「深夜ラジオのような、闇もあるけど、心地よく、優しい映画」午前4時にパリの夜は明ける せんさんの映画レビュー(感想・評価)
深夜ラジオのような、闇もあるけど、心地よく、優しい映画
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夫に出て行かれたエリザベートはジングルマザーになり、生活のために職を探す事に。出産までの短い期間しか働いたことがない彼女は、失敗しながらもラジオ局のスタッフとして働き始めます。1980年代のレトロな雰囲気や、主人公達が住む眺めの美しいアパートメントが素敵でした。内容的にもっと暗く表現する事もできると思いますが、彼女が担当しているリスナーに寄り添う深夜ラジオ番組のように、穏やかで優しく、観ていて癒されるようでした。
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印象的だったのが、息子が成人して家族皆んなで楽しそうに初めて選挙に行くシーン。
フランスではこのような家庭が多いのでしょうか?日本でも18歳から成人になったので、家族で初めての選挙に行く…なんて事が多くなるのかも知れませんね。
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思い返せば、冒頭の方で長女は試験が近いのにデモに参加しようとし、エリザベートから注意されるほど社会活動に意欲的です。
ラジオ局の仕事で出会った家出少女のタルラ(本人が言うには18歳)は憶測ですが両親に問題があり、職も無く、路上生活をしていました。彼女が振り向くタイトルバックも印象的です。
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観終わってすぐには気づきませんでしたが、この映画では人権がテーマとして描かれているのだと思いました。
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そしてシャルロット・ゲンズブールの魅力満載で、幾つになっても素敵でした!ラジオパーソナリティ役でエマニュエル・ベアールが出演していたのも嬉しい驚きでした。
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