「【著名な仏蘭西監督が、若く美しい青年への愛に翻弄され悩む姿を面白可笑しく描いた作品。劇中の著名監督がフランソワ・オゾン監督に見えてしまった作品でもある。】」苦い涙 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【著名な仏蘭西監督が、若く美しい青年への愛に翻弄され悩む姿を面白可笑しく描いた作品。劇中の著名監督がフランソワ・オゾン監督に見えてしまった作品でもある。】
■恋人と別れて落ち込んでいた映画監督のピーター・フォン・カント(今や、仏蘭西の名優ドゥニ・メノーシェ)。
助手のカール(ステファン・クレポン)をしもべのように扱いながら、事務所兼アパルトマンで共に暮らしている。
ある日、親友で大女優のシドニー(ナント!イザベル・アジャーニ)が美青年のアミール(ハリル・ガルビア)と訪ねてきて、ピーターは彼に一目で恋に落ちる。
◆感想
・ご存じの通り、フランソワ・オゾン監督は50代ながらも既に仏蘭西映画監督の巨匠である。
そして、一年に一回新作を発表するという驚異的な多作監督である。
ー 私事で恐縮であるが、2017年公開の「2重螺旋の恋人」を劇場で鑑賞し、一気に引き込まれ、それ以来昨年の「私がやりました」まで全て劇場で鑑賞して来た。
只、一作、今作を除いては・・。-
・今作の作品の作りは、フランソワ・オゾン監督としてはシンプルなコメディ劇であるが、ドゥニ・メノーシェの演技が只のコメディではない作品に仕立て上げている。
・それにしても、今作で主役のピーター・フォン・カント監督が、フランソワ・オゾン監督に見えてしまったのは私だけであろうか。
・ピーター監督の助手カールへのぞんざいな物言いの仕方。
それに対し、慇懃なまでに忠実なカールの姿。だが、全てに裏切られた時にカールに縋るピーター監督に対して取ったカールの分かりやすい溜まりにたまった怒りのレスポンスには笑ってしまったぞ!。
<今作は、フランソワ・オゾン監督作品の中では、軽い作品に分類されると思うが、テンポ良い展開なども含めて、面白く鑑賞した作品である。>