「物心ついてからこれ迄の人生で自分が思った事・感じた事・考えた事・気付いた事・楽しかった事・悩んだ事・夢見た事・悲しかった事等々…の中で何かを置いて来てしまったのではと振り返った時に観たくなる映画だ…」カモン カモン もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
物心ついてからこれ迄の人生で自分が思った事・感じた事・考えた事・気付いた事・楽しかった事・悩んだ事・夢見た事・悲しかった事等々…の中で何かを置いて来てしまったのではと振り返った時に観たくなる映画だ…
①自分は子供の心を忘れていない大人だとずっと思って来たけれども、観ている途中で自分はずっとジョニー目線で見ていてジェシー目線では見ていない事に気付いてその自信が揺らいでしまった。②インタビューに対する子供達や若者達の答えを聞いていると、自分が同じ年代の時に同じ質問をされたら“さてどう答えるか”直ぐには思い付かない自分がいることにも気付いて、生活の為に忙しく働いているうちに摺りきれて“あの頃”に直ぐには戻れない自分になっていることにも気付かされた。③所詮人は自分というゾーンの中でしか生きていけないのだから、そのゾーンを豊かなものにしようとこうして映画を観たり本を読んだり音楽を聴いたり尊敬出来る人の生き方を取り入れようとして生きているわけだけれども、結構ボロボロと忘れたり置いて来てしまっているものですね。ジョニーはジェシーに一緒に過ごしたこの日々をジェシーが忘れたら「思い出させて上げるよ。」と約束したが、私も人生の中で何か大切なものを忘れてるな、どっかに置き忘れたな、と思った時は再度この映画を観てみようと思う。④『子供と動物とを相手に演技するのが一番難しい』と言われるが、天衣無縫なジェシー役の子役の自然な演技に的確にリアクトするホアキン・フェニックスにはいつ観ても上手いなぁ、と今更ながらに唸らされるが、ヴィヴ役の女優の面影にどっかで見たことあるなあ、と思っていたらギャビー・ホフマンが成長してこんな大人の女優になっていたとは。⑤結局人生は何が有っても前に進むしかないのだが、それが9歳の子供の口から出てくる(“C‘mon, C‘mon”)のが微笑ましい。⑥あと、私も弟を精神病で何回も入院させたし、自分も軽い双極性障害なので他人事には思えなかった部分もあります。