カモン カモンのレビュー・感想・評価
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大人になってしまったことを絶妙に再認識させられた
構成がすごく上手でした。普段から子供の声を取り扱う仕事をしているが、子供と暮らすことで、その純粋さや複雑さを再発見していく話だと思いました。
インタビューはドキュメンタリー調でしたが、確かに子供は余計な知識がなく、表層的だけど本質的に社会に対して物事を捉えている気がします。
自分自身、子供の頃に抱いていた純粋な「不満や葛藤」が薄れていたことに気づかされました。
少し難しい子という設定だったと思いますが、文化の違いなのでしょうけど、あまりにも子供のわがままに寛容なのが驚きでした。
終始子供に合わせて行くだけで、正直見ていて退屈に感じてしまいました。
子供が主人公に心を開いていくシーンがもっとあっても良かったかな、と思いました。
そして子供との触れ合いから、インタビューを聞くスタンスへの変化や、核心部分を聞き出せるようになる、などの連動も欲しかったです。
ドビュッシーの月の光でしたかね、とても大好きな音楽です。モノクロ映像とマッチしていて素敵でした。
叔父と甥っ子のやりとり良きです
両親が自分の子供だったらどう教育する?
みたいなインタビューとか
結構考えさせられるやりとりも多くあって
色々考えさせられるなあと、
あと途中の音楽も映像も心地よかったし、
何より叔父と甥っ子のやりとりが沁みる
平凡を普遍にすることを尊ぶっていいですね
カモンカモン!の表題も抜群にいい
ちょっぴりムカついたり、愛おしかったり
ずっと観たかったのに世間の大型連休に合わせての公開なのか、早々に今週で公開終了。GW明けたらゆっくり観ようと思ってたのに、もうレイトショーでしかやってなくてかなり迷ったけど、やっぱり観て良かった。
終始穏やかな流れでモノクロなので、人によっては退屈に感じてしまうのかも。
だけど、却ってモノクロにしていることで セリフのひとつひとつや その演技が引き立っている感じがしたし、この映画の空気感をより鮮明に映し出していたと思う。
とにかくジェシー役の子が凄すぎる!!
演技?お芝居?もう、そのまんまジェシーですか?って感じで。
時折、驚くような空想で大人を困らせた後に、なんとなくこちらの反応を窺うような鋭い目は狂気さえ感じさせる。
と、そう思うのは、ただただ澄んだ瞳にたじろぐ自分が「大人」になった証拠なのかも…
ジェシーはありのままでぶつかってくる。そしてそれを戸惑いながらも決して目を逸らさず受け止めようと努力するホアキン演じるジョニー。
おうむ返ししたりと悪ふざけをするジェシーに、見てるこっちが「あぁ、あるある…」なんてイライラしながらも、後からジェシーの母親である妹に電話をしながら、度々省みるジョニーの姿勢には自分も気付かされる事もいっぱいあった。
物語の合間に出てくる著書もとても興味深くて自分も読んでみたいと思ったし、子どもたちの大人や未来に対しての想いは、大人の方がずっと色々見て来てるのに、子どもたちの方がもっとずっと視野が広くて、現実を真っ向から受け止めていて、根本的な事から目を逸らさない。そこから紡ぎだされる素直な言葉には胸に迫るものがあった。
色々な事を半ば諦めて取捨選択して大人になった自分に何か出来るとは思わないけど、逃げないで向き合う事は、耳を傾ける事は出来る。未来なんて何が起こるか分からない。だからみんな先へ進むしかないんだ。
それにしても、このふたりの関係はどうしてこんなにも愛おしく感じてしまうのだろう。心に秘めた不安があるジェシーに、戸惑いながらも懸命に向き合っていくジョニー。そこには優しい空気が溢れていて、最後ジェシーと叫び合う姿には胸がいっぱいになった。
ジェシーはジョニーとの数日間を大人になるにつれ、いつか記憶としては忘れるだろうけど、心に残ることは間違いないだろうし、自分にとってもそういう存在の映画になった。
子どもって複雑だけど全てわかっているのよね。
