森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民のレビュー・感想・評価
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【ラオスとタイに住む狩猟採集民「黄色い葉の精霊」ムラブリ族の生活を捉えたドキュメンタリー映画。民俗学好きの方には面白いドキュメンタリーではないかと思います。】
ー 言語学者の伊藤雄馬氏がムラブリ族に密着したドキュメンタリー作品。ー
◆感想
・ムラブリ族は、タイの人達からは姿を見られずに常に移動して暮らす山地の遊牧民である頃が語られるが、撮影された人たちの顔付は、日本人と言われても違和感が全くない。
・生活は、家を持たないが葉っぱの下で暮らしている。格好は、やや古びたカラフルな衣装である。カメラが入ったのでお洒落をした訳でもないようである。
・奥さんに、村に出掛けてばかりで何も持ってこないために怒られる男の姿や、何よりも炊事風景が面白い。
魚は、普通に塩焼きだが串には刺さずに、茎の様なモノで挟んで焼いたり、煮たり・・。
竹筒に、モチ米を入れて炊いたりする風景は、アジアで良く見たなあ。
<文字を持たないムラブリ族の人達は、驚くほど警戒心がなく素直に言語学者の伊藤雄馬氏の願いを聞いているが、彼の関係性を構築するのは、随分と苦労したのだろうなあ。
今作は、民俗学に興味がある方には面白いと思われるドキュメンタリー映画だと思います。>
わくわくして観賞できまました!やってることが凄い。
ドキュメンタリー映画にハマっているオニギリと申します。
本作品はドキュメンタリーという感覚以上に「物語」として興奮しました。
やってること(ネタバレにならないように伏せますが)が凄いと感じました。
最後まで飽きさせません。
その上、途中にあるインタビューに関しては、遠い異国と言うよりも日本に住む我々に通じる課題感で身近に感じる部分も多く、本当に飽きさせない作品でした。
途中でねむってしまったが
狩猟採集民族のマインドのようなものを知りたくて、観た。
一節によると、仏教の僧侶と、狩猟採集民族のマインドには共通するものがあるそうな。
(未来に悲観しない。今、ここを生きてる時間感覚など)
それで、実際の生活を見れば、ホントなのかわかるのかなー?と思い。
実際に観たところ。
ホームレスの人や、方丈記を思い出した。
大原扁理さんとか。(←書籍を読んだたけですが)
たまたま、出ていた方々がそういう、まったりした感じの性格だったのかもしれない。
また、女性の方がしっかりしてる?勤勉な感じがした。
ただそれも、定住を前提にしている私の偏見が入ってるのかもしれないが。男で、芋を掘ってた人がいたな。
男は外に出たら、何か、家族のためにお土産的なのを持って帰ってくることが、やはり大切みたい。
炭水化物は貴重な栄養源。
白くて、柔らかくて美味しいもの。
肉、魚はたまに食う。
でも、みんなスリム。
私らがデブなのは、炭水化物が悪いのではなく、ただ、ただ、食い過ぎなのだということがよくわかりました。(笑)
みんな、器用にその場でさばいて食べたりしてて、やっぱ生活力が違うなって思ったり。
大義とか、意識高い系とか、そういう感じのものは観られず。
家族がベースで、村とか、それ以上の集団にならないと、意識高い系の精神性みたいなのが出にくいのか。
それとも、意識高い系の人は、もっと、より良い場所へと移住してしまったのかもしれない。
かつて人を殺して、食べる、悪い人もいたそうだ。
実はそんな人が意識高い人だったり?
まだまだ、わからないことばかりだが、まったりしていて途中、眠ってしまった。
こういう空気感が、狩猟採集的なマインドなのかも。
食うのに一苦労。腹減った、が、共通のキーワード。
でも、悲観的ではない。
じっくり、まったり。「生活」が基本。
男は、フラフラ。
腹減ってる。食い物をみつける。
だから食い物見つけると、どや!
