マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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最高のダチっす!自殺未遂者は共感度高いと思う
原作未読。主人公シイノ(永野芽郁)の友人のマリコ(奈緒)が自殺したニュースをテレビで知る所から始まる物語。
観る前のポイントとして、85分の短い時間でどのように話をまとめ上げるのかなと考えていました。
友人というより、レズに近い2人の愛情が美しいです。最近、ゲイの映画はあるけどレズは少ないので、もっと取り上げてほしいですね。
最後の方の草原のシーンは、少し心を動かされました。
次に気になった点を挙げます。
遺骨を持って包丁を突きつけるシーン等、少しリアリティーに欠けるかなと思いました。
永野さんの1人芝居が多いので、少し浮いた印象を持ちました。
ひいきにしている永野さん主演なので、星4にしたかったのですが、最後のオッサン臭い歌でテンション上がりませんでした。
ちなみに永野さんが吸っているタバコは、ニコチンは入っていないので、本物のタバコではないそうです。美容や健康には影響ないでしょう。
永野芽郁ワールドを堪能した映画でした。
何気なく発せられるハッとする強いセリフが印象的
死んだ人の記憶は忘れていくけど、良い記憶ばっかりが残ってしまう。
といった感じのセリフがあった。
何気なく発せられたセリフだが妙に納得、発見がある言葉だった。
死んだ人に限らず、思い出全般に言えることだなと思い、いわば思い出補正というものをより細かく解体するとそのような解釈ができるのだろうと思った。
このような、何気なく発せられるけどハッとする強いセリフが印象的な作品だった。
物語は当時と今を行ったり来たりする構成。
ストーリーがなかなか進まず90分程度の作品にしてはテンポ感があまり良くない作品という印象を受けた。
また割れた画面のスマホを使用するという演出はその人の人となりが一気に分かることができる秀逸な演出だと思った。
迫力の演技
現代の暗い部分の虐待や自殺をテーマにした、社会に訴える作品だと思う。
社会にはたくさんの理不尽があるが、永野芽郁が狂気の役を演じきったし、
奈緒もまた、虐待におびえ孤独な娘を迫真の演技でした。
85分ほどの時間で物足りなさもありますが、とても感動する映画でした。
私は翌日に、ひとりカラオケに行ったんですが、AIの「Story」をライブ映像で歌っていると自然に涙腺が緩み・・・
この映画を観て、ひとりでも思いとどまる人がいて、人に優しくなれる人が増え、社会がいい方向に向かうことを切に願います。
やさぐれ永野芽郁が良い
突然、何の前触れも無く大切な人がこの世から居なくなった喪失感は、まさに人生の滅亡を感じます。
しかも、自らの手で断を下した結果となれば尚更だと思います。
その喪失感とどう向き合って生きていくか?
やけっぱちになって後を追うのか?
それとも生ける屍、魂の抜け殻の如く生きるのか?
人間は都合の良い動物で、忘れると言う方法で多くの痛みから逃れる術を持ち備えていると聞いたことがあります。
歯を食いしばって頑張りましょう💪
ラストシーンでの主人公の泣き笑い、あの手紙には何がしたためてあったのでしょうか❔
タバコと手紙と遺骨と共に生きていく❗️
幼なじみで親友のマリコ(奈緒)の遺骨とシイノ(永野芽郁)の奇妙な2人旅のお話。勝手に逝ったマリコの為に、行きたいと言っていた「まりがおか岬」を目指す。登場人物が少ないので、マリコとシイノの関係性に集中できる。2人は友情を超えてお互いが依存し合う関係だったのではと思う。父親に虐待されて育ったマリコは精神を壊してしまうが、シイノだけが心のよりどころであり、手紙を書くことで安定を保っていたんでしょう。それとは真逆のシイノは中学生の頃からタバコを吸い、ガラの悪い女の子。そんな2人の友情が胸を打つ。
旅の途中で出会うマキオ(窪田正孝)が、まるで心理カウンセラーのようにシイノの心に刺さるんです。彼もまた心に傷がある人だったんだろうな。良い人との出会いでした。
ラスト何も言わないで逝ったマリコの遺書がシイノに届いた時は泣けたし、良かった。
