カモン カモンのレビュー・感想・評価
全211件中、201~211件目を表示
【“先へ、先へ・・。大人は子供の心をキチンと理解しているの?”衝突しても”相手の瞳を見て話す事の大切さ”を考えさせられる。劇中のアメリカの子供たちの未来に対する数々の言葉に、明るい希望を感じる作品。】
ー マイク・ミルズ監督は「人生はビギナーズ」や「20センチュリー・ウーマン」を観ても分かるように、人間を見る眼差しが優しい脚本を書く方である。
今作でも、そのスタンスは変わっていない。-
■ラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は妹ヴィヴの旦那さんが、精神的不調のため付き添うことになったため、彼女の子供、9歳のジェシー(ウディ・ノーマン:とても可愛らしい瞳の、クリンとしたくせっ毛も可愛い男の子)を暫く、預かる事に。
二人は、突然始まった共同生活に戸惑いつつ、イロイロと隠し事なしで話をしながら距離を縮め、お互いが心の成長をしていく・・。
◆感想
・9歳のジェシーを演じたウディ・ノーマンが、実に良い。
彼は、ジョニーに対して
”何で、結婚しないの?”
と、直接的に質問したり、(で、ジョニーはおたおたする。別れてしまったガールフレンドを思い出したりしながら・・。)
ジョニーが上から目線で接した時”電動音楽付き歯ブラシ購入問題・・)には、態度で答える。
ー 大人同士では、遠慮して聞けない事をジェシーは無垢な表情でジョニーに聞くのである。-
・では、彼が只の我儘坊やかというと、そうではない。彼は、キチンと自分の両親の姿を見ていて、時には心を痛めている事が、良く観れば分かる。
- お父さんが精神的に脆い人である事。それを支えるヴィヴについても、実に良く観ている。例えば、彼女がストレスが溜まった時に、ステーキを焼いて一人で食べることなど・・。-
・ジョニーはジェシーに振り回されるのだが、そこには、驚きや楽しみ、不安に直面する子供を持ったことがないジョニーが初めて経験する事ばかりなのである。彼はそれを通して人間として成長していく。
・そして、ジョニーはジェシーの視点で、ジェシーはジョニーの視点で世界を見て、良く話し、お互いの距離を縮めていく。
- ジェシーの”僕の瞳を見て喋って・・”という言葉。ジョニーが”見ているよ・・”と答えるシーン。何気ないシーンであるが、大切な事だと思う。-
<この物語の中では、屡、ラジオジャーナリストのジョニーがアメリカのNYやボストン、サンフランシスコの少年少女たちに”未来について”インタビューをするシーンが挟み込まれる。
その問いに対する子供たちの世界の未来に対する、ポジティブな言葉の数々が素晴しい。
衝突しても、ジェシーとジョニーのように”相手の瞳を見て話す事の大切さ”を考えさせられる。
危機的状況にある現代世界だからこそ、この作品は光輝くのである。>
怪優、名優? ホアキン・フェニックスの「C’mon C'mon」 ...
