「苦しかった子供時代」カモン カモン せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
苦しかった子供時代
姉が精神不安定の夫を面倒を見るため家を不在にする間、甥の面倒を見るのを頼まれたジョニーとその甥ジェシーの交流の話。
基本的にジョニーとジェシーのぎこちない会話で全編構成されていて、話が進むにつれ自分の子供の頃の気持ちを段々思い出してくる。最初はジョニー目線で見ててジェシーはちょっと変わってる子だなという印象だけど、自分の感情をコントロールするのが難しく、表現の仕方もまだ分からないジェシーの気持ちが痛いほど分かるようになってくる。
ジェシーを見ながら子供時代を思い出して苦しくなった。自分もひとりっ子で、親の都合や喧嘩や嫌なことを同時に共有できる人がいなくて、捌け口がないもんだから爆発した時に歯止めが効かない癇癪持ちだった。今思えばあれは、自分の言うことを理解してくれという叫びだったんだが、まぁ暴れるから余計怒られてより抑圧されるっていう悪循環(笑)
親って自分のことは話さないのに子供にはあーしろこーしろ命令する。完璧な人間じゃないのに子供をしつける。その親の不完全性はジョニーが体現していて、最初は失敗もするし迷いも多いけど徐々にジェシーと同じ目線で話し始める。全ての親にこの映画見てほしいなぁ〜。
ジェシーを見て苦しかった子供時代を思い出しながら、ジョニーを見てかつて自分を苦しめた大人に自分もなってしまった悲しさを感じる。
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