マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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世界一好きな作品
映画館で2回、DVDで3回観た。
何度観ても涙が出てくる。
上手く言語化できないくらい好きな作品。
原作はさらっと読んだだけなので、詳しいことは言えないけど再現されてると思う。
マリコの儚い、危なかっしい感じが3次元に現れていた。
子の愛し方がわからないマリコのクソ親父。愛されなかったから、愛され方がわからなかったマリコ。こういった家庭の事情はわからないから、下手に言えない。
この親子は本当に考えてることがわからない。
良くない家庭環境は本当に負の連鎖が止まらない…。やるせない。
しいちゃんとマリコが重なって叫ぶシーンには毎度涙が出る。
観ていて、どうしてマリコは死を選んでしまったのだろうと誰もが思うだろう。
なんで絶対に手を差し伸べてくれそうな人(ここで言うしいちゃん)がいるのに死を選んでしまったんだろうと考えるだろうけど、身近で同じケースが現実にあったので、リアルな選択なのだと思う。
高速バスでしいちゃんと中学生のマリコが一緒に寝るシーンや、「しいちゃんの子に産まれたかった」とマリコが言うシーンとかのBGMが好き。聴いただけで涙が出る。
まりがおか岬でのシーンは、BGMが消えた瞬間にマリコがしいちゃんに抱きつく演出に鳥肌が立った。泣いた。
窪田正孝(役名忘れてしまいました)が良いエッセンス。なんでこんな優しいんだろうと思っていたけど、昔飛び降りたという一言が、過去に何かに救われたことを思わせる、塩梅が丁度いい。
なんでこんなに泣けるのか不思議だけど、たぶん、しいちゃんの、マリコへの強い思いに涙が出るんだと思う。マリコに一生懸命なところ。
こんな良い友だちがいるのに死んでしまうなんて…とつい考えてしまうけど、マリコはそれ以上に辛かったんだよね。…とマリコのことを考えると自分の友だちのことのように辛くなる。マリコに何もしてやれなかったし、色々してやろうとしたしいちゃんのやるせない気持ちとかマリコを大切に思う気持ちになって涙が出る。
めんどくせぇ 奴♥ ブス美とブス代の26年の一期一会
アメリカン・ニューシネマのエンドマークが出る当たりからこの映画の物語は始まる。
『もういない人に会うには、あなた自身が生きているしかない。』
『くっちゃべってる間にどんどん忘れて行くんだよ。綺麗なあの子しか思い出せなくなる』
死んだ事なんて関係ない26年の彼女達の一期一会だ。
大事なキャラクターや設定を惜しげもなく使って、一期一会の如く描くロードムービー。何も理由が明かされない。
笑ってんだから、良いじやん。
主演二人の代表作でしょうね
永野芽郁、奈緒二人とも代表作ではないだろうか。
シーちゃん(永野)の生い立ちやプライベートへの描写、言及が省かれているのが、変な説明や技巧を見せつけていなくて良い。
時間も短いが、急ぐことのない語り口だし、ラストは見事です。マリコからの最後の手紙を読み、泣き笑うシーちゃん。きっと手紙は、マリコからのいつもの内容だったから。自殺だったのではなく、事故死だったのだろう。それがシーちゃんには(私にも)「救い」だった。
私がほぼ毎年のように訪ねている八戸を撮影地に選んでくれたことに感謝します。
飛び降りる
シイちゃん2回飛びましたね。2回とも飛び降りるシイちゃんがスローモーションでとても美しかった。シイちゃんは心も身体も(骨折で済んだのが)強い人だなあ、と。そして優しい。親からの筆舌に尽くしがたい虐待とDV彼氏のせいでぶっ壊れてしまったマリコに寄り添うには強くならなければいけなかったんだよね。シイちゃん自身もそれで自分を保っていけたのかもしれない。マリコの言った「シイちゃんから生まれたかった」がわかる気がします。マリコ、自分で終わらせた人生にシイちゃんがいてよかった。多くの人にシイちゃんはいないから。最後にようやくシイちゃんの笑顔が見られました。
人が一人死んだことは、多くの人には日常。日常を生きる私たちの宿命でしょうけど。
ズッ友とは
恥ずかしながら帰ってまいりました
父親のSEX奴隷マリコ
恥ずかしながら帰ってまいりました
恥ずかしながら日常はループする、
恥ずかしながら日常は、継続し回帰する。
自分にとって大切な、死んだ人にまた会うには自分が生きているしかない。
その通りだと思う。
ここでは、ストーリーとして、シイちゃんとマリコという二人の個人の関わりにおいてそのことが強く語られ、窪田正孝演じる男の口からも漏れる。
死者とまた会い死者とまた語りそして死者を語るには、私たちは生きて生き続けなければならないのだ。ウクライナで!パレスチナ で、ミャンマーで、香港で、シリアやイラクで、そのことは実感され生きて出会い生きて忘却を拒み生きて語り続けられていることだろう。
