「オゾン層の衰退」苦い涙 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
オゾン層の衰退
フランソワ・オゾンはひところ新作が来る度に見ていたが、近年何となく足が遠のいていた。時折行き過ぎるきらいはあったが、その癖のある作風に惹かれていたのだが。
というわけで、今回は「2重螺旋の恋人」以来となるオゾン。ほぼ室内劇で、太ったキューブリックのような顔の主人公が、泣いたりわめいたりなだめすかしたり、すったもんだする。総じて痴話喧嘩を85分見せられている感じだ。この主人公の心情に寄り添えればまた違うのだろうが、私は乗れなかった。カールの存在が一番不気味。
かつて「殺意の夏」や「サブウェイ」で魅了されたイザベル・アジャーニの美貌も、さすがに歳月には抗えず。
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