マイ・ニューヨーク・ダイアリーのレビュー・感想・評価
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強い女性の代名詞シガニー・ウィーヴァー
新入社員の若い女性と威圧感たっぷりの女性上司。この光景、見たことがある。そうそう、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイとメリル・ストリープ。同じテイストの作品なのかと思いきや、シガニー・ウィーヴァー演じるマーガレットは、めちゃくちゃ仕事に厳しいけれども理不尽なことは言わない。後になって感謝されるタイプの上司。強い女性の代名詞にもなっているシガニー・ウィーヴァーなんだけど、そうじゃない一面の演じ方も心に響く。
サリンジャーといえば、犯罪者とスノッブの必須アイテム。ご多分に洩れず、スノッブの僕は大学時代に文学青年の友人から内容を聞きかじって、サリンジャー信者を装っていた。あえて、読んでいないジョアンナとはえらい違い。
作品の中にでてくる本物のサリンジャー信者の熱のこもったファンレターには驚く。劇中では、ファンレターを書いた若者が、ジョアンナのイマジナリーフレンドとして登場し、ジョアンナの行動を批判したり、ジョアンナの気持ちを後押ししたりする。
ファンレターを開封して、全文を読み、定型文をタイプライターに打ち込んで返信するという退屈な仕事は、単なるブルシットジョブでないことが物語が進んでいくうちにわかってくる。出版エージェントという日本にはほとんど存在しない業態が垣間見えてとても興味深い。
『ライ麦畑でつかまえて』を10代の気持ちに戻って読みたくなる。そんな作品でございました。
本と人に関わる切なさと優しさ
私も文学部で学んだので、本と著者、そして出版に関わる人々のストーリーは大好きである。多くの作家志望の人たちの採用されなかった原稿の山、多くの愛読者たちの読まれなかった手紙の山の中で、本は生まれることをこの映画は思い出させてくれる。主人公は詩人志望の出版エージェントの秘書だが、サリンジャーへのファンレター処理係として手紙を読んでいるうちに、本と人の関わりの優しさ、難しさ、切なさのなかで、もう一度、詩人たろうと自分を再構築していく。本と文学、それに関わる人々への愛が詰まった良い映画である。
90年代のニューヨークが美しいが共感できるところが少ない
90年代のニューヨークが美しく、主人公も美しく撮れている。
しかし、人物に関して人間像が深掘りされていないため、共感出来ない。
LAを出てNYに来た理由とかいきさつとか。
前の彼氏のいいところ・悪いところ。
新しい彼氏との始まり。
編集長の仕事ぶり(部数を優先?作品を優先?)
サリンジャーにinspireされて、毎日書き続けたの?
原作には書いてあるのかもしれない。
ところで、あのホテルはまだあるのだろうか?
主人公の成長物語としては良い、マーガレット役のシガニー・ウィーバー...
主人公の成長物語としては良い、マーガレット役のシガニー・ウィーバーは好演。文学好きなら、色んな人が書いた手紙読むの面白いだろうとは思った。しかしなんだかふわふわしてるところは、多分サリンジャーの作品観とリンクしてるんだろうけど、自分はライ麦…もフラニー…も読んでないので、さっぱり理解できず。
それにしてもいつまで経ってもサリンジャーって人気があるなぁ
今ひとつ乗り切れなかったのは そもそもライ麦畑でつかまえてを読んで...
今ひとつ乗り切れなかったのは
そもそもライ麦畑でつかまえてを読んでも
その素晴らしさが判らないような私だから?
ではないと思いたい
本好きな方にはおすすめです
私にとってサリンジャーといえば、村上春樹さん。
そもそも
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
『フラニーとズーイ』
の二作品しか読んでないのですが、いずれも村上春樹さんの翻訳でした。
おれ、ちゃんと理解できたのかな?
