「大丈夫じゃなくてもいい」カモン カモン イズボペさんの映画レビュー(感想・評価)
大丈夫じゃなくてもいい
日常にはたくさんの音がある。でも全ては聴こえない。聴かなくてはならない音、聞かされる音、聴いてしまう音ばかりで聴きたい音を探す場面は多くはない。
甥っ子ジェシーは父が不穏な状態が続き母と一見穏やかなだがヒリヒリした生活が続いている。そんなジェシーの子守にやってきたジョニーおじさんの仕事道具のマイクで、ジェシーは音を拾い出す。自分の聴きたい音を探しながら。これがエンパワメントのきっかけだったんじゃないかな。
親なき子と子なき親のロールプレイも大人からしたら、うっとおしいけど彼なりに最悪の事態に備えてたところと、まだ最悪の事態ではない自分を確認していたのかも。
大人でも子供でも一本踏み出すキッカケは「神の啓示」のようにはやってこない。
ともかく「この世はしんどいこともあるけど、先へ先へ」と進んでいく価値があるはず。
ジェシーがおとなになってこのおじさんとの、日々を思い出してモノクロなのかしら。
余韻のある素晴らしい作品でした。
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