午前4時にパリの夜は明けるのレビュー・感想・評価
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傷ついた人々を包み込み癒してくれる柔らかな存在
午前4時。それは、あらゆる人々がゆっくりと回復を遂げるひとときだ。睡眠中の人には体の新陳代謝が及び、そして眠れない人にはラジオという友がある。深夜ラジオは悩める人たちに寄り添い、急かすことなく癒してくれる。そんな不思議な力がある。舞台となる80年代のパリは社会運動もカルチャーも元気。大きく変容する時代の空気とは裏腹に、ゲンズブール演じる主人公は夫に裏切られた心痛を抱えている。二人の子供と共にこれからどう生きればいいのか。そんな不安に苛まれる孤独な夜に、そっとラジオが語りかけ、いつしか彼女も番組スタッフとして働く道を歩み始める。本作にはかくも「癒しの循環」のような作用があり、人生の苦しい時期を生き抜いた主人公が、次は他者の苦しみにサッと手を差し伸べる。そうやって深められていく家族の絆。そこに身を寄せる少女との交流。まもなく夜が明ける。ゆっくりと味わうこの回復の物語のスピード感が実に心地よい。
仏の2大女優が共演しているだけで映画を見る喜びが溢れる
「なまいきシャルロット」(1985)でみずみずしく登場したシャルロット・ゲンズブールと、「美しき諍い女」(1991)の日本公開時に“論争”を巻き起こしたエマニュエル・ベアール。このフランスを代表する2女優が共演しているというだけでも映画を見る喜びが溢れてくる作品です。シャルロットとエマニュエルという映画女優が一つの画面の中で一緒に映る最初のシーンには鳥肌が立ちました。
普段中性的でクールだったり、捉えどころのない魅力的な存在であったり...
普段中性的でクールだったり、捉えどころのない魅力的な存在であったり、ものすごく難解なものを抱えている役などやっているイメージのシャルロット・ゲンズブールが繊細で傷つきやすい普通の女性を演じているのが新鮮に感じた。 それぞれに心に穴が空いた登場人物たちを少し引いた目線でありながら暖かさのある描き方が良いけど、これは邦題が酷い。 原題の直訳「夜の乗客たち」でよかったと思う。 この題名でないと、タルラが去っていった意味は…? ってなってしまう。 きっとこの映画は、ラジオがやっている時間自体を一つの乗り物の様に描いていて、 だから乗るも自由。降りるも自由。 その時間の流れを1つの家を通して映している 美しさがあるのだと思ったのだけど… あとポスターデザインも酷すぎる。 普通に原題、英題で検索したら出てくるポスターデザインが美しくって、日本との落差に泣けてくる。 多分、この手の映画を日本で売るためには ハートフルヒューマンドラマっぽい枠で売り出すしかないとかなのかもだけど ポスタービジュアル、題名も映画の一部だと思っているのでこの2点はほんとうに残念に感じる。映画の良さを損ないすぎてる。 映像と、俳優の演技と、ザラっとした質感のブルーに照らされるパリの街なみと、部屋の空間が美しい。 家族でダンス踊るシーンとか最高。 タルラの衣装も良い。
普段の生活で、過去の痛さを過去を克服してゆく、人の出会いや別れの話...
普段の生活で、過去の痛さを過去を克服してゆく、人の出会いや別れの話。 深夜のラジオ番組のように、抑揚を控えめに、 じわじわと変化は訪れている、静かに丁寧に描かれた映像でした。 にしてもパリって街並みがお洒落ですね。
みんな優しい、そんな時代だったかな?
パリ13区と同じように、観光地ではないパリの日常。 こんな映画が好きだ。 出てくる人がみんな優しい。 こんな環境で生活して見たかった。 やさぐれた現代に生きる我々が見ると、心温まる人々に癒される。
シャルロット・ゲンズブールの芝居がかった演技。。話の長い人ばかりの会議のデジャヴュ
シャルロット・ゲンズブールの芝居がかった演技が鼻につく。 この母親、専業主婦時代にトモダチはいなかったんだろうか? フランス人って、出会い=ベッド・イン が当たり前? たくさん詰め込まれたエピソードの、ひとつひとつが抑揚がなく、情感たっぷりに長くて退屈。 話の長い人ばかりが集まった会議に出席しているようでした。 話が途切れたところでようやく終わりか、と思ったらまだ続く。 いつ終わるんだろうかとため息が出る感じ。
淡くて尊い迷走人生
予想通りの館内貸切
貸切 R15なので、ゆったり羽を伸ばして鑑賞
鼻の下は伸びませんでした
貸切の時は全裸で挑みたくなりますが、R15なので全裸鑑賞は中止
シャルロット・ゲンズブール目当て
老けたけど、変わらぬ印象
序盤で老けてた印象だったが、徐々に見た目が若返っていく感じだった
女優照明?濃いめのメイク?はたまたCG処理…?