というのが正直な読後感で、作品世界にのめり込んだとか、それほど共感した、という記憶はありません。ただ、人ごととは思えない不思議な感覚があって、いつかは読み直そうと思いつつ、まだ読み直してないといったところです。
なのでこの映画の中で、俺はフラニー派、なんてセリフを聞いても、嬉しい反面、ちゃんと覚えてればよかったという悔しさも。
ジョン・レノンを殺した犯人が『キャッチー・イン・ザ・ライ』に影響を受けていたらしいという話は有名ですが、日本の映画ファンにとっては、『天気の子』の帆高が読んでいたのが村上春樹さん訳の『キャッチー・イン・ザ・ライ』だった、というほうが記憶に残っているかもしれませんね。
私の中では、新海誠監督の『君の名は。』は村上春樹さんの短編『4月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて』にインスピレーションを受けて作られたということになってるので、映画を見ながらあっちこっちに記憶が飛んで懐かしく有意義な時間でした。シガニー・ウィーバーさんを見ていても『エイリアン』のことを思い出さなかったくらいですから。
ところで、映画の方ですが…
主人公はそれなりに夢を持ってはいますが、何がなんでも❗️というほどの気概は感じられません。
本来の夢とは違う方向で着実に成功していく姿は、そのままでも十分幸せだよね、自分だったら大満足なんだけど。
でも、主人公は当初の夢に向かって軌道修正し…。
という感じなので、それほど刺激的でも、大逆転劇のカタルシスがあるというわけではありません。
ある意味、(文学的才能という点を除けば)誰にでも経験がありそうな仕事と恋愛の〝あるある〟です。
本が好きな方、サリンジャーや村上春樹さんが好きな方には、満足度の高い映画だと思います。
ちょっと薄いかな
74本目。
主役の声、セリフ回しが自分好み。
現代劇かと思ったら違ったけど、聞いた事のない作家名ばかりで、いまいち話が入って来ない。
知らない事を追ってしまったせいなのかとは思うし、作家を目指すサクセスストーリーだとは思うんだけど、なんかその辺が薄いのかな。
インテリアやファッションからも眼福を得る
1990年代のニューヨークが舞台、憧れの大都市で憧れの職業を夢見て、がむしゃらに奮闘するジョアンナに、かつての自分自身を投影してみたり…。
大都市の片隅で「何者かになろうと」もがく姿、夢と現実との狭間で葛藤する姿には、国や場所は違えどきっと多くの人が共感することだろう。
本作は原作のジョアンナ・ラコフの自叙伝「サリンジャーと過ごした日々」を映画化。ジョアンナは1972年生まれで、まさにインターネット黎明期世代。今じゃ当たり前のように人々の生活に溶け込んでいるパソコンが、そりゃ当時ではジョアンナの上司にとっては奇異なもの扱いだよね。
当時はスマホなんて誰が想像していた?逆にタイプライターが新鮮でオシャレ、それにカセットテープの録音機も今じゃ貴重。オフィスの雰囲気も、衣装もオシャレでエレガント、映像だけでもハッピーになれる。
新社会人の人、大都会で懸命に生きている人たちが見ると、より響くのかな。
ところで「出版エージェントってなんやねん?」って、私も何度も気になったのだけど、著者の代理人として出版社へ企画を持ち込んだり、著作物の権利管理を代行する仕事なんだとか。しかも欧米では一般的(初めて知った)。
さらにホームページを見ると、ジョアンナが勤める出版エージェンシーは、1929年に設立の「ハロルド・オーバー・アソシエイツ」。マーガレットのモデルとなった人物は、サリンジャー 担当と経営を引き継いだ女性エージェントのフィリス・ウェストバーグ。
サリンジャーをはじめ、アガサ・クリスティ、ウィリアム・フォークナー、F・スコット・フィッツジェラルドなど数々の文豪の 作品の契約・著作権の管理などを行っていたという。
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」に関連する作品で「ライ麦畑でであったら(2018)」を思い出した。あの作品も、自然豊かな土地に隠居するサリンジャーに少年が会いにいくとという物語だったはず…。
実は私も「ライ麦畑でつかまえて」を未読、これは読まねば!
文系の高度な知識が要求されるが、今週では本命枠。
今年129本目(合計403本目/今月(2022年5月度)6本目)。
ということで、「チェルノブイリ」から5分違いでこちら。
こちらも、ここの特集およりホームページにあるように、実在した人物を描く内容なので、あることないこと描けないし、現在(2021~2022)では非常識かなと思えることもそのまま描かれています。とはいえ、30年ほど前(1990年代)なので、「極端に思想・考え方が根本に違う」ということはありません。
どう見るかは大きく分けて2つあるかなと思います。一つはジョアンナ(ジョアンナ・ラコフ)の自叙伝的映画と見る考え方、もう一つは、1990年ころから少しずつ芽生えてきた男女同権思想の先駆けとなる、「単に家で家事育児をするだけではなく、会社などで立派に働く女性の姿」を描くというもので、私はもっぱら後者の考え方でみました。ただし、実話がベースであるため、「ライ麦畑でつかまえて」などに代表される作品等の知識はほぼ前提にされてしまいます(ただし、それらの小説の細かい知識までは要求はされない)。
実はここのホームページやレビューよりも、公式HPのほうが非常に丁寧に当時の(女性の)作家レビュー事情やジョアンナやサリンジャーについて説明されているので、そちらを参考にされたほうが早いのでは…と思います(公式パンフもありますが、パンフを買わなくてもわかるくらいに丁寧に書かれていて良心的)。
上記通り、「自叙伝的映画とみる立場」と「女性の独立の先駆けとなった一つの出来事」とみる立場の2つがあり、私は後者でみましたが、前者とみる立場や半々的に見る立場、両方あると思います。それは映画内でも特に誘導などないので、どちらの見方も可能かなというところです。
とくに表現や字幕などわかりにくい点はないので、フルスコアにしています(まぁあえていえば、ジョアンナやサリンジャーのことは知っていたほうが良いかもしれません)。
小さな「新社会人」の気づきと目覚め。「自分探し」までは読み取れないなぁ。懐かしい風景でありました。佳作。
アメリカの文学者はヘミングウェイとサリンジャー
フィッツジェラルドくらいしか知らないし。
一番感動したのは「O ・ヘンリー」の短編集のワシ。・・・
【名前の「打ち間違い」の指摘は無しね・・・】
そもそも、出版社じゃない「出版エージェンシー」ってなんやねん??