そこまでの大きな広がり、と、舞台である日本の生活、シイちゃんのブラック企業、小さく殺風景なアパート。くたびれたスーツと黒のパンプス、ターゲット顧客となる高齢者、マリコのありえないくらい不幸な家庭環境、それを当たり前と刷り込まれた故の人格形成とそれによる災難、性被害暴力被害などの具体的に閉鎖的な抑圧。
そして驚嘆すべき、どんなピンチやどん底の時に持ちよっとおもろいことを言って自分を笑い飛ばすシイちゃん。シイちゃんはこれができたこと、と、成長と共にぶっ壊れていくマリコを支えるという使命に支えられてきたから恥ずかしながら飛んだり跳ねたりひったくられたりラーメン牛丼お弁当ガツガツ食べたりしながら生きている。
窪田正孝のセリフのテンポがよい。
マイブロークンマリコは、マイブロークンジャパンであり、マイブロークンワールドだ。
「永野芽郁最高の好演」
原作未読
永野芽郁がすごかった。
永野芽郁がこんなに鋭い俳優だとは思わなかった。見た目はややおっとり。平凡。
今まで、「君は月夜に・・・」「仮面病棟」「地獄の花園」「そしてバトンは…」を観て好感は持っていました。
でも今回の「マイ・ブロークン。マリコ」を観て、
こんなに一人芝居ができるのか、こんなに役やセリフに没頭できるのかと驚きました。
すごいと女優だなと思いました。 これからの作品も楽しみにしています。
※
過去には期待していたのにそれ程でない俳優さんもいます。その俳優さんも必ず持ち返すと応援しています。
※映画って、やっぱりいいというか、すてきだなと思える文化だと思いました。
永野芽郁の煙草かっけぇ どこ切り取っても絵になりますね、 岬のシー...
思い出とともに、生き続ける
いきなりグッと引き込まれ、最後まで魅入りました。
つかみが早い、展開のテンポも良い、主演のトモヨ(永野芽郁)の演技も素晴らしい。
親友マリコ(奈緒)の遺骨を持って旅に出るロードムービーのようになっていきますが、トモヨがマリコを思い出すのに合わせた回想シーンも自然です。
旅の途中で出会ったマキオ(窪田正孝)の最後の言葉。
「その人の思い出とともに、あなたが生き続けること。それが・・・・」これが、作者の言いたかったことだと思います。私も同感です。
昔、永六輔が自身のラジオ番組で話していた言葉を、今でも覚えています。
「人は2度死ぬと言われています。1度目は肉体の死、2度目は人の記憶から消えた時です。故人を忘れない、時に故人を思い出すことこそ最大の供養です。」
(以下蛇足)
この秋、「遺骨映画」を立て続けに3本見ちゃいました。(川っぺりムコリッタ、アイアムまきもと、そして本作。)それぞれ違った視点からの作品でしたが、本作が一番しっくりきました。)
理解不能の狂気じみた"愛"が、牙を剥く
「俺たちに明日はないッス」のタッグ、タナダユキ監督と脚本•向井康介氏の作品と聞いたら黙っちゃいられない。
たまたま去年死んだ母の墓参り後に導かれるように鑑賞。
内容はとにかくやさぐれた主人公、永野芽郁が演じるシイノ。俺が初めて永野芽郁をスクリーンで観た時は「俺物語!!」のヒロインの時だったから、そのギャップと怪演っぷりに圧倒された。
あと、窪田正孝がいい味出してた。正直今まで好きじゃなかったけど、こんな渋さを出せる俳優さんだったんですね。すいませんでした。
正直、映画のキモとしては、死んだマリコをどこまで愛すか、なんだと思います。脚本はいい塩梅でそこを重視していた。距離感で一気に違和感を生み出してしまい物語に集中出来ないという懸念は、さすが安定の向井康介氏が払拭してくれた。
しかし愛がお互いに狂気に満ちていた。
牙を剥く狂気具合が湊かなえを彷彿とさせるほど。
理解出来ないほどに依存体質のマリコを庇うシイノは、強がっている性格とは裏腹なお人好し要素が見えていた。
だけど、特別なマリコにしかそれがなかった。
本当の「暴力的な愛」だった。
あと、こっからネタバレ…というか内容はもちろん話さないですが、オチに賛否両論があるかもしれない。俺は「ありがとう」と思ったけど、鑑賞した女性2人組は「あのオチか…」と言っていました。どんなオチかは観て判断すれば良いと思います。
マリコサイドのストーリーも観たいかな。「マイラブリーシィちゃん」。ちゃんとしたジャパニーズホラー映画になりそうだ。
構成完璧でした。最高の映画体験をありがとう。
あとから地味にジワジワくるこの感覚。
原作未読。予告の期待を裏切らない作品って、実はなかなか少ないです。
永野芽郁さん、アカデミー獲ると思いますが、漫画原作だと難しいのかなぁ。昔読んだ漫画『降っても晴れても』を思い出した。女の友情をよくここまでリアルに繊細に描いたなという印象。最後のエンドロールで女性監督なんだー‼︎って感動しました。描き方がとにかくめちゃくちゃカッコイイ。
今のところ、今年ダントツの邦画。
『余命10年』と迷うけれど。
かなりリアルな内容。
疲れた日に観ることはオススメしません。
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