「家族映画の新たな傑作が誕生したと個人的には思わされた。日常をここま...」カモン カモン しろぶたさんの映画レビュー(感想・評価)
家族映画の新たな傑作が誕生したと個人的には思わされた。日常をここま...
クリックして本文を読む
家族映画の新たな傑作が誕生したと個人的には思わされた。日常をここまでスタイリッシュに、そしてリアルに切り取った家族映画がはたしていくつあるだろうか。だがモノクロであるが故に、監督が言う「寓話」になりしっかりと映画になっていたのも流石の手腕。
自分は親の子どもだった時代しかなく、子どもの親になったことはない。だからこの物語も一辺倒な見方しかできないが、劇中にある「子どもも親もどちらもお互いを完全には理解できていない」的なセリフにはハッとさせられた。反抗期もなく喧嘩もない家庭だったが、子ども時代に親が何を考えているのか分からず不安になる瞬間が時折あった。それは今まで答えのないモヤモヤでしかなかったが、この映画を観た今、何かしらの形にできそうな気がしている。
ただ見るのではなく、その人の声を聞く。それこそがコミュニケーションであり、お互いを歩み寄らせ、絆を生むための唯一の手段であると思う。この映画はそれを見事に作品に収めてくれている。ここ最近で一番胸が温かくなる一本だった。
コメントする