「空間を感じさせる音と映像の不思議な魅力」カモン カモン SHさんの映画レビュー(感想・評価)
空間を感じさせる音と映像の不思議な魅力
マイク・ミルズ監督の前作同様、映像と音楽が美しく融合して、ゆったりとした雰囲気でアメリカという社会を見せてくれる魅力的な作品でした。
画角はスタンダードに近かったにもかかわらず、映し出される遠景はことごとく広々とした空間を感じさせる、不思議な映像体験だったような─それは音楽的効果なのか、はたまたモノクロというものが余計な情報を排除した結果なのか─。いずれにせよ、この絵はかなり精度が高いものでした。
内容は、相当に平坦であり、それが故につまらなさをを覚えてしまうかもしれませんが、ホアキンと子役の絶妙な絡みが面白いので、何もなくてもずっと見ていられる気がしました。ラストは何だか無理に感傷的にさせていたように思えて、そんな演出しなくても十分泣けるのに・・・感情が引いてしまって、むしろ逆効果!?なんて思ってしまいましたが、何はともあれ期待を裏切らない良作でした。
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