そして、食うのが幸せ。
そんな感じか?←やはり偏見多いかも
最後に。
気づくと、生きるハードルが下がった気がする。
(最近は芸能人や若者の自殺も増えてるらしい。日本もこれから貧困化する可能性があるらしいが、こういうのを観ると、また世界観がアップデートされるかもですよ)
時間に追われる日本人が置き忘れてきた文化を大切にしている人々
金もない、電気もない、一部の人は家もない。そんな生活を送るタイの少数民族に焦点を当てた貴重な作品。
なお、ご出演されていた言語学者の伊藤雄馬さんは、実際に10年以上も現地で暮らされているらしい。ムラブリ語の語尾が上がっていく話し方に惹かれて、この道に入られたとのこと。
観に行った日がたまたま舞台挨拶の日だったので、彼が山の中で迷子にならないように呼び笛を持たされている話とか、ムラブリ語の挨拶はわりとテキトー(「どこ行くの?」と聞かれて、行き先が間違っていても別に気にされない)という話とか、かなりレアなお話を伺うことができた。
さて、このムラブリ族だが、現在は3つのグループに分かれている。
1つは他の部族の手伝いをしながら、定住生活を送る人々。構成人数は400人ほど。
もう1つは日雇いの仕事を続けて生計を維持する人々。現在は3名ほど。昔はお年寄りの方もいたが、既に亡くなってしまったらしい。
最後にラオスの森奥に住むムラブリ。十数名ほど。基本的に定住することはなく、気ままに次から次へと渡り歩く。
この最後のグループの話がなかなか衝撃的だった。仕事もしない、金もない、あるのは時間と共に住む家族だけという彼らの生活は、1日の大半を家族と過ごすことに時間を割いている。
家族と離れるのは、食糧を調達しに行く2時間ほどのみ。あとは家族と一緒にご飯を作ったり、作ったご飯を分け合ったりして過ごす。
どちらかと言えば、個の生活よりも家族という1集団での生活を重視する彼らは、家族を蔑ろにする人間を許さない。
この映画の中で、よく町に下りていく飲んだくれの亭主がいたが、妻が三行半を突きつけた瞬間から彼の孤立が余儀なくされる。何故なら、このグループの構成員は大半が妻の親族であるためだ。
これがなかなかにシビアだった。集団で協力し合って生きていく生活スタイルで、1人群れから放り出されるということ。要するに、家族を大切にしない奴は、一人で生きて一人で死ねということなんだろう。
一見してゆるりと気ままに生活しているようでも、実は生きていくためのそれなりのルールや責任が課されているらしかった。
なんにしろ、人間という生き物はひとりでは生きていけないんだな、ということを改めて感じた。
なお、この映画の具体的な撮影場所は、現地の方々の生活を守るためにも詳細は伝えないという方向らしい。
ただ、映画パンフには彼らに会えそうな場所がなんとなく、かなり大雑把な感じの地図が載せられている。
時間に追われる日本人が、とうの昔に置き忘れてきた文化を大切にしている人々。
思い出した時に会いに行きたい。
タイ・ラオスの森に暮らす少数民族を追うドキュメンタリー。
タイ・ラオスに200人程度しか残っていないムラブリ族を追ったドキュメンタリー作品だが、そのムラブリ族をカメラでとらえたのは、世界で初めてということらしい。
ムラブリ族は100年前ぐらいの時期に分散し、少なくともA・B・Cという三つのグループに分かれ、言語もすでに、それぞれのグループで変化してしまっているようだ。
タイに定住するAグループが約150人、同じくタイに定住するBグループが約5人、ラオスの森の中を移動するCグループが約15人程度ということが確認されている。
ラオスの森の中を移動するムラブリ族は、きちんとした住居もなく、葉っぱでおおった粗末な寝床に住み、村に食べ物をもらいに行ったり、森で採った芋などの食料を物々交換しながら暮らしている。
熱帯地方なので、衣服も粗末なもので用は足りるし、食料も何とかなるということだろうが、森の中で野宿しているのと、何ら変わらない生活をしている。
部族としては、すでに崩壊していると思われ、タイに住むグループは他の部族の村に定住して生活しており、ラオスにいるグループは昔のように森の中を移動しながら生活しているが、村に行き、必要な物を調達するなど、単独では生活できなくなっている。
ムラブリ族の言葉を調査する日本人の研究者がいるということもユニークだが、その言語も通じるのは200人にも満たないことになる。
ポスターのフンドシのようなスタイルは、頼んで昔の再現をしてもらったもので、実際はTシャツなどを着て生活しており、部族としてのスタイルは、すでに失われている。
文字はなく、言語のみ。しかし、他の部族と暮らす者の中には、すでにムラブリ族の言葉を話せない者もおり、後の世ではムラブリ族の文化が消滅している可能性は否めない。
貴重な映像かもしれない。ぜひ劇場でご確認ください!
貴重な作品
この世にはビックリする様な研究をしている人がいて、世界にはまだまだ知らない事が沢山あるのだと気付かせてくれる貴重な作品!驚く様な異文化なのに夫婦喧嘩の原因はどこも同じだったりして、少しクスッとしてしまいました。
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