子どもは可愛いし、ましてや血の繋がった子ならばたまらなく愛しいもの。
だけどほんと大変だよなぁ、っていうのが正直な一番の感想。
9歳の甥っ子ジェシーを預かることになったホアキン・フェニックス演じるジャーナリストのジョニー。
知的だけどちょっと変わったところもあるジェシーに振り回され、うまくコミュニケーションが取れず・・・。
モノクロで子供が中心にいて、というと近作では「ベルファスト」もあったのでそれと比べてしまい、ちょっと物足りなく感じたのですが、それはきっと私の好みの問題でしょう。
ホアキンは「ジョーカー」の後にこの作品を選んだのは大正解でしょうね。ヴィランとは真逆の役でひたすら受けの芝居に徹していて役者としての幅を感じました。無垢なところはなんとなく「her/世界でひとつの彼女」の頃を思い出していました。
温かい良作です。
子供と大人のはなしに見せかけた、人間のコミュニケイション下手を指摘する映画
よくある設定です。ヤモメ男が妹の子供をしばらく預かる事になって、初めはうまく行かないけどだんだん仲良くなる話。
しかし、よくある映画にはなっていません。
主人公と子供のコミュニケィションが軸では有りますが、上手くいってないコミュニケィションはほかにも主人公と妹。妹と妹の夫。妹と子供。さまざまなコミュニケィションが上手く行かないのはなんでなのか?それを問いかける映画だった様な気がしました。彼の仕事でもあるいろんな子供へのインタビュー(リアルにやってるらしい...)シーンがたびたびインサートされ、フィクションをリアルな世界に繋ぎ止めて居ます。
人間って、思っている事を相手に正確に伝えるのが下手ですよね、思ってる事と逆な事を言ってしまったり、やってしまったり、、回りくどかったり、、そしたら聞く相手も正しく理解するの難しいですよ、なかなか忍耐力いると思うし。
目新しい展開なんか何もないのに、妙に新鮮な感じがする映画でした。
のめり込み系役者のホアキン氏もジョーカーの後、よいバランスとりが出来たと思う。
言葉を彩るモノクローム
妹の子供(9歳)を預かる独身の伯父さん。子供の両親の「痛み」を交えながら、二人の心の奥底にある「痛み」を覗き、掘り出し、優しく抱きとめる作品。個人的にも独身のオッサンで妹に甥っ子がいるので、多分にドライじゃない感情が乗ってしまったが、素敵な作品だったと思う。少年がとにかく見事で、「チャンプ」「クレイマー・クレイマー」好きには堪らない。オマケとして「シックス・センス」「マーキュリー・ライジング」「パーフェクト・ワールド」も並べておこうか。
そしてインタビュー。この録音シーンはどこまでが台本だったのだろうか。子供達の言葉が生の声だったとしたら☆5にしても良い位に、響いてきた。だもんでこのエンドロール(秀逸過ぎて震えた)はホントにずるい(良い意味で)。劇場が明るくなっても暫く浸りきって動けませんでした。
映画好きに捧ぐ…
上映を観て2日経ちますが、まだ余韻があります。
凄いです。シンプルな内容だからこそ深みがあり、もうフィクションなのか、なんなのか理解出来ないです。
個人的な話になってしまいますが、ジェニー叔父さんにとても感情移入をしてしまい…。私も“言語化”して伝える事が苦手で気付けばマズイ状況(程々に)になる年齢になり、「分かるぅー」の連続でした笑
母親である事、父親である事、兄妹である事、同僚である事etc、、、世の中、色々バランスを取りながら純粋な子供との関係(大人が子供かもしれませんが)など、とても考えられる作品でした。
多分ですが、真面目に映画を観る方は絶対に観たほうが良い作品です。是非ご観賞下さいませ(*´Д`)
(邦画版でも、製作できると思うので是非観たいです)
スリープ スリープ
眠かった…
居眠りしまくりでした。
評価が高かったので観たけど、ダメでした。
2回目も観ないと思います。
淡々と退屈な会話が繰り返されます。
最後まで観ても、たいしたメッセージは受け取れない。
カラーだったら、まだ観れたかも?
なぜ高評価?
