「説明が…」カモン カモン ルカさんの映画レビュー(感想・評価)
説明が…
業界の人からも高評価が多い作品だったので観に行き、良い作品だとは思ったのだが、腑に落ちなかった点があったので、敢えて書かせて頂こうと思う。
二人が心を通わせていく心温まるストーリー
と、モノクロームの映像の美しさはとても楽しませて頂いた。子供たちへのリアルなインタビューのノンフィクションの要素と、映画のフィクションとを織り交ぜるのは試みとしては面白いが、着地点がどちらにもいかず、役者の演技を純粋に楽しみたかった自分には現実の声が演技の部分に介入し少し邪魔をしてしまっている様に感じたのと、主人公の叔父が妹への電話で、少年とどんなふうに打ち解けていったかといった出来事や、感情を含めた詳細を説明してしまっており、実際に少年との表情や会話のやり取り、間合いから二人の関係性が深まっていくのを観て感じるのが映画の面白さのところを、後から言葉で説明される形になっており、それだと映画ではなくて文章表現の本でいいのでは?と思ってしまった。
最後の方でも、少年と出会ってからの全ての回想シーンがまとめられていて、映画を観終わった後に個々に映画の余韻に浸って回想するのを映画の中でやられてしまった感じがして、自分の中で回想したかったのが説明的にまとめられていて楽しみが減ったと感じたので、やや興醒めしてしまった。
役者もいいし繊細なやり取りも良かっただけに、説明的な部分が多い様に感じたのが残念でした。
コメント頂きありがとうございます。
インタビューの答えがジェシーとジョニーの会話に表現されている、というのは確かにそうなんじゃないかと思いました。偉そうなコメントを書きましたが、良い映画だからこそ色々考えさせられて色々言いたくる、と思っています。他の方の意見を見て発見があるのも素晴らしいことですよね。
深いご意見に感服しました。 ありがとうございます。
『映画のフィクションとを織り交ぜるのは試みとしては面白いが、着地点がどちらにもいかず、。。。。。。。。』とおっしゃっていますが、私は子供たちのインタビュー(ドキュメンタリー)した答えはジェシーとジョニーの会話の中にあったと思ってレビューを書きました。だから、ドキュメンタリーとドラマのコネクションがよかったと思いました。 あくまで、私感です。しかし、この映画のみなさんの意見(自己主張を言葉に表す)がよく表れているのいいですねえ。これは監督の目的であり、我々でそれを達成したような気がしています。