「とても良い映画」カモン カモン stoneageさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良い映画
私たちが大人になってしまって、遥か彼方に忘れてしまった子どもの頃の"記憶"や"感情"といったものが、この作品のテーマなのかなと思いました(あくまで、個人的な感想です)。
しかし…
主人公ジョニー(ホアンキン・フェニックス演じる叔父)が、甥っ子のジェシーに振り回される場面や、ジェシーの母(ジョニーの妹)から彼との接し方なんかを聞いたり・話している場面を見ていると、ADHDなどコミュニケーション障害のある子どもの事がテーマなのかなと、ちょっと戸惑いながらこの作品を観ていたんですが、なんか違うんですよねぇ?…笑
ジョニーとジェシーが、アメリカを東へ南へと旅して行く中で、二人は徐々に心を通わせて行くんですが、その時の経過や"起こったこと"は、二人の中で色んな思い出、つまり共通の記憶として積み重なって行き、ちょっと忘れ難いものへと変わって行きます。
そして、ジェシーは、この記憶が成長と共に将来失われて行くであろうことを、とても残念がって、その寂しい思いを叔父のジョニーに語るんですが、ジョニーがその思い出を「僕が思い出させてあげる」とジェシーに言って、この作品は最後終わります…(ここ、なかなか感動的な場面でした…ちょっとウルっと来てしまいました笑)。
認知症の母親や精神を病んでしまった旦那のエピソード、インタビューで子どもたちが語る自身の未来像…
…かつての"美しきもの"が失われて行くことに、変な胸騒ぎを感じる作品でした。
*ただ、こういう映画は、正直ちょっと苦手です。まわりくどいというか、もっと分かりやすく描いてほしいなと思いました。テーマは良いのに、鑑賞後のカタルシスというか、満足度が今ひとつ沸点まで達しにくいというか…笑