今作の永野芽郁さんのガサツな役は見所十分。足を開いてタバコをふかす。前半で鼻から煙を出したのにはビックリ⁉️奈緒さんのメンヘラ感満載の演技も流石でした。窪田正孝の声は耳に残る俳優さんで好きだ。吉田羊さん贅沢にちょい役で使いましたね。85分という短さがちょうど良いスカッとした作品でした。
ブロークンシイノ
原作既読、短編の話を85分という中編に引き伸ばされたことで焦れったい、テンポ感が鈍いに至りもう少し脚色があっても良かったと思ってしまった。
マリコだけではなくシイノも実はほぼ破綻状態の日常、彼女二人同士は依存しあっていたが、「治しようがない」「先に彼女が居なくなったら耐えられない」が溢れてしまったマリコが先に自殺を選択、助けての一言が欲しかったから苛立ちは募る。
シイノは旅先の恩人のマキオにある言葉を言われて、人間性は保たれていたことを自覚する、これって重要なことなのだ。(怒りを訴える事が出来る状態)
特に子役のシイちゃんの迫力あるドアを叩くアクションは勇ましかった。
とてもナイーブなお話なのにどのジャンルの映画として観れば良いのか結論としては感嘆に浸れないものになってしまった
お腹が減る、食べたいって幸せなことなのかもしれない
永野芽郁さんのやさぐれ感が格好良かった。
物語としては短編を薄く伸ばした感じだけど、逃げ場のなかった壊れたマリコがただただ悲しく余韻が虚しい。
シイノの「大丈夫に見えるか?」に対して、窪田さん演じるマキオの「大丈夫に見えます」が良かった、特に2回目のとき。
案外人は死ねない、と同時に人は簡単に死ぬという矛盾を映しながら、それでも遺された生者に対して、数多ある中の一つの道を記したような物語でした。
個人的にクライマックスは遺骨を奪ってベランダから飛び降りるところなので、半ばから後半は感傷的な気持ちで一緒にシイちゃんと旅をしてる感じ。駅弁がすごく美味しそうだった。お腹が減る、食べたいって、幸せなことなのかもしれない。
遺骨持った人がいたらどうしよう
タイトルどおり、マリコはぶっ壊れてた。
虐待されてたりDV受けてたりする人は、自分が悪いから、自分のせいでと洗脳状態にされている。
マリコも同様、何も悪いことしてないのに。だから呼ばれたらホイホイ行って、怪我をする。そりゃシイちゃんも鼻血損。
尾美さんは昔から大好きな役者さん、今回は一つも擁護できないクズ父を好演。
永野芽郁さんは、この映画のためにタバコを覚えたそうで、いい具合にやさぐれてた。ちょっとがなり過ぎかなとも思ったけど。
大切な人を亡くしたら、いろいろ後悔が残る。シイちゃんの「死んでちゃ分かんねぇだろ」のセリフは、まさにその通り。すごく悔しくて寂しくて、グチャグチャのシイちゃんにグッときた。
地元で撮影された映画、見慣れた駅のバス停に永野芽郁が降り立った、これは事件だ。なんか嬉しい。
だけど、そのバスは海には着きませんよ。
半分ホラー
題材は好みではないが、タナダユキ監督、永野芽郁、奈緒の力で鑑賞
マリコが怖い(半分ホラー)
永野芽郁は吉高由里子みたいな、美人なんだけど美人に見せない存在感のある俳優さんで素晴らしい
マリコの父親みたいな男こそ、ゴミムシ!!
窪田正孝は男からみたらファンタジーです
永野芽郁さんの熱量がハンパ無い映画! 本年度ベスト!!!
今まで観た事もない彼女の迫力!
女優さんとしてのランクが上がった作品だった感じでとても良かった!
劣悪な環境で生まれ育った奈緒さん演じるマリコ。
彼女の親友。
ブラック企業で働く永野芽郁さん演じるシイちゃん。
この二人を中心に展開するストーリー。
出だしでラーメンを食べる中、マリコの自殺をテレビニュースで知ったシイちゃん。
子供の頃から仲良しだったマリコが何の相談も無しに自殺した事が信じられない設定から始まる展開。
生前のマリコの思いを汲んで、マリコの遺骨と共にある場所へ旅するストーリー。
出だしでマリコが自殺したので、彼女とシーちゃんの幼少期からの回想シーンが多目。
それらのシーンがかなり泣ける。
鑑賞中、ずっと涙が出ていた感じ(笑)
とにかく永野芽郁さんが凄かった。
豪快に食事を食べるシーン。
タバコを吸うシーン。
チューハイ?飲みながらキレるシーン。
今まで観た事の無い彼女の豪快な演技が満載。
自分的には主演女優賞を差し上げたい!
