「【”人に触れ合う事って、こんなに嬉しい事じゃったんじゃね。”可愛らしい地縛霊とボクとの関係を斬新な視点で描いた作品。高橋名月監督の今後の更なる活躍を期待したいと思った作品でもある。】」左様なら今晩は NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人に触れ合う事って、こんなに嬉しい事じゃったんじゃね。”可愛らしい地縛霊とボクとの関係を斬新な視点で描いた作品。高橋名月監督の今後の更なる活躍を期待したいと思った作品でもある。】
■同棲していた恋人にふられた陽平(萩原利久)の部屋に、幽霊の愛助(久保史緒里)が突如姿を現す。
ずっと部屋に住む陽平のことを観察していたという愛助は、いきなり上から目線で陽平の態度に駄目出しをする。
かと思いきや、生前恋愛を経験しなかった愛助は、男女が“付き合う”ことに興味津々。
ー 今作を鑑賞した理由は数日前に観た今作の映画監督(初)を勤めた高橋名月さんの短編映画を観た事と、この映画のフライヤーが手元に在り、気になっていたからである。
高橋名月さんは、短編映画「正しいバスの見分けかた」を2015年に公開されてから、7年の月日を経て今作を公開している。
今作を鑑賞して、まずは、その事実に頭を垂れたい。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作で、地縛霊愛助を演じた久保史緒里さんは、アイドルだそうであるが、その広島弁(かな)を陽平に語る口調が愛らしい。当然、ご本人も失礼ながら初めて見たが愛らしい方である。
・愛助が、陽平が越して来た部屋に地縛霊としていた理由は曖昧に描かれているが、男性との接点がなく病で亡くなった方なのであろう。
・ジャパニーズ・ホラーであれば、これが過剰な演出の下、おどろおどろしく描かれて行くのであろうが、今作はその様な類型的な描き方をせずに、あくまで愛助と陽平の交流に注力されているのが、良いと思う。
・愛助が口にする広島弁(かな)も、効果的であり、且つ二人がビールを酌み交わしたり、ベランダから花火を見るシーンなども、良い。
<ラスト、結界から解き放たれた愛助が楽しそうに洋介とデートし、その後居なくなる過程も一捻り効いていて佳き作品と思ったモノである。
愛助が洋介と映画を観に行った尾道シネマが開いていなくて、けれど愛助が居なくなった後に一人で尾道シネマに行った洋介を笑顔で観る女子高生の姿。
邦画のアイドル映画を貶す気は毛頭ないが、今作は観ていて気持ちの良い作品であった。
高橋名月監督の今後の更なる活躍を期待したいと思った作品でもある。>