劇場公開日 2022年4月29日

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「考察型、というより余白の多いホラー」N号棟 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5考察型、というより余白の多いホラー

2022年5月10日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

単純

この感覚、前にも味わったことあるなーと思ったら、『クリーピー 偽りの隣人』だった。ホラーなんだけどサスペンスが蛇足になって、ダレて終わる感覚。少々野蛮なくらいホラーって振ってないと難しいのかもね。

近年メキメキと評価を伸ばす萩原みのりさんを主演に迎え、共演に山谷花純さんと倉悠貴さんという、なかなか良いキャスティング。ただ、やはり前評判通りだったというか…質感に対して中身が煮詰まってはなかった印象。勿体ない。

タイトルも「…の住人」とする方がしっくり来る。団地というより、団地のコミュニティの話。エンドロールに元ネタが出てくるが、都市伝説的な内容に脚色しているだけであって、肝心な部分は見えてこない。まだ『…村』シリーズの方が広げ方が上手い。キャッチコピーを押し出しすぎたのも仇になった気がする。

その一方、描写は新しくて上手いなと思った。光を抑えた気味悪さに緊張が走り、その不安を駆り立てる。ただ、やはりもったいないと思うのが、団地。画一的な空間の為、規模が伝わりにくい。コミュニティの実像が掴みにくく勿体なかった。vs住人の構図だけだったし、パラレルなのも…。

Jホラーが盛り上がりを見せているだけに惜しいところ。団地は日本的な印象もあるし着眼点は悪くない。何か欠けていた。

たいよーさん。