二人の幼少期を演じた子役の方も良かったけど、学生時代の永野&奈緒さんはやっぱり美しかった。
ってか、二人のキャスティングが大正解だった印象!
脇を固めた窪田正孝さん。吉田羊さんのキャラも素晴らしかった。
ラストシーンのシイちゃんの笑顔。
その理由が知りたいです( ´∀`)
フラジャイルな彼女たち
直近で公開された〔やがて海へと届く〕に近似のテイスト。
それは
仄かに香る「百合」であり
止めようもない喪失感であり
{ロードムービー}らしい、移動と出会いを経た再生。
とは言え本作、内包しているテーマは更にずっしりと重く、
タイトルの「ブロークン」がダブルミーニングなのと同様、
鑑賞者の胃の腑をずしっと抉るボディブローに満ち満ち。
小学校の頃からの親友と思っていた『マリコ(奈緒)』の
突然の訃報に接し、『シイノトモヨ(永野芽郁)』には
やるせない思いと、やり場のない怒りが湧き上がって来る。
その状況から、おそらくは自殺と思われる友の死は、
なんで自分に一言無かったのか、との切なさと、
幼い頃から実の父親に暴力や性被害を、長じてからは
交際相手のDVに苦しむ『マリコ』を救えなかったとの自責の念。
それらが相俟った溢れ出す感情から、彼女の実家に押し掛け、
遺骨を強奪するとの暴挙に。
もっとも『トモヨ』にも、そのあとどうするとの計画性はまるでなく。
極めて直情的な行動で、あまりの唐突さに、観ている側も唖然とするばかり。
骨を抱えて彷徨う『トモヨ』は、嘗てほんのちょっとした話の流れて
『マリコ』が行きたいと言っていた場所を思い出し
(これが不思議なコトに、どうやら東北地方の海岸のよう)、
夜行バスと電車を乗り継ぎ、当該所に向かうも、
そこで味わう思いは、弱り目に祟り目とでも表現したくなるもの。
しかし、その結果として、感情の上では寛解を得るのだから、
散々に思える旅程もなかなかに捨てたものではない。
中途『マリコ』は折に触れ幻影として現れ、『トモヨ』と会話。
彼女が生きている時にも、
なんで同じような自身を破滅させるような男とばかり付き合うのかと
うざく感じたことを思い出したりも。
そうした自責の念もないまぜとなり『トモヨ』の心を締め付ける。
とは言え、それが外向けに、周囲への態度として現れた時に、
我々はあまりに共感できない、傍若無人にも映ってしまう。
『トモヨ』も、心を落ち着かせる為に、中学生の頃から喫煙をしていた
心の闇は持ち合わせていることを知ったとしても。
遺骨の奪取の場面では、軽やかに翔んで見せるものの、
次のシーンでは無様に地面に転がってしまい、
それ以外でも、主人公が地面に叩きつけられることは多いのだが、
度毎に不死鳥のように(笑)立ち上がる。
そのモチベーションが何処に在るのか。
全てのわだかまりが氷解する、最後のシークエンスは、
内容は明快には示唆されないものの、あまりに美しい。
とは言え、主人公の日常には、僅かな光明が見えつつ、
生き辛さが渦巻いていることには変わりがないのだけれど。
絆で結ばれた二人の女性を『永野芽郁』と『奈緒』が
高校生から演じるのだが、意外とムリ筋に感じない不思議。
とりわけ後者は、当年取って27歳のハズなのに、
なんとなく見れてしまう。
あ、そう言えば、この二人
「NHK」の朝ドラ〔半分、青い。(2018年)〕でも共演してたな。
なかなかに面白かった
原作未読です
主人公が思ったよりもヤサグレた感じでこんな役を永野芽郁がやるんだとちょっと驚き
(もっともそんなに知らないけど)
けど、いかにもな人が演じると重めになりそうなのでこれで正解なのかなと
ところどころ『へっ?!』って感じのところもあるけど全体の熱量で押し切った感じ
基本的には主人公サイドの思いで話が進んでいくんだけど
ふと逆の・別の角度からの考えを思いついたらめっちゃ怖くなった
Born Under a Bad Sign
奈緒の独特の個性が光っていたマリコ役。
松葉杖をついて、恥ずかしながら只今戻って参りましたというシイノトモヨ。
戦友だった。
しわしわの爺さんどうしにはなれなかったダチの家族葬に親戚以外で一人だけ呼ばれた。
骨まで見届けた。
なんにもしてやれなかったな。
あって話したいことがいっぱい。
仕事なんかしてられなかった。
お前をさんざん利用したケチな野郎の香典の金額教えてやろうか?
