「遺灰は語る。とある死生観について」遺灰は語る OMGCさんの映画レビュー(感想・評価)
遺灰は語る。とある死生観について
クリックして本文を読む
昨今珍しい?文学映画かと。
表現としてシュールさ、滑稽さはあれど、いわゆる現代映画の味付けのそれではなくて、例えば漱石作品を読んだ時にあるような、現代と照らし合わせると「フッ」とする程度のそれだったりする感じですかね。「釘」の奇妙さは芥川のような、、?
---
監督曰く、釘は原作者であるピランデッロの死の20日前の作品とのこと。
遺作が「釘」で、「遺灰は語る(さらばレオノーラ)」が死後のフィクションだから、上映とは逆順で観たならもう少し分かりやすいのかなあと思った。
purposeを「定め」なんてヒネった字幕付けるから余計に分かりにくい感じもしましたけど、少女の死を「悼む」ことが人生の目的(purpose)として描く「釘」は、ピランデッロの人生観が何かを悼むことであり、それが今回の監督としてはお兄さんの死により触発され映画化され、結局のところ美しい海に、世界そのものに溶け消えていくことが「目的(purpose・定め)」なのではないか。
っていうことを、描きたかった映画なのかなって思います。
死生観なんて人それぞれだから否定するもんでもないかな。
ここに描かれているのは「とある」死生観か。
壺の珍道中やら少女の喧嘩に示唆的な意味は無いのではないかとおもう。日本文学でも意味の無いサブストーリーってしばしばあったりするし。
列車内で目覚めに奏でられるピアノは、とてもとても美しく、劇中で唯一現代的なアプローチと感じました。
コメントする
おひさまマジックさんのコメント
2023年11月14日
満塁本塁打さん、ありがとうございます。当時なぜこの作品を見に行ったのか記憶に難しいです笑
作品への興味もさることながら、出張先での伏見ミリオン座への興味もあったかもしれません😅