美しければ無問題なのです
すぐ泣く すぐ寝る…
子供より子供なお母さん役だが、不思議と嫌悪感は無し
シャルロット嬢の魅力なのか、おフランス映画だからか?
無駄な全裸シーン多し
お着替えシーンの素朴な乳首
全裸で挑むベッドシーン…
予想通りの裸体で、無感動、無味無臭…
脱がなくてもいいのに…
正直、服を着こなす姿の方が数倍素敵だった
でもやっぱり、くわえタバコが良く似合う…
全部持ってく…
息子は、ユアン・マクレガー風味の顔立ち
娘の横顔は、ジュリエット・ルイスに似てた気が…
家出少女は、ずっと放浪生活のハズだが、何年経っても小綺麗な同じ顔…
フランス国民的、確信犯的レトロ美少女
この時代の誰かに似てる…?
地味な内容にスパイス効果あり
エマニュエル・べアールは、可もなく不可もなく…
数年前のネットの写真はアレだったが、喋って動く姿には昔の面影がありました
映画終盤、不自然に出なくなった…
愛と宿命の泉が懐かしい
ミッション・イン・ポッシブルは少し意外だった
月刊ロードショーの付録カレンダーまだ持ってます…
(あの頃に帰りたい)
露骨な80年代演出…露骨すぎてあまり響かなかった
青い体験、○○白書? 的な性的演出
中盤あたりから、主人公が3人に…?
ややチグハグな展開
深夜ラジオ生放送のシーンがもっと観たかった
これがメインテーマなんじゃないの…?
7年間の、ほぼ変化のない迷走人生…
みんな優しい
昭和の時代なら実際にありそうな感じが、淡くて尊い
そして予想通り、しれっと終わる…
「コンパートメント No.6」みたいなレトロ感むき出しのED
この演出で誤魔化してる…?
シャルロットありきの映画だった
映画館で観ると、ふわっとした余韻に包まれる おフランス映画
家で観ると…ふわっとした睡魔に包まれそう
…そういえば、午前4時がテーマの映画だった
午前4時をイメージして観ると、もっと楽しめたかも
ノエ・アビタが魅力的だった
1981年、大統領選挙の祝賀ムードに包まれ、希望と変革の雰囲気に満ちていたフランスのパリで、エリザベートは夫と離婚し、2人の子供を養うことになった。深夜放送のラジオ番組の仕事に就いたエリザベートは、そこで家出少女のタルラと出会い自宅へ連れて帰った。タルラとの交流を通し、エリザベートや子どもたちの心は徐々に変化していき・・・という話 突然夫が女作って出て行き、それまで働いて無かった妻が経済的に困りラジオ局で働き始めるという、ありそうな展開で興味深く観てた。 フランス映画らしくエロさもありフランス人って一杯奢るよ、と言ったらセックスしようって事? 主演のシャルロット・ゲンズブールがよかったし、タルラ役のノエ・アビタがエキゾチックで魅力的だった。
深紺の街
愛する人と永遠の別れ…残された者の悲しみと再生… パリの空と緑がスケッチブックの様で… 「アマンダと僕」「サマー・フィーリング」に すっかり魅せられたミカエル・アース監督の新作が参上! 母子3人家族とひょんな事から出会った家出少女の再生を静かな優しさの中で紡がれる物語を自立、自由へと変革が進む80年代のパリと沿う様なストーリー展開が実に秀逸だ …一般人が撮った映像を使ったり劇中上映されてる「北の橋」「満月の夜」ヌーベルバーグへのオマージュと アース監督の時代欲・愛を強く感じました! そして何よりも80年代に映画ファンを萌やした シャーロット・ゲンズブール&エマニュエル・べアール! 歳を上手に重ね素敵なアラ50になった彼女達が深海の様なパリの街に映えるったらない! 大きな感動やノスタルジーは無いし台詞もシンプル…この家族と共に居ると何故だか心地良く更なる余韻を味わいたくて3度鑑賞してしまいました
パリのある家族の生活(母メイン)
