「映画制作黎明期の頃」映画はアリスから始まった ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
映画制作黎明期の頃
19世紀末から20世紀初頭にかけての映画制作の黎明期、実はたくさんの女性映画監督がいたが、その事実は歴史の影に埋もれてしまっていたという話。
たくさんいた女性映画監督のなかでも草分け的存在であり、もっとも多くの作品を手掛け(その数1000本以上!)、才能を発揮したフランス人女性アリス・ギイにスポットを当て、存命中だった1964年のインタビューを交えながら(この時既に90歳で1968年他界)、どうしてそうなってしまったのかを追いかけている。アリスの生涯はもちろん、黎明期の映画制作の様子や実際の作品映像など興味深いものをたくさん観ることができた。時代的にはエイゼンシュテインやチャップリンなどの歴史的映画人(巨匠)との絡みも出てくる。となるとなぜ無視されたんだと余計に怒りが込み上げてくる。
いろいろな原因が考えられる(多分複合的なんだろう)が、結局は映画制作なるものが20世紀になって黎明期には想像もできないほどの一大産業(娯楽かつ芸術)となるにつれ、女性軽視の風潮の中で歴史から消し去られたということなんだと思う(偉大であるべき映画監督が女にでも出きちゃうというのが嫌=映画の権威付け?だったのかななんて僕は勝手に思ってます)。だとしたら馬鹿げたホント酷い話です。
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