中国映画って、ほぼ予定調和な気がする。
夫婦の仲がいいのは幸せなことだけど、大抵はどっちかが先に亡くなる。残された方のダメージは仲が良い分半端ないと思うので、夫婦ってどういうのが一番幸せなんだろうか、と考えてしまった。
全42件中、1~20件目を表示