シャルロット演じるお母さんのエリザベートが、 ファッションも佇まいも、いろんなところがイヤミなく、かわいかった。 ある家族の数年間において、 関係性やそれぞれの成長が緩い強弱で描かれていて、 観終わった後は、なんだか微笑ましい気分になれました。
プリンとJoe Dassin
wikiで調べたら、日本では「オー・シャンゼリゼ」の方が圧倒的有名曲の歌を歌っている人らしいとのこと
かのように、自分が13才だった頃のフランスの話からスタートするストーリーである フランスでは革新であるミッテランが大統領に就任することになり、一気に左派思想が訪れる時代に、夫が出ていった家族を必死に守る母親の視点、そして子供の一人である長男、そしてひょんな事から転がり込んできた女の子との共同生活の中で、ひっそりとしかし暖かい家族愛を紡ぐ作品である
ということでぶっ飛んだ起伏はない そもそも映像に当時のパリが撮影されたカットが挟み込まれながら、80年代のビビット且つ粗いルックが、はっきりと郷愁を誘う仕上がりに落とし込まれているので、行ったことも観たこともないパリにいやに協調されてしまうのは監督のマジックなのかもしれない 登場人物達のなんだかんだ言って生活できてる都合の良さは、まぁフィクションなのでしょうがないのだが、その中で紛れ込む女の子の推進力は力強いスパイスとなってグイグイ観客を惹き込んでいく とはいえ、結局最終的には去ってしまう為、ラストはボヤけた内容になってしまうのだが、その濃い時代の一瞬のつむじ風のような出来事が、刹那とはいえ、この家族に忘れられない経験を付与したことはその後の家族の貴重な"宝物"として強く影響される出来事なのだと感じた
何れにせよ、日本に於けるヨーロッパの80年代の市囲の人達のリアリティを感じさせると言う意味で有意義な作品であることは間違いない
パリは燃えているか‼️❓
実は、この映画のラジオパーソナリティ役の彼女がミツションインポシブルの超絶美女なので見てみた、三十年の時の移り変わりに驚愕した。 余談は置いといて、シングルマザーの自然な生活に、ほのぼのとした、気持ち次第なんだな、生き方は、参考になる。 乳癌が痛々しいが、寸胴だが手足が異常に細い、ラブシーンが萌え、フランス映画の真髄だろうか、ポエムだ。 たまには、普通に生きていく凡人の生きる姿を見るのも清々しい、厳しいながらも、爽やかな、映画、🎞是非。
少しずつ少しずつ好転していく優しいfilm
みんな悩み事があって、誰もが苦しくて辛いけれど、少しずつ少しずつ幸せの方向に動くベクトル。温かな気持ちにさせてくれました。 エマヌュエル・べアールはバットマンのビジョンなのですね。 懐かしい。
ひとつ屋根の下から始まり、巣立つ人々の群像
80年代初頭のどこか浮足立った世相のフランスを舞台に、離婚を機に第2の人生を歩み始める女性・エリザベートが主人公。 離婚して、子育ても殆ど終わって、2度目の青春とも言える日々に足を踏み入れるエリザベートの姿を、いわゆる女性向け映画のようなギラギラとした感じではなく、緊張と不安を率直かつ繊細に描いている点に好感が持てた。昼間の喧噪を避け、息遣いまで聴こえて来そうな深夜ラジオの時間をメインの舞台に据えたのも、エリザベートの人柄によく合っていた。 ほぼ専業主婦として暮らして来たエリザベートが、職場や家庭等、血縁の有無に関わらない様々なコミュニティの中の人々と交わることで逞しくなっていく姿が爽快だった。 派手な苦難や逆転はない物語なので、お仕事ものや成長ものとして観ると物足りないかも知れない。しかし、離婚や子離れという巣の離散を乗り越え、細やかに自分の殻を破って羽を広げていくエリザベートの物語、そして先述のようなコミュニティの優しさの物語と考えると、非常に美しい作品だった。
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