帰って来たら、ベランダの狭い手摺の上に小さい石コロがポツンとひとつ。
きっと鳥の身体を借りて礼に来てくれたんだと思った。
その石ころはお前だと思ってずっと手元に置いておくよ。
煮え切らない映画でモヤモヤする
原作は知らず映画をみました。
予告編がテレビで流れるようになって永野芽郁さんのやさぐれたシーンを拝見して、面白そう!となり公開を心待ちにしていました。
永野芽郁さん演じるシィちゃんが奈緒さん演じるマリコの自殺を知ったところから話がはじまります。
結果としては今もモヤモヤしています。 映画が終わってからも頭で考えを巡らせてしまっているのはある意味、製作側としては成功なのでしょうか...笑 普段はご想像にお任せします系の終わり方も好きですが、この映画は全体的にモヤモヤします。
題材がメンヘラ、暴力、友情、依存、自殺なので重々しく、演じる側も観る側も考えさせられます。が、観る側に考えさせすぎです。
まず主要キャストについて自論を述べます。 前提として皆さん実力派なので演技力自体は素晴らしいです。
シィちゃんはガサツな社会人女性、マリコはメンヘラなのですが、奈緒さんはメンヘラ役が本当に自然でハマり役です。 シィちゃんですが、やさぐれ具合が永野芽郁さんとマッチしていない感じがしてしまいました。これは演技力の問題ではないです。
人は生きていると環境の影響を受けますが、そうして生まれたドロドロした部分というのは演技力だけではおぎなえない滲み出るものだと思っています。
永野芽郁さんは役作りで数ヶ月タバコを吸ったり相当努力されたと思います。
ですが、私はこの映画をみて永野芽郁さんは年相応で純粋な方なんだなと感じてしまいました。 高校生シーンや包丁を持って泣き叫ぶシーンはとても自然で引き込まれます。ただ、それ以外のシーンには素直さが滲み出ちゃっている気がします。 29歳くらいになった芽郁ちゃんだったらハマるかな〜という感じです。
[内容について]
小さいときから大人になってもやさぐれシィちゃんがメンヘラマリコの心の支えという関係に見えて実は、シィちゃんの方がマリコに依存していて、心の支えがメンヘラマリコで、マリコを支えることがシィちゃんの生きる道みたいになっていましたと。そんなマリコが遺書もなく自殺したから怒りや悲しみなどが爆発しつつ記憶を頼りにマリコの面影を追いかける。最後にはマリコの遺書をうけとりマリコの死を受け入れマリコ依存から解放された、というように大筋の解釈をしました。
シィちゃん側の家庭環境をもう少し掘り下げて描写してほしかったです。学生の頃の家庭環境は友情関係、人間性に影響があります。
メンヘラマリコは救いようのない家庭環境が故にぶっ壊れマリコになっていますが、シィちゃんの場合は親が離婚したという言葉だけです。
これが2人の共依存具合を想像させづらくしています。シィちゃんの背景描写がないのでぶっ壊れマリコが重すぎるのです。
マリコの遺骨を奪うシーンはよかったです。
奪った後、昔話した海に行きます。
マリコからもらった手紙たちや居合わせたJKをきっかけにマリコとの思い出が呼び起こされます。ここら辺は、旅してる感があるので、まぁ良いです。
窪田さんが演じている男が出てきたあたりからう〜んという感じです。
男の役割が物語を軽くした気がします。
親友が死んでも生きているものは進まなくてはいけない、酒に溺れたり歯を磨いたりと男がきっかけで生活というメッセージを受け取りました。
ですが、男を登場させずにひたすらマリコの遺骨と向きあうシィちゃんの方が深い気はします。
1番わけわからんかったのは、旅先でシィちゃんの荷物ひったくった犯人がJK襲うんか〜いてとこです。
題材が重いと少しの矛盾も気になるので、この映画は詰めが甘いと思います。
ただ、これだけ長文のレビューをかくということは一周回って楽しんだのかもしれません(笑)
予告編が素晴らしかったので、鑑賞してみたら
日本人の若手俳優が主演する映画は、能年玲奈を除けば殆ど興味がない私だ。ところが、この映画の予告編をみたら、素晴らしかった。正直、私が新作の予告編をみて感心することは、年に一回あるかないかだと思う。
結果は秀作であった。音楽の取り扱いに若干疑問を感ずることがあるぐらいである。原作は漫画だそうだ。その脚本は良くできている。クレジットにユキとなっていたので、もしかすると女性監督かもしれない。つぼは外さない監督で本当に感心する。
騙されたと思って見てほしい。
今の邦画って感じの邦画。悪くはないが、全く良くない。永野芽郁も奈緒...