助手とはいえ、作家志望のくせに「サリンジャー」読んだことないって??
とは思ったが、自叙伝に基づくらしいので事実なのだろう、担当だよ??
まあ学校「UC バークレーor イギリスの大学院?」でたばかりのある意味「まだまだ多感な」
新人女性が、最初はキツイけど、慣れると真っ当さに気づく「女上司」
隠遁奇人作家とそのファン とか 同棲する恋人や交友関係
様々なものに触れ、「覚醒していく物語」
ニューヨーク と パソコン黎明期でアナログが主体の1995年が舞台。
ワシも学校卒業チコっと前ではあるが同時期とも言えるから
異国のニューヨークとはいえ、なんか背景が懐かしい。
作家本人になりすまし返信はイカンだろ・・・と今では厳罰が下されそうだけども
90年代中盤くらいまでは「世界が良きも悪きもユルカった時代」・・・わかるわかる
いろいろな出会いが融合して、確立していく「自己」・・・わかるわかる
なんだか思いついたように馴染んだ職場を去る・・わかんねぇよ・・んな短期に辞めたら
キャリアにもならね〜し💢💢💢結局、自叙伝出すまでになったのは結果オーライでしかないけどね。
せめて在職中にサリンジャーの作品は制覇するぐらいの描写は欲しかった。
頑固ジジイのワシとしては。
懐かしい、けどある意味「わかりやすい」成長譚。
観客が30名くらいだが、「連れのいない単独客、男、女」が殆どの珍しい作品
ただ、観客の知的レベルはかなり高めだろうね。
字幕より前に同時に笑ってた年配の女性にチコっと嫉妬しました。受験英語なんてこんなもの。
小さな小さな佳作。ただし、最後は・・❓❓❓かもね。
働く女性にぜひお薦めです
今や大好きな映画評論家でもある俳優の斎藤工さんお薦め後押しもあってさっそく鑑賞。
文芸版『プラダを着た悪魔』との呼び声高い名作。凄く良かった。
大都会で仕事と夢、恋、人生に悩みながらもがき成長し、アイデンティティを見出す若き女性に対し、厳格でしかし実は期待を込めて育てようとする年齢を背負って影もあるバリバリのキャリアウーマン。
その配役にそれぞれマーガレット・クアリー、シガニーウィーバーの好演が光る、働く女性にぜひお薦めです。
ホールデンの精神って…。
1995年西海岸出身の作家になる夢を持つ形から入るタイプの女性が、夢を隠してNYの出版エージェントのアシスタントになり巻き起こる話。
PC否定派なボスの指示によりタイプライターでテープの文字起こしやサリンジャー宛てに届いたファンレターへの返信をする仕事を始める主人公。
全ての手紙に目を通しつつも30年以上前に作られた定型文の通りの返信をしていくけれど、あらすじ紹介に記されている通りに自身の言葉で返信を作ってしまい…倫理的にも法律的にも問題があるって、あれ!?それだけでこの話は終わりですか?
指示もそもそも返信は複写で充分じゃ?
同棲している彼との話や元彼との話にと回りくど~く展開していき、何だか良くわからないけれど決断して、それで又もや自己中行動…あれあれ!?終わっちゃったよ。
回りくどかったところがまさかのメインですか!?
仕事で言えば電話で話せたことが一応切っ掛けの一つになっているものの、ボスは完全否定でやりたい放題、アメリカらしいっちゃあらしいけど、終わりよければな成長物語ですかね…自分にはハマらなかったし良さが理解できなかった。
素敵
夢を持って輝く事の素晴らしさを感じさせてくれる作品。主人公のキラキラとした表情が良かったです。90年代のニューヨークの雰囲気、ファッションや音楽も良かったです!文学というより女性の生き方が主なテーマなので、サリンジャーを読んでいなくても楽しめます!
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