「世界一好きな作品」マイ・ブロークン・マリコ さば缶のWi-Fiさんの映画レビュー(感想・評価)
世界一好きな作品
映画館で2回、DVDで3回観た。
何度観ても涙が出てくる。
上手く言語化できないくらい好きな作品。
原作はさらっと読んだだけなので、詳しいことは言えないけど再現されてると思う。
マリコの儚い、危なかっしい感じが3次元に現れていた。
子の愛し方がわからないマリコのクソ親父。愛されなかったから、愛され方がわからなかったマリコ。こういった家庭の事情はわからないから、下手に言えない。
この親子は本当に考えてることがわからない。
良くない家庭環境は本当に負の連鎖が止まらない…。やるせない。
しいちゃんとマリコが重なって叫ぶシーンには毎度涙が出る。
観ていて、どうしてマリコは死を選んでしまったのだろうと誰もが思うだろう。
なんで絶対に手を差し伸べてくれそうな人(ここで言うしいちゃん)がいるのに死を選んでしまったんだろうと考えるだろうけど、身近で同じケースが現実にあったので、リアルな選択なのだと思う。
高速バスでしいちゃんと中学生のマリコが一緒に寝るシーンや、「しいちゃんの子に産まれたかった」とマリコが言うシーンとかのBGMが好き。聴いただけで涙が出る。
まりがおか岬でのシーンは、BGMが消えた瞬間にマリコがしいちゃんに抱きつく演出に鳥肌が立った。泣いた。
窪田正孝(役名忘れてしまいました)が良いエッセンス。なんでこんな優しいんだろうと思っていたけど、昔飛び降りたという一言が、過去に何かに救われたことを思わせる、塩梅が丁度いい。
なんでこんなに泣けるのか不思議だけど、たぶん、しいちゃんの、マリコへの強い思いに涙が出るんだと思う。マリコに一生懸命なところ。
こんな良い友だちがいるのに死んでしまうなんて…とつい考えてしまうけど、マリコはそれ以上に辛かったんだよね。…とマリコのことを考えると自分の友だちのことのように辛くなる。マリコに何もしてやれなかったし、色々してやろうとしたしいちゃんのやるせない気持ちとかマリコを大切に思う気持ちになって涙が出る。