今の邦画って感じの邦画。悪くはないが、全く良くない。永野芽郁も奈緒も頑張ってるけど、一線級と比べると・・・。関係ないけどシネシティは良い映画館だ。外観も中身も素晴らしい。
大丈夫そうに見えます
大好きな永野芽郁が小汚い役をやるなんて聞いたら、興味が湧かないわけがありません。しかも、予告はたまらなく面白そうだし、尺短いし、監督は「浜の朝日の嘘つきどもと」のタナダユキ監督だし、楽しみ要素満載。割と期待していたのですが、想像以上にパンチが強く、いつの間にかノックアウトされていました。面白すぎるぞ、この映画...。
とりあえず語らせてくれ、この女優について。
「君は月夜に光り輝く」「そして、バトンは渡された」では観客の心を揺さぶる名演技を、そして「仮面病棟」「地獄の花園」では新境地をみせ、女優としてのスキルを確実にレベルアップさせてきた永野芽郁。
そして本作では、死んだ友人の遺骨を親族から奪い去り、共に旅に出るというかなり変わったシイノという役を演じています。これが、ヤバい。清純派女優は捨ててきたよう。酒を飲み、タバコを吸い、生意気で、下品で、口が悪い。今までの永野芽郁からは考えられないキャラクター設定なのにも関わらず、彼女はこのシイノという役を熱演。なんかもう、憑依。これまで、どんな感じだっけ...と過去作の演技を思い出せなくなるほど、とんでもないものを披露。まじ、二重人格なんじゃないかってくらい人が違う。でも何故か、この役は永野芽郁にしか出来ないと思うほど、めちゃくちゃハマっている。心奪われるどころか、全身全て持ってかれそうなくらいでした。ちょっと、この女優大好き過ぎる。。。
そもそも、この85分という非常に短い間の中で、ここまでマリコ(奈緒)とシイノというキャラクターの人物像がしっかりと描かれ、魅力が溢れ出ているのに、衝撃を受けたよね。なんでこんなに感情移入出来てしまうのだろう。そして、なんでこんなにも愛おしいキャラクターなのだろう。雑で適当で汚いけど、真っ直ぐでひたむきで正直で、なにより友達思いなシイノの性格に、自分でもビックリするくらい心打たれました。こんな友人が欲しい。こんな友人のそばで生きていたい。
演技、キャラクター設定、と来て、次に最高なところは疾走感。走って、走って、追いかける。テンポの良さも異常だし、話の展開にも無駄がない。主人公の駆け抜ける姿を見ていると、画面越しに冬の冷たい風が感じられるほどなんだけど、決して中身が無いわけではなく、それどころかどのシーンも印象に残るくらい、ワンカットごとのこだわりがすごい。短くて、テンポよくて、濃厚。こんな最高なことあります??
「川っぺりムコリッタ」「アイ・アム まきもと」そして本作と、遺骨をテーマにした作品が相次いでいますが、個人的には作品自体の面白さといい、遺骨への向き合い方といい、今作が群を抜いてベスト。あの2作品のような向き合い方もいいなぁと思いましたが、もし自分が死んで遺骨となった時にってことを考えると、話し相手となり、共に旅をし、今までと変わらず友達のように接してくれるという本作のように扱われることが、どれだけ幸せかと。1番リアルだけど、1番夢がある。死んでからもめちゃくちゃ楽しい人生。主人公と全く同じ状況に立たされたら、こんなこと出来るはずがないんだけど、自分が死んだ側ならこんなことしてくれるなんて幸せ以外の何物でもない。
窪田正孝が謎の優しい人ってのもめちゃくちゃ良かったし、永野芽郁が色んな人に毒を吐くのも超スカッとした。いいセリフもたくさん。こんなに笑えて、こんなに泣ける映画、いつぶりだろう。もっとエピソードが欲しかった、もっと見たかったという思いでいっぱいだけれど、これはこれでも大満足。10月2本目にして、最高の作品と出会えました。この衝撃を、ぜひ劇場で。
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