「対話」で向き合おうとしてくる映画
2022.36本目
音楽がない。色彩がない。ドキドキさせる演出もない。わくわくさせる超展開もない。
それでも、「あぁいい映画だった」「いい時間だった」と思えたのは、この映画がとことん「人と人との対話」を大切にしているからだと思う。
インタビュー(対話)ではじまりインタビュー(対話)で終わる。一貫されたテーマ。
むしろ、音楽がなくモノクロなことでより言葉にフォーカスがしぼられて効果的だった。
エンターテイメントや娯楽目的だけで映画を楽しもうとしている人にはあまり向かないかもしれない。
けど、より広くこの映画が好まれると嬉しいなぁと個人的には思う。
子どもだましをしたり適当にあしらうのではなく、ひとりの人間として対話をつづけた叔父さんとジェシーのように、この映画自体も観客と対話をしたがっているように感じた。
私個人の感覚としては、この映画はミニシアター向けの映画だと思ったので、大衆向けの大きな映画館で上映されていたことが不思議だったけど、
なるほどこの伯父さんジョーカーの人なのですね!笑
ジェシーの素直さ、超かわいい!伯父さんの立場だったら、とんでもなく疲れると思うしイライラもするだろうし、いやになると思うけど。笑
伯父さんとお母さんが電話でジェシーについて話すときに、「もううんざりだよ」と言いながらも微笑んでいたのが愛をかんじて好きだった。私も一緒にジェシーをみていて、2人と似たような気持ちになった。
子どもって、大人が思っているよりも色々なことをよくわかってて、大人が自分をどういう風に扱うのかを見抜いてる。真摯に向き合わないと関係がほんとうまくいかない。
それは、私が特別支援学校で子どもたちと過ごしてる中でも、いやってくらい感じる。
「この人は自分のわがままにどれくらいつきあってくれるのか?」「この人は自分の言葉や感情に対して、どんな反応をするのか?」
大人を困らせるような行動をした後に、大人の反応をよく見て、判断してる。
だから、自分がその場しのぎで対応したり、子どもからの発信をないがしろにしたりすると、子どもからの信頼を失って関係を築くのが難しくなる。
そういうときには、映画の中でお母さんや伯父さんがしていたように、「目を見て」「素直な心で」ごめんなさいと言うのが大事で、つまりそれは「対話をする」ということ。
対話が大切なのは大人同士でも変わらないと思う。
ジェシーは自分の感情をさらけだしたり考えを表現するのがとても上手だから、「変わり者の生意気な子ども」みたいに見えるけど、
子どもの多くはジェシーくらいに大人や周りのことをよく見ててよく考えてると思ってる。
言葉にしたり、態度に表したりするのを抑圧されているだけで、もう既に1人の人間として沢山の感情や言葉を持ってる。
映画の中で流れ続ける子どもたちへのインタビューの中でもそれが表現されてると思う。
今思うと、インタビューのなかの移民の子どもたちと、知らない土地に連れてこられて孤独な状態のジェシーって、立場としてとても似ていて…
どの子ども達もジェシーと同じように、孤独を感じていたり叫びたかったり、一人一人にパーソナルがあるんだよってことを伝えたかったのではないかなぁ。
子どもの立場って、とても弱い。判断能力がまだないからって理由で、親の意思が子どもの意思になるし、自分の暮らす環境を自分で選ぶこともできない。子どもの言葉や考えが、1人の人間として対等に扱われることって少ないような気がする。
特にジェシーのように友達がいなくて知らない土地で母親は帰ってこず父親は不安定でって環境に置かれたら、子供じゃ無い私だって伯父さんを試すような行動したくなる!
色々な感情や考えを1人の人間としてもっていて、でもそれをないがしろにされてしまいがちな子どもたちに対して、
嘘をつかずに自分をさらけだして、目を見て話をして、1人の人間として対話しつづけた伯父さんに救われた気持ちになった。
ジェシーと過ごす中で、叔父さん自身も対話の方法を学んで成長したし、気づきを得ることができた。最後には、自分自身の感情もさらけ出していいってことに気づくことができた。
対話によって関係が築かれること、対話によって気づきを得ることができることに、改めて気づかされたなぁ。
演出が多くて意図的に心拍数を上げられるような映画は、感情が大きく揺さぶられるから感動した、とか楽しかった、とか感情だけが残ったりする。
けど、この映画は、
インタビューの言葉を思い出しては考えさせられたり、伯父さんとジェシーとのやりとりを思い出して楽しくなったり、
じわじわと「観てよかったなぁ」と思える。そんな映画でした!
