「あの人はアレだから!」きさらぎ駅 なつ F列さんの映画レビュー(感想・評価)
あの人はアレだから!
2ちゃんねるの洒落怖名作はリアルタイムではないけど、大概は読み漁ってるので、きさらぎ駅という短いスレッドをどの様に作品にするのかと興味はあったけど、2ちゃん名作をあまり料理してほしくないという相反する気持ちがあり未視聴だったが(好きなインディーズバンドがヒットしてしまう微妙な気持ちに近い)続編新作が早々にアマプラ配信が始まったので、素直に視聴。
きさらぎ駅の色調やキャラクター像がなかなか良いなと。
ハスミ視点で行動をしているので、ホラーゲームをプレイしてる感じでさらに化け物の類いもゲームに出てくる造形、登場、ぼやけた印影などがとても楽しめた。
特に空の色がいいな。
ハスミの「先生」と言う設定も「生徒」を思いやる気持ちが強く出ていき、ミヤザキは自分に恥じない生き方をしなさいとの母親の教えの通りハスミを助け共に脱出しようとする様を短い尺でしっくりと意味を持たせる技が素晴らしい。
この娘のお母さんの教えにブラボーである。
そして、その唯一の生存者ハスミの元へやってくるのがハルナ。
彼女は一部始終を聞く。
ハルナのあの行動はなんだろう…好奇心?なんだかわからないけどまぁ、何かの為の「脱出条件」を知ってかの故か乗り換え異次元電車を始めてしまう。
まさかこんな「異次元エレベーター」都市伝説ネタを被せてくるとかって失笑してしまったよ。
じゃあ他の乗客どうやって乗ったの?とかはツッこんではいけないホラー界。
無事にきさらぎ駅到着。
聞いていたとおりの風景、人物達。
そもそも、ハルナはなにをしたいのか観ていてもさっぱりわからない。ミヤザキを含むその乗客達を助けたかったのか、その割には説明もしないので乗客も不信感しか抱かないのも当たり前なのに1人突っ放しっていく。
とりあえず、みんなで行こう=私は助かろうの様にしか見えない。
実際、事情の知らない乗客達が「やった!人だ!」ハルナ「逃げて!」
いや、明らかにクリーチャーなら逃げるが乗客側から見たら人間の姿の助けである。パニックを煽るだけ煽っておいて車強奪の「あの人はアレだから!」はもう名言なのよ…
事情を共有し皆で相談し脱出を目指し戦う熱いドラマをする訳でもなくただハルナが迂闊にも踏み入ってしまった場所から逃げるだけの脱出ゲームである。
そんなハルナの脱出ゲームバッドエンドストーリーなだけ。
短い作品だけど個人的に珍しく早く終わって欲しいと思った作品。
ミヤザキを逃したのだから最後の自己犠牲としては完全なバッドエンドルートではなくて良かったのでは?
ハスミさんもニッコリ。
しかし、姪っ子は見た!
何度目かの乗客ハルナは助かるのか!
続く!