「子どもと大人、自分の中に存在する2人」カモン カモン ほしさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもと大人、自分の中に存在する2人
とにかくウディ・ノーマンくんがすごい!という話を聞き、本日鑑賞。
ホアキン・フェニックスも大好きなのでワクワクして観に行きました。
ホアキンさんがきちんと演技をしている…と感じるほど、ウディくんが終始自然体で、本当に素晴らしい役者さんでした。
もちろんホアキンフェニックスも最高。
というか、話が進むにつれてどんどん伯父さんの顔になっていく。
2人のタッグは奇跡だなあと感じました…!
ウディくん演じるジェシーが不器用なりに甘える姿、
言葉が追いつかない故に上手く表せない不安な気持ち、
子どもの頃に感じていたことが映像となって帰ってきた気がしました。
最近心理学に触れる機会があり、生まれ持った性質はあれど幼少期の養育環境というものがどんなにその人の人生に影響を与えるかを実感したところだったので、ジェシーと真剣に向き合う大人たちの姿に心を打たれました。
母親は、社会の上手くいっていない部分を全て背負わされてしまう。
これも今の世界に共通する問題だと思います。
複雑で、全ての人間には伝わらないかもしれませんが
この作品はとても分かりやすく観客に伝えてくれます。
大人になった今、不安ばかり抱えている私にとって
"起こりそうだと思ったことは起こらない、思いもよらないことが起こるのだから先へ進むしかない"という言葉は
いつからか立ち止まってしまっていた足を一歩踏み出させてくれるものだと感じました。
ジョニーは大人を、ジェシーは子どもをそれぞれ体現したような人物像で、お互いを全て理解することはできないけれど相手を尊重する気持ちを持って接すれば、歩み寄ることはできる。
観ていた私自身も、まだ子どものままの自分と、大人になった自分の2人がこの映画を観ていた気がします。
正直なところマイク・ミルズ監督の『21センチュリーウーマン』が自分には少し難しく感じていたのですが
本作は子どもたちのインタビューや既存の文章の一部を引用することで、とてもシンプルでわかりやすく心にスッと入ってくるような作品でした。
やさしい映像に、マスクがびたびたになる程涙が出てしまったので替えのマスクを用意することをおすすめします🙇♀️笑
今年観た映画では、友人達に1番勧めたい映画です!