みんな子供で大人で人間
子供と向き合う職業(親も含む)に就く人は、これ、見た方がいい。子供って意外と大人でしっかりしている。躾るにも頭ごなしではいかんということを痛感した。出てくる人(大人も含む)の一言一言が心に沁みる…連休最後のビッグプレゼントだ。
自分の境遇に合わせて観てしまう
妹の子供を子育てする体験を通して、自分も成長してる姿がある。
僕は子育てをやればやるほど、自分のことを思い返していた。
この主人公も同じように成長している。
その頃の思いを呼び覚ましてくれる、観ている自分まで幸せな気持ちにしてくれる。
モノクロという作りが、想像力を掻き立てる。
それがまた、観ている者が、自らの体験とリンクさせやすいのかもしれない。
小僧の神様
禅問答を見ているようです。
2時間の小田原評定かもしれない。
同じところをぐるぐるぐるぐるぐるぐる回っているような気がしてきて気絶しそうになりました。
ジェシーは差詰、小僧の神様ってとこですかね?
神様は舌足らずで言葉足らずで答えをくれない、最後は人間に丸投げ
この作品も観客に丸投げ(笑)
家族映画の新たな傑作が誕生したと個人的には思わされた。日常をここま...
家族映画の新たな傑作が誕生したと個人的には思わされた。日常をここまでスタイリッシュに、そしてリアルに切り取った家族映画がはたしていくつあるだろうか。だがモノクロであるが故に、監督が言う「寓話」になりしっかりと映画になっていたのも流石の手腕。
自分は親の子どもだった時代しかなく、子どもの親になったことはない。だからこの物語も一辺倒な見方しかできないが、劇中にある「子どもも親もどちらもお互いを完全には理解できていない」的なセリフにはハッとさせられた。反抗期もなく喧嘩もない家庭だったが、子ども時代に親が何を考えているのか分からず不安になる瞬間が時折あった。それは今まで答えのないモヤモヤでしかなかったが、この映画を観た今、何かしらの形にできそうな気がしている。
ただ見るのではなく、その人の声を聞く。それこそがコミュニケーションであり、お互いを歩み寄らせ、絆を生むための唯一の手段であると思う。この映画はそれを見事に作品に収めてくれている。ここ最近で一番胸が温かくなる一本だった。
リアルなインタビュー部分が良かった
モノクロだからか、
ドキュメンタリーのようだった。
この子どもたちのリアルインタビューが、メインで心に残っており、
映画作品としてのフィクションの部分は、あんまり残っていないかなー。
お母さんは、お父さんのことばっかだなー、とか。
子役の子かわいいなーとか。
なんで、モノクロなんだろう...とか。
それよりも、子どもたちのインタビューの中で、
「歴史は過去の蓄積だから、また争いが起きる」
という発言が、今の世界にシンクロして妙にリアルで心に突き刺さりました。
子どもから学ぶこと、たくさんあるなぁ…。
またジェシーに会いたくなる
大きなストーリーの盛り上がりがあるわけではないし、大事件があるわけでない。そして、ジェシーはどこにでもいる少年。ストーリーを共有して行くうちに自分もその時空間に舞い込んでしまった
そんな気持ちにさせてくれる。
最近はシネコンでIMAXとか3D向けの映画多いけど、モノクロ映画は強烈さはないけど印象に残る映画が多いような気がする。その中でもこの映画は秀悦。
子供へのインタビューが深みを出している
パリ23区に続く白黒映画。
普通にストーリーだけを追うと、単なる子育て大変談で終わってしまうところが、子供たちのインタビューを効果的に挟むことで、二人のやりとりに深みがでている。
途中で挟まる引用朗読。その部分だけ抜き出して、後でじっくり読み返したい。
自分の子育ての時はそこまで考えず、ただ突っ走っただけだったので、読み返して振り返りたい。
アメリカの都市の空気感が、白黒映画を通じてじっくり上品に伝わってくる。カラーだと露骨すぎるかも。
これはパリ23区も同じ。
しかし、普通の子供はあそこまで理屈っぽくないとは思うけど。
全210件中、81~100件目を表示