「『ババドック』の方が好き?」スクリーム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
『ババドック』の方が好き?
1作目『スクリーム』(1996)のオープニングそっくりの展開によって、高校生タラが不審者の電話によるクイズに答えるシークエンス。やはりゴーストフェイスの餌食にはなるがタラはなんとか一命を取り留めて、家出をしていた姉のサマンサが恋人リッチーとともに帰ってくることになった。次に狙われたのはリブのストーカーだった男だが、何とも呆気ない登場と退場だった。
サムが病院内で襲われる 彼女が家出をしたのもかつてウッズボロー連続殺人事件の犯人ビリーの娘だと知り、苦悩の末のことだった。ウェスの母親ジュディ保安官が殺され、ウェスも殺される。そしてサムと恋人リッチーが頼った過去事件の重要人物デューイ・ライリー元保安官も病院で殺されてしまう。重傷を負っていたタラを助けるためだ。
過去や呪われた血を断ち切るためにサムはリッチー、タラと共にウッズボローを逃げだそうとするが、タラの喘息用吸入器を忘れたためにアンバー宅(元スチュー宅)へ戻る・・・しかし、そこではウェス追悼のために不謹慎ながらもパーティが開かれていた。そこで、リブの恋人チャドがゴーストフェイスに襲われ血まみれに。
パーティが終わり、友人達がほぼ帰宅した後、アンバーがリブを射殺。かつての事件のように犯人は二人いる?!とりあえずアンバーが犯人の一人だと判明するがもう一人は誰なんだ?といった終盤の展開だ。
かつての三部作と同じように中盤では、映画オタク、ホラーオタクであるミンディが映画講義をするシーンが最高だ。1作目の生存者でもあるTVリポーター、ゲイル・ウェザーズが執筆した『スタブ』という映画が8作作られているという設定であり、『スクリーム』シリーズのストーリーそのままとして扱っていることに留意。そのスタブを貶しながら(実は褒めている)、実在の映画と絡ませていく主張が見事。
彼女の意見によると、続編は必ず原点回帰させて登場人物も絡めていないと面白くなくて、全く新しいものを作った続編は単なる金儲けのためだと非難していること。昔の要素がなければ許されないのだ。『ハロウィン』、『ターミネーター』、『ゴーストバスターズ』、なんと『スターウォーズ』まで挙げている。『アス』をかなり賞賛しているのも興味深い。
また、元保安官のデューイによると、
ルール1:恋人を信用するな
ルール2:犯人の動機には常に過去と関わりがある
ルール3:犯人は最初の被害者の友人の中にいる。
という、新たなルールも語られていて過去作をリスペクトしているし、ウェスという登場人物がいるのも故ウェス・クレイヴン監督への敬意の表れなのだろう。
登場人物のほとんどが過去作の親族であるという点や、クライマックスでは過去と同じ家での惨劇を描いてある。とにかく原点回帰!デューイ(デビッド・アークエット)、シドニー(ネーブ・キャンベル)、ゲイル(コートニー・コックス)のそろい踏みも嬉しい限りですが、シドニー、ゲイルとともにサマンサ(メリッサ・バレラ)の3人が並ぶとチャーリーズエンジェルの雰囲気さえ醸し出していた。
過去の登場人物の名前も徐々に思い出してきましたが、やっぱり1作目から続けて観たほうが面白いと思う。“スラッシャーフーダニット”という言葉も飛び出してきたし、そういうジャンルになるんでしょうね。尚、実際にコートニー・コックスと結婚していたデビッド・アークエットは、すでに離婚していたみたい。なんとなくぎこちない元夫婦の二人だったよなぁ・・・