「むかーし、むかーし」映画はアリスから始まった ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
むかーし、むかーし
はるか昔、まだアメリカにハリウッドが名を馳せる前のフランスで「記録」でしかなかったシネマに「物語」を創った最初の人物。
アリスは「ポーズをとる事が演技だった時代に、映画は自然でいい」と説いた監督・製作・脚本・演出家。(はたして?)
アリス・ギイ( Alice Guy)またはアリス・ギイ=ブラシェ(Alice Guy-Blaché)1873年7月1日 〜 1968年3月24日。
ちなみにイギリス出身のチャールズ・チャップリン(1889年4月16日 〜 1977年12月25日)の16歳年上のフランス女性。
映画作品に物語を創った最初の人物と紹介されているがジョルジュ・メリエス(1861年生まれ)は有名な『月世界旅行』(1902)の前に『悪魔の館』を1896年に作っている。まぁ細かい事はいいや。
本人のインタビューや娘シモーヌ・ブラシェ(たしか1908年生まれ)のインタビューや映画製作会社であるゴーモン社の事など中々興味深い[資料的ドキュメンタリー]である。リュミエール兄弟は聞くのに彼女の事をこの映画まで全く知らなかったのはアリス・ギイが女性だったからなのだろう。つまり男性陣から記録を残されなかった不運の努力家だったからで 他にも映画界で活躍した女性達も出てくる。ハリウッドの映画人でさえ知ってる人は少ないので日本にアリスの事が届かないのは当たり前で、このドキュメンタリー監督のパメラ・B・グリーンの着眼点が斬新。
『キャベツ畑』『森番の息子』『マダムの欲望』『大酒飲みのマットレス』『分割された家』『海の漂流物』『女帝』等観てみたい。
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