「唐突な急ハンドル」チェルノブイリ1986 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
唐突な急ハンドル
1986年、当時ソ連のウクライナにて起きた原発事故に挑んだ消防士達の物語。
30年以上経った今でもよく聞く未曾有の事故ですよね。
キューバ危機にも並ぶ世界の大ピンチだった内容を、映画作品としてどう教えてくれるのかと期待したが・・・。
結論から言うと、ちょっと観たかった内容とは違っていたかな。。
技術的にもリアルな視点や、ソ連という独特な政府に対する反骨心みたいなもの中心に描くドラマ作品を期待していたのだけれど。。まぁ政治批判になるような内容はムリか。。
いずれにせよ、中盤までは粗100%ロマンスに振り切った内容。一応原発というワードが出てきたりはしたが、もはやチェルノブイリの映画だとは忘れそうになるほど。
そして、そこからいきなり、本当に本当にいきなりドーンですよ。前触れとか一切描かれず。
正直かなり呆気にとられました。
そこからの内容は危険すぎる原発に挑む男達や、身勝手なお偉いさんなど、自分が期待していたものが始まってはいったが、どうにも最初のロマンス全開からの急カーブが引っ掛かり、のめり込むことができなかった。
それに、俺の代わりにスイスに…なんて絶対認められないでしょ。まぁフィクションにツッコみ過ぎてもいかんですが。
後半にはアレクセイとオリガの恋愛が良い味付けになっていった場面もあったが、とにかく前半をロマンスの代わりに、4号炉爆発までのいきさつや管理体制を描いたドラマにしていたら、ワタクシ的には結構な名作になったのかなぁ・・・なんて思ったりした。
なんか、大分前の映画ですが、パールハーバーをちょっと思い出したりもした。
とは言え、映画の中ではこれを人災だと言っていたり、ちょっと驚くシーンもあった。
それに、原発施設内で奮闘する姿は本当に緊張感もあり、パニックにも勇敢にもなる人間模様が良く描かれていた作品だった。