劇場公開日 2022年4月22日

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「哲学的、二人の対話にハッとする。じんわりと沁みる良作」カモン カモン あささんの映画レビュー(感想・評価)

3.5哲学的、二人の対話にハッとする。じんわりと沁みる良作

2022年4月22日
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泣ける

知的

寝られる

スタジオA24とマイクミルズ監督、それに「ジョーカー」の怪演により、名を世に轟かせた俳優ホワキン・フェニックスで送るヒューマンストーリー。
妹夫婦の諸事情によって数日間9歳の甥っ子ジェシーを預かることになったジョニー。どこか似ている二人のぎこちない共同生活が始まり、ジョニーの子守りに奮闘する姿がモノクロの映像で描かれる。

エレガントでクール、スタイリッシュで創造的。そして未来の希望である子どもたちへのオマージュ作のようだ。

マイクミルズ監督が自身の子をお風呂に入れている時に着想を得たとのことで、同じく物語でもジョニーがジェシーをお風呂に入れながらの対話劇も印象的。
少しずつ縮まる二人の距離、表情の変化に温かい気持ちに。数日間の子育てによって、ジョニーと妹のヴィヴとの関係も修復されていく。

血は繋がった身内であるものの、母親ではない。子を預かるとなると、親とは違った重い責任と、言うまでもなく愛情が芽生えるのはめちゃくちゃわかる。

幾度なく挿入され、エンドロールにもなっている9歳から14歳の子どもたちのインタビュー(台本なしのアドリブなんだとか)には、時にハッとさせられる。大人が思っている以上に子どもは大人で、先を、先を。まっすぐ見ているんだと。
「人生起きると思っていることは絶対に起きない。考えもしないようなことが起きるから、どんどん先へ、先へ」

マキ