「観なければいけない映画」ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ CBさんの映画レビュー(感想・評価)
観なければいけない映画
だった。
9.11の反動で、タリバン容疑者であれば、法を逸脱した厳しい扱いをしていたアメリカと、アメリカによってキューバに設けられた収容施設に囚われたトルコ国籍ドイツ在住の息子。息子を助けようとする母親と弁護士、の話。
まるで戦時中の捕虜の扱いかのように感じる逮捕収容者への対応。テロ後の少なくとも5年間は、アメリカは心情的には戦時下だったのだろうな。そこで無実なのに逮捕された者たちの悲劇を、残された家族の目で描く。
あまりにも重たい話を観続けることができるのは、解決に向かって前向きに進み続ける母親のキャラクター、それを息長く支え続ける弁護士のおかげ。
ただ、俺には母親のキャラクターは受け入れにくく、感情移入することなく映画は進んだ。時間を守らず、約束も忘れてしまう性格を俺は好きじゃないんだな、とあらためて感じた。自分も比較的そうである癖に。
母親の猪突猛進があって、半歩、一歩と進む息子を救出する戦いだが、いつまでも解決することはない。その途方もなさを肌で感じられることが、この映画の最大の価値だろう。
コメントする
talismanさんのコメント
2024年5月6日
時間守らない、アポイントメント無しでいきなり訪ねる、運転メチャクチャはドイツ人からしたら有り得ないだろうなあ。それでも彼女に惹かれてしまうのは、その強さと明るさにドイツ人も救われたんだと思った!