劇場公開日 2024年12月13日

太陽と桃の歌のレビュー・感想・評価

全44件中、1~20件目を表示

3.53世代続く農園の今と大家族の肖像をリアリズムタッチで描く

2024年12月30日
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鑑賞方法:試写会

シモン監督は長編2作目にしてカタルーニャ地方の大農園を描くことに加えて、おじいちゃんから幼い孫まで実に幅広い世代の目線を交錯させた群像劇という手法で勝負に出た。この意欲と挑戦。皆、素人でありながら本当の家族に思えるほどのナチュラルさで彩られ、ドキュメンタリーを見ているかのような手触りが日々を奏でる。その分、家族の集合場面はこちらまで笑顔になるほど楽しく、逆に農園の未来を憂う場面ではどうしようもない切実さが身を覆う。企業による大規模農業。それがもたらす価格下落。不意に生じる土地問題。桃の木を伐採してソーラーパネルを建てようとする地主。それによる家族の分裂・・・。昔どうりに永続できるものなんて何もない。今の団欒もすぐに歴史の残り香へと変わるだろう。明瞭ではないラストや誰に感情移入すべきか悩ましい語り口にやや感慨の度合いは割れそうだが、農業と家族を揺るぎない目線で見つめたリアリズムを評価したい。

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牛津厚信

太陽の行き先の差

2025年1月28日
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鑑賞方法:映画館

 伝統的家族経営の桃農園がグローバル経済と巨大資本に押し潰されんとする姿を描いた物語です。農園が潰されると言うと、最新鋭工場やリゾートホテル、巨大ショッピングセンターなどの進出かと思いきや、地球に優しいというイメージを抱かれがちなソーラーパネル産業と言うのが現代的な皮肉なのです。まさしく太陽を受けて育って来た桃林に替わって、太陽を受けて電気を生むパネルが大地を覆うのです。割り切れない思いがしますが、太陽エネルギーの変換先が変わっただけとも思わせる巧みさ。

 桃林は美しく、そこを駆けまわる子供らは演技とは思えぬ遣りたい放題の可愛さなのですが、物語にもう少し振り幅が欲しかったかな。

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La Strada

3.0ソーラーパネル

2025年1月19日
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鑑賞方法:映画館

映画自体は予想通りの展開。私の住んでいる北海道では、勢いで作ったソーラーパネルが、そこそこ問題となっています、フィクションだろうが、海外のソーラーパネル事情はどうなのだろうか? 桃は固そうな感じでした。

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hanataro2

4.53世代の物語

2025年1月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

時代に翻弄される桃農園の家族の物語。世界がどんなに変わっても変わらぬ家族愛と絆がここにはある。日本人の私が忘れかけた家族愛、世代を超えた家族の絆の大切さ、地域の絆、つながりを改めて教えてくれた作品。

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くろちゃん

3.5傲慢と横暴

2025年1月7日
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鑑賞方法:映画館

おとうさんが傲慢で横暴すぎて、それが「家族のため」ならばまだしも単に「プライドを守るため」にしか思えなくて、いやもうみんなそんなおとうさんなら断ち切ってしまえばよいのに・・・と思いながらみた。
おもいきりがよく彩りゆたかなファッションと、子どもたちの無邪気で奔放すぎるあそびかたはみていてとても楽しかったです。

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kikisava

4.0最初から最後まで苦境のただなかにあるんだけど、なぜか明るさを失わない一作

2025年1月5日
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鑑賞方法:映画館

日本でも農業の苦境をたびたび見聞きすることがあるけど、農業国のイメージもあるスペインでも農業経営者は決して楽観的な状況ではない様子。一家の全員が本作の主人公といっても過言ではない、カタルーニャのソレ家もまた、家業の桃農園経営を維持できるかどうか、という瀬戸際にあります。

祖父は土地の権利関係をあいまいにしたままだし、妹夫婦はソーラーパネルの方が実入りがいいんじゃ、と勝手なことをいうし、長男は反抗的だし……、と一家を束ねるキメット(ジョルディ・プソル・ドルセ)の顔色と機嫌はどんどん悪くなってきますが、それも無理ないよねー、と思わず同情してしまいそうになるほど問題山積、前途多難な状況。

そんなお先真っ暗な農園経営見ても心が沈むだけなんじゃあ……とも思ってしまいそうだけど、土地柄なのか降り注ぐ陽光のせいなのか、なぜか映像も人物も明るさを失いません。大人たちはせっせと収穫に励むし、子供たちは農園のあらゆるもの、場所を遊びに変えていきます。そしてたとえ口論していても食事の時は楽しく食卓を囲む一家。気分がどうこう以前に、「生きてる!」って感触が画面から伝わってきます。

魔法も奇跡もない世界で展開するごく普通の生きている人々の物語。結末に彼らが向けるまなざしの先に何があろうと、このひと時の輝きが忘れられなくなる作品でした。

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yui

3.0シスコムーン

2025年1月2日
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家族のために懸命に働きたい「だけ」なのに忙しさのあまり子供の「救難信号」を見落とし溝を作ってしまう,伝統的手法で名産モモを育てたい「だけ」なのに合理化・近代化の波と衝突する,その他諸々…と八方塞がりの父の姿は,生きるためにモモの実を食べたい「だけ」なのに銃で狙われるウサギ達の姿と重なる。
世界中のあちこちで起こっていそうなリアルでやるせない話。
子供達の無邪気さだけが救いか。

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ひろちゃんのカレシ

2.0何がテーマなのか

2025年1月2日
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桃農園を営む三世代の家族。仲良く助け合って暮らしていたのに、地主から土地を売ってソーラーパネルを作ると言われたことで家族が少しずつ壊れていく。
祖父は契約書がなくて責められ、父親はカリカリしてら怒鳴り散らし,子供は反抗的になっていく。
唯一の救いは孫たちの楽しそうな遊びの風景。自然のものを使ってごっこ遊びが広がっていく様子はとても日常的で良かった。
最後まで救いのない,搾取されてなすすべもない様子はこの映画で言いたかったことがわからない気持ちになった。

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ニョロ

2.5邦題はどういう意味?

2025年1月2日
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悲しい

難しい

スペインの北東部カタルーニャ地方で、桃農園を営んでいる大家族のソレ家。収穫しようとしてた頃、地主から今年の収穫が終わったら土地を明け渡すよう通達された。桃の木を伐採して、その場所にソーラーパネルを設置するとのこと。父は激怒したが、母と妹夫婦は楽に稼げるという話に乗ろうとしていた。祖父、父、長男が別々の方法でなんとかしようとしてたが、最後の収穫が始まり・・・そんな話。

桃ってすぐに傷むのにあんなに適当に扱って良いものなのか?
直接食べるのではなく、缶詰かジュースにするのだろうか?
もっと良い品種にして高級桃で販売すれば収入も増えるのに、と思って観てた。
太陽と桃の歌???最後まで観てもなんちゅう題なんだ、と意味不明だった。太陽=ソーラーパネル?歌は何?
原題のalcarrasってどういう意味だろうとスペイン語を検索しても出てこず、カタルーニャ語で検索すると、逃げる、と翻訳された。
なるほどね、逃げる、ならなんとなくわかる。
これ、ドキュメンタリーなら良かったかもしれない。
末娘の明るく無邪気な行動が癒される。

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りあの

3.5優しくて強いビンタ

2025年1月1日
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ドキュメンタリーみたいに自然な家族だったなぁ…
母のビンタも父の涙も、グッときた。
みーんな良い人たち。

太陽と桃畑に守られて、とても素直に育った家族。

長男と長女、今どきこんな良い子どもいる?ってぐらいよ。
桃畑の危機に直面し、それぞれの反応が、またそれぞれに解るんだけども、
どうしようもないだよね…。

家族の絆で乗り越えてくれることを切に願います!

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hkr21

3.5子供が救い

2025年1月1日
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1本目。
複雑な家族の話かと思ってたけど、そうでもなく。
現代にありがちな話だけど、お国柄なのか、子供達の近くで、そんな話はと思ってしまう。
ソーラーパネルを設置するにしても、あんだけの空地があるんだから、そこで十分ではと思う。
最後の画が、関心領域な感じで複雑な気持ちにはならけど、子供の明るさ、無邪気さが救いだった。

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ひで

1.5契約書は大事

2024年12月30日
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難しい

3代続く桃農園に、土地の権利者からソーラーパネルを設置する話が来てしまったことからギクシャクしだす家族を描いた作品。

終始、ドキュメンタリーのような雰囲気を醸し出したドラマ作品。

農園に関する想いは皆それぞれあり、登場人物がどんなことを考えているのか考察しながら見ると良いのかもしれないが…。

ワタクシ的にはちょっと起伏がなく、大変なんだろうということは伝わるが淡々としていて少し物足りない印象。

まぁでも逆にいえば、変に映画映画していないというか、本当にリアルな生活を描いているのだろうなぁという意味では刺さる人も多いかもしれません。

ただ1つ、娘が「ドレスにストレスはなんちゃら」…と歌って踊っているのに対する母親の冷ややかな反応には声を出して笑いそうになった。もっとなんか言ってやんなさいよw

ということで個人的には合わなかったかなと言ったところですが、リアルで厳しい現実を感じ取りたい方には是非お勧め。

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MAR

3.5リアルでまるでドキュメンタリーのようでした。

2024年12月30日
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親子3代に渡り続いた桃農家。祖父の時代、口約束で借りた土地と家でずっと桃農家を営んでいたが地主の先々代、先代が亡くなり後を継いだ息子がソーラーパネル事業をするから明け渡す様言ってきた。桃農家にとっては青天の霹靂。役者さんが自然でまるでドキュメンタリーを観ているかのようでした。ラストも凄くリアル。世界中が環境問題に取り組み日本でも石破さんのソーラーパネルの法案が可決したばかり。この農家のような事が世界中で起こってるんだろうなと色々考えさせられました。

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snowwhite

2.0自営業者(小作人)は、つらいよ

2024年12月30日
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桃農家における"感動のドキュメンタリー映画"だと思って、映画を観ましたが。。。

原題は「Alcarras」で、単に監督の故郷である町の名前らしい。
監督はドキュメンタリー風映画として、この作品を撮影している中で、鑑賞者に映画を通して、田舎町の現状を観てもらい、何かを考えて欲しいと願ったに違いないが。。。
映画には、この地での特殊性がなく、舞台が日本でも同じような事が せっかく当てはまるのだが
それを日本の配給会社は"ヒューマンドラマ"の如く、宣伝してしまっているので、
映画自体の趣旨を失いかけてしまっているが、このテーマを描くのが30年前なら良かったが
今更 問題定義されても、社会派映画としての新鮮度はない。
また、監督の言いたい主張がない事も、映画の質を落としている。

この映画の舞台となる農家は、桃農園ではなく、いちじく農家でもなく!
メインは、出稼ぎ労働者を使ってまで収穫する"オリーブ農家"であって、いちじくや桃は連産品でしかありません。

カタルーニャ地方の名産は、桃ではなく
あくまで映画冒頭のオリーブであるが故
農協にいた他農家もみな"オリーブ農家"です。
この映画の中で語られている 色や大きさ等の作物は桃ではなく、オリーブの事を言っています。

そのオリーブの収穫期である3月頃から9月までの収穫の"打ち上げ"としての 町の祭り があり
桃は、その年の"最後の締めの収穫物"という位置づけがあるだけなのですが、
その意味を映画では、きちんと説明ができていないので、
イタリア人以外の人間が、この映画の内容をまるで理解できないのは、この監督の力不足と言えよう。
また、地中海性気候であっても、2月から 真夏を過ぎ、秋になるまでの季節感が まるでなく
いかにも「1月間で撮影しました」という演出も、最低レベルだ。

ちなみに、乱雑に扱うオリーブの15ユーロセントは、25円/個です。
あの乱暴な扱い方では、ジュースにしかできません。
ちゃんと農業すれば、食用として売れて、30ユーロセントの単価には成るでしょう。
そういう意味では、邦画「奇跡のリンゴ(2013年)」「種まく旅人(2012年)」をこの映画のダメな主人公に見せてあげたい。

映画の内容からすると、50年前ではなく、パソコンもインターネットも、携帯電話もある現代なのに
社会から取り残されているのは、主人公だけでなく、監督自身も時代の流れを感じていない お花畑に住む人なのでしょう。
私見としては、このようなダメ農家には、行政指導が必要なのと同時に
農業高等教育を農園経営者子息には受けさせる必要があると思う。

この映画を観たら、「プレイス・イン・ザ・ハート(1984年)」を観て、
僕が今回期待した"ヒューマンドラマとしての農家"を味わってもらいたい。

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YAS!

3.5太陽と桃の歌と言うタイトルは如何なものか?

2024年12月28日
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色々と考えた末の判断だとは思うので、何とも言い難いがタイトルとポスタービジュアルから来るイメージとはかけ離れた作品なので、騙された感が強くなっちゃう。そんな事は置いといてすごく内容の濃い作品。
太陽光パネルのくだりが桃の歌?
家族の物語ではあるが、少し辛辣な家族像と言うか。最後はバラバラになる雰囲気がとっても良かったです

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ビビ

4.0仕方がない

2024年12月24日
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一見、平凡で幸せな家族も問題を抱えていないわけがない。
仕方がないという連続が、家族の形なのかもしれない。

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ドラゴンミズホ

3.5生きるって不条理に囲まれること

2024年12月23日
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一見のどかな農家の家族(親族)にいろいろと不条理な出来事がわいてきます。
農地を奪われる=仕事が無くなる。でも農地に立つソーラー関連の仕事になら就ける。
丹精込めた作物が買い叩かれて誇りも捨ててしまいたくなる農家たち。
学問が大事、勉強しろと言われながら家業をしっかりやれと、どうすりゃいいの状態の娘。
きょうだい仲たがいでいとこと遊べずプンプンの娘。
そんな局面に置かれながらも血の繋がった者同士だからこそ(義兄弟も含みます)のなあなあと、そこはキッチリさせなきゃの行きつ戻りつ。
何処にでも起こり得る難問ですね。
美しい風景に誤魔化されがちですが、人の内面を描いた良作に感じました。
ただ、無音状態や展開の遅さ、関係性の説明不足など、体調によっては寝落ちの危険性もはらんでいます。
それにしても土地の権利関係は当事者同士が存命のうちにキッチリしとかなきゃならないのはどこの国も同じですね。
教訓を再認識しました。

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ニコラス

2.0わかりませんでした。

2024年12月23日
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日本人のわたしにはよくわからない映画でした。
最後のシーンとか。

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kazu565

3.0え?ここで終わり?ダメちょっと思った けど、 こどもたちがとにかく...

2024年12月22日
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え?ここで終わり?ダメちょっと思った

けど、
こどもたちがとにかくキュートなのと、
田舎のイタリア人の人との距離感の無さが新鮮で、
全体通すと、見て良かった

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jung

3.5太陽(光パネル)と桃の歌

2024年12月22日
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ソーラーパネルって本来は環境のためのものだったはずが、設置のために伐採など本末転倒なことをしてみたり、今やトラブルの象徴のひとつというイメージ。
これが映画になるってことは、世界中どこでも起きていることなんだなぁ。

明るそうなタイトルだし気候も良いのに、一族を取り巻く環境がヘビー。
契約書を交わすことがなかった時代の事を発端に、ギスギスと家族が分断されていって、関係ない子供たちも巻き込まれて観ていてずっと嫌な気持ち。
テーマは現代の問題で良いのだけど、ソーラーパネルに絞った方が良かったかなぁと思う。
作物の買い叩き問題も同時進行だと家族の精神的負担も大きいし、ピニョールと農協がグルにも見える。

もっと軽いノリの騒動かと思ってたから、期待と違いすぎてうーん。

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コビトカバ