「歴史を発掘し、記憶に残すための記録媒体としての映画」わが青春つきるとも 伊藤千代子の生涯 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
歴史を発掘し、記憶に残すための記録媒体としての映画
娯楽度なし。演技者たち、やたらと滑舌と腹式呼吸が徹底した劇団員風。
それでも、「フェミニズム」とか「女性解放」とかの各論ではなく、世界全体を民衆が生きやすくするために立ち上がったピュアな女性がいたことをしっかりとフィルムに焼きつけてくれたことに感謝。
男性の活動家の方に、とかく歴史の目は向きがちだけど、平塚雷鳥や伊藤野枝ばかりでない、輸入品ではない、ドメスティックな活動家がいたことを教わった。
男性だから変節しやすく、転向して折り合いをつけることが出来たのか、痛みに強いばかりに女性たちはナイーヴなまでに貫いて短命に終わったのか、こちらの方がむしろ武士道的ではないか。セクトの内部の男尊女卑も同時に見せつけられて切なかった。同志のはずなのに、やっぱり女性がご飯作るんかい。夫にねだられてまんまと「学費」を召し上げられるんかい!(腹たったわ!)
年端のいかない20代前半、戦後世代なら「道に迷っているばかり♪」と歌って許されたのにね、、、。
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