怪優、名優? ホアキン・フェニックスの「C’mon C'mon」
「カモン カモン」
「c'mon」には、「大丈夫だよ」「心配するな」という意味も♪
で、映像で訴えるというより、セリフ、言葉の映画。よって、体調良好、寝不足じゃない時に鑑賞する事をお勧めします♪
多くの人は「大丈夫?」と心配されれば、本当は「大丈夫」じゃなくても「大丈夫」と答えてしまう・・。心配する人も「大丈夫」という返事を心のどこかで期待してしまってるかもしれない・。
大丈夫じゃなかったら、「全然大丈夫じゃない」という本心を吐き出せる事、それを受け止めてくれる人が一人だけでもいることが大事だなぁ・・。ジェシーの様に、感受性が豊かになればなるほど・・一人抱えこんでしまいがち・・。
流れる クラシックの音楽の曲名が、なんだったけ・・思い出せなくて・・気になって・・
空想家、子供は皆そうだ。
#30 期待が大きすぎた
『パリ13区』と立て続けにモノクロ映画2本鑑賞。
同じ日に見るんじゃなかったと大後悔。
こっちのほうが期待が大きかっただけに『パリ13区』と比べるとアメリカという舞台がすでにモノクロと合ってなくて、冒頭から入り込めなかった。
子供と心を通わせながら自分自身が欲してるものを見出しているんだろうけど、途中眠くなっちゃった。
完全に私の鑑賞計画ミスです。
テーマが異なるけど画質感が似た映画は日を改めて観ましょうね。
でも子役の子のセリフで、歳を取ったら若い時の鮮明な記憶はよく覚えているのに、大人になってからの記憶を忘れてしまう理由がわかった。
子供の頃は毎日起きたことを全部覚えているけど、大人になったら昨日のことすら忘れちゃうからだ〜。
本当頭悪いね。
私は今年になって何の映画を観たかったすらこの映画comのログがないと覚えていません。恐ろしい😱
こうであったら子どもは幸せ
哲学的、二人の対話にハッとする。じんわりと沁みる良作
スタジオA24とマイクミルズ監督、それに「ジョーカー」の怪演により、名を世に轟かせた俳優ホワキン・フェニックスで送るヒューマンストーリー。
妹夫婦の諸事情によって数日間9歳の甥っ子ジェシーを預かることになったジョニー。どこか似ている二人のぎこちない共同生活が始まり、ジョニーの子守りに奮闘する姿がモノクロの映像で描かれる。
エレガントでクール、スタイリッシュで創造的。そして未来の希望である子どもたちへのオマージュ作のようだ。
マイクミルズ監督が自身の子をお風呂に入れている時に着想を得たとのことで、同じく物語でもジョニーがジェシーをお風呂に入れながらの対話劇も印象的。
少しずつ縮まる二人の距離、表情の変化に温かい気持ちに。数日間の子育てによって、ジョニーと妹のヴィヴとの関係も修復されていく。
血は繋がった身内であるものの、母親ではない。子を預かるとなると、親とは違った重い責任と、言うまでもなく愛情が芽生えるのはめちゃくちゃわかる。
幾度なく挿入され、エンドロールにもなっている9歳から14歳の子どもたちのインタビュー(台本なしのアドリブなんだとか)には、時にハッとさせられる。大人が思っている以上に子どもは大人で、先を、先を。まっすぐ見ているんだと。
「人生起きると思っていることは絶対に起きない。考えもしないようなことが起きるから、どんどん先へ、先へ」
白黒描写が斬新です
育児=育親
突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていくラジオジャーナリストと甥っ子の数日間。子育てに四苦八苦する大人の作品は数限りなくあるが、本作は独身の叔父と甥という境遇が、年の離れた友達あるいは兄弟に似た関係を築いていく。
子供の行動は予想が付かないから子育ては大変。だから大人も育っていく。育児とは育親でもある。
興味深いのは、ジャーナリストがアメリカで暮らす子供にインタビューするシーンは、本当の生の声という点。アメリカの現状と将来への展望を率直に語っているあたりが実にリアル。というか向こうの子供達はしっかりしてるなと感心。
お話的に大きなトラブルや障害が起こるというわけでもないので、正直何度か睡魔に襲われたものの、子持ちの親なら「あるある」とうなずきながら観られるのではなかろうか。
A24版『クレイマー、クレイマー』として観てみるのも一興。
対話そして子供の未来、大人の役割
未来について考えたことは?考えるとき何を想像する?(撮ることで)普通を永遠にするってすごくクール
子どもも一人の人間、しっかりと向き合うことが大事。とりわけコミュニケーションレス=孤独に陥りがちな現代において対話・会話をすることの重要性、その手段としてのロールプレイ。ぼくはこんなにあたたかい映画を知らないかもしれない、誰かの話を聞きたくなる。子どもたちは大人が思ってる以上にしっかりと色んなことを考えている。自由な発想でハッと気づかされること、そしてそれでもやっぱり希望。真っ直ぐな瞳/言葉と同じで嘘偽りがまったくなくて私的かつ普遍的、日常かつ壮大な最高の映画の魔法。
多くの質問をして、答えはあまりない。大好きなマイク・ミルズ監督とホアキン・フェニックス。今まで自身の父や母のことを描いてきた監督が親になってでき上がった本作は、だけど作品自体は私的な着想からもっと間口広く世界にとって(親代わりともなる)大人の果たすべき役割を描き扱っていたと思う。別に他人の子を叱る近所のオジサンとか昔の名物を蘇らそうというわけではないけど、この世の中がもっと子どもたちにとって育つのに最適な場所に。
『20センチュリー・ウーマン』から母を看取るところから始まって、ザ・ナショナル『I Am Easy To Find』にも似た人生模様は、すごく日常と地続きで良い意味で"小さく"、だけどすごく大きなものと丁寧かつ真摯に向き合っている魔法のような作品だった。ジョニーというキャラはマイク・ミルズ自身ではないにしろ、やっぱり似通ったところはあるはずで、そうした意味でも監督の服を着た自然体ホアキン・フェニックスの役作りと肩の力の抜けた受け身演技で手を焼く伯父役を大好演。ううん、こうした普通を演じる名演にこそ時を越える魂が宿る。仲の良さが画面を通り越して伝わってくる。ジェシーの時に大人の神経逆撫でするようなリアルな子供っぷりも相まって、都合よくない方へ方へとちゃんと対立や葛藤があった。ここにはしっかりと2人の人間がいた。
おじと甥って親友みたい!自分にとって親戚いとこって好きじゃない遠い存在だから、いいな〜って思った。始まって間もなくから鏡という象徴は、もしかすると鏡の中に映らない妹ヴィブにとっては"見失う"ことかもしれないし、鏡の中に映っている主人公ジョニーにとっては乖離、あるいはその後自分と似た=(母)親の愛を受けた者同士、甥と過ごす日々を予感させるものだったのかもしれない。病める現代を象徴するような面を体現する苦しむ父スクート・マクネイリー。
ドロシーでアリス、親の役割という知らないことだらけに迷い込む。ヴィム・ヴェンダース『都会のアリス』や『オズの魔法使』というイメージと通ずるもの、類似性。期間限定のコミュニケーションを気まずいところから目を背けず深堀りしてみせる。9歳ジェシー役演じる子役ウッディー・ノーマンとの化学反応と順撮りもあってのドキュメンタリー性。行く先々で通りの空気、生活がある。フィクションとノンフィクション/ドキュメンタリーの狭間・境界線を取り去る。気の利いたセリフのやり取り、自然な会話。テンポの良さが光るけど右から左へは到底受け流せないような意味のあるもの。とっても大事にしたい作品。
アメリカ、嫌な思いも色々とするかもしれないけどやっぱり美しい国。問題山積み・お先真っ暗かもしれない現代に生きる若者たちのライフスタイル。自動車産業でかつて希望だったにも関わらず今は荒廃して実際そこに住んだこともない人が危険だと避けて非難するデトロイト、日の射すロサンゼルス、移民にとって希望と再出発を象徴するニューヨーク、水に彩られたニューオーリンズ。東西南北4つの都市をまたぐ美しい撮影、編集。白黒モノクロだからこそ豊かに見入って聴き入って沁み入る。写真みたいで集中して見ていられる。例えば同じくホアキン・フェニックス主演『her』の手紙代筆のように見事な仕事設定も光る奇跡のようなドラメディ。
どこを切り取ってあたたかい、いつまでも見ていたい2人の時間に愛しさ/好きが溢れていた。本当に何気なくも奇跡のような瞬間が詰まっていた。本当に大きなことが起きないけど、一番好きな、特別になり得る作品に出逢えた喜び。暴力は後で覚えたものだから人間には暴力をはねのける力がある。行く先はきっと世界平和だろうか?素晴らしい問いかけと未来への希求。予想したことは起きない、起きると思ってないようなことが起きる。だから先へ、先へ、先へ、先へ、先へ行くしかない。
Can I be an orphan?
ブラァブラァブラァ〜…ぺらっぺらぺら
先へ、先へ、先へ
全然大丈夫じゃない!
I'll remind you of everything.
勝手に関連作『her』『SOMEWHERE』『ロスト・イン・トランスレーション』
P.S. 自分が子供のときは驚かそうなんてことは無く、純粋にスーパーでぶらぶらしてもなぜか必ず戻れていた
司会よしひろまさみち、ゲストLiLiCo
blah blah blah
全211件中、201~211件目を表示