劇場公開日 2022年9月30日

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「ちゃんと疑義のある部分もチェックされていて好印象。対抗以上。」マイ・ブロークン・マリコ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ちゃんと疑義のある部分もチェックされていて好印象。対抗以上。

2022年10月1日
PCから投稿

今年290本目(合計565本目/今月(2022年10月度)4本目)。

今日最後に見た映画になります。

この映画も原作って存在するんですね…。私は知りませんでした。ただ、主人公も含め設定などの説明がとても丁寧なので「小説前提、知らない人お断り」になっていない点はとても好印象です。

この映画は解釈がしやすく、かつ、「ひとつの解釈のしかた」しか(おそらく)できないし、そのラストも明示的に描写されるので「解釈のゆらぎ」は発生せず、もっぱら映画単体の描写などの評価の論点「だけ」に絞られるように思えます。

その観点で見ると、多少わかりにくいかな…と思える点はある(時間ずらし表現があっちこっち飛ぶところがある)ものの、結局は過去にしか飛んでいない(過去からさらに過去といったことにはなっていない)ため、その部分も「あることさえ」理解していれば理解はしやすいです。

 一方で気になった点として、この映画は結局のところは「児童虐待」「家庭崩壊」といった論点が絡むため、「適正に処理するなら」、行政に相談するなり弁護士会に相談するなりするべきであるものの、そうするとこの映画は1分で終わってしまいます。さすがにそれも支離滅裂であり、その点は仕方がないのかな…というところです。

 すると、それも含めて法律的な解釈がどうか、という点が気になるものの、若干説明不足な点はあるもののおおむね正しく、ここでは評価5.0が上限ですが、個人的には6.5くらいいきそうな気がします。

 減点対象は特に見当たらないのでフルスコアです。

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 (▼参考/「火葬は、亡くなってから24時間を経過しないとできない」)

 ・ これは、墓地埋葬に関する法律による規定です(事件性のあるものが、警察のチェックを受けることなく火葬・土葬されることを防ぐ趣旨のもの)。

 (▼参考/自殺を思いとどませるシーン)

 ・ この行為(やめるように説得したり、実際に実力行使に出る行為)は、民法上の事務管理にあたります。事務管理はその規定上、「本人の意思に反する場合、その事務管理を中止しなければならない」という規定があります。ただしその場合でも、公序良俗違反や自殺を実行する行為を止めるような場合は、そうした「違法や不当、公序良俗、人命に関することを実行する行為」は、それらををとめることのほうがさらに優先されるため(判例)、本人の意思に反してでも無理やりにでも中止させることが可能です。

 (▼参考/ものを無理やり持ち去ったりするシーン(2か所。序盤の主人公の行為と、中盤あたり、バイクのひったくり)

 ・ これらの行為自体は民法上問題になりますが、一方で無理やりにでも奪ったものにも占有権はありますので、それを実力で取り返す行為は占有訴権との関係で問題になります(占有回収の訴え)。

 ※ 要は、「無理やりにでも奪われた場合は、法律にのっとって裁判所などを経由して合法に取り返すのであり、無理やり私人間で奪い合いをしてはいけない」ということです(社会秩序崩壊防止